★日経平均株価:米国の利上げ継続への警戒感や米株安を嫌気
米国の利上げ継続への警戒感から米国株安となったことを嫌気する動きが先行した。一方、為替がドル高/円安に振れて相場の支えになり、売り一巡後は下げ渋った。米国市場で、予想以上に強い米卸売物価指数(PPI)や米連邦準備理事会(FRB)高官のタカ派発言を受けて利上げ継続などの観測が高まり株安となったことを嫌気する動きが先行した。外国為替市場での円安進行を背景に、下値では押し目買いも入った。結局、前営業日比183円安の2万7513円と反落して終了した。
★東京外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い強まる
ドル/円は、前日に発表された1月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回り、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの見方から海外短期筋がドル買い・円売りを持ち込み、134.35円付近へ上昇した。仲値にかけて本邦輸入企業のドル買い・円売りが通常より多く観測されたことも、ドル/円の押し上げ要因となった。その後も、米長期金利が2.89%付近へ上昇すると、さらにドル買いが進んで134.60円台へ値を上げた。午後に入っても、ドル/円の堅調地合いは続き、一時134.81円付近まで上昇して昨年12月20日以来のドル高・円安をつけた。ただ、心理的節目の135.00円が視野入りすると、上げは一服した。その後は、米国市場の3連休を控えた利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いも見られ、小幅に値を下げて134.70円付近でもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、前日にFRB当局者からタカ派的な発言が伝わったことで、米金利先高観からユーロ売り・ドル買いが優勢となり、一時1.0633ドル付近まで下落した。
★トルコ中銀の利下げを予想するアナリストも出てきた
欧州復興開発銀行(EBRD)は昨日、トルコ南部を襲った大地震による経済的な影響について、今年のトルコ国内総生産(GDP)の1%が失われる可能性を指摘した。こちらもリラの買い難さにつながると思われる。来週はトルコ中銀が政策金利を発表するが、利下げを予想するアナリストも出てきた。地震による経済的なダメージを金利面で支えるという理由はある。しかしながら、エルドアン大統領が政府への批判をかわすために中銀に圧力をかけている、というのが実情と思われる。
★南アでは2つのネガティブなニュース:ランド売りトレンド変わらず
昨日は2つのネガティブなニュースが流れている。1つ目は、南アの公共部門の9つの労働組合が、「賃金をめぐる大規模で無期限のストライキ期間に向けて準備を進めている」と、昨日発表した。組合の中には全国教育保健労働者組(Nehawu)、警察と刑務所公民権組合(Popcru)、SA警察組合(SAPU)など が含まれている。ストライキの開始は来週に予算案が発表される22日からとなっている。インフレ率を下回る賃上げに対して、多くの労働組合が立ち上がっており、今後の進展を見守る必要がある。
2つ目は、3月の南アの基準エネルギー価格、中でもガソリン価格が大幅に上昇する可能性が指摘されている。一昨日発表された南アの1月消費者物価指数(CPI)は、3カ月連続の低下となり7カ月ぶりに7%を割り込んだ。CPIの低下はエネルギー価格の下げが要因だったため、この流れに水を差しかねない状況に陥る。引き続きランドの売りトレンドは変わらないが、米国市場は来週20日がプレジデンツデーで休場となり3連休を迎えるため、ポジション調整の動きには気を付けおきたいところである。
★メキシコ中銀のインフレ警戒感がペソを支える
メキシコ銀行(中央銀行)のエスピノサ副総裁は昨日、『メキシコ中銀の金融政策は制限的な領域にある』とした一方、『インフレは減速の兆候を示していない』『インフレに対するリスクバランスは依然として上向きに傾いている』などの見解を示した。メキシコ中銀のインフレ警戒姿勢が強く、金利先高観も根強いことはメキシコペソにとっても支えとなる。
★ゴールドマンでは米っくは傾向後退を回避できると予想
2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数(フィリー)が24.3%減と市場予想の7.4%減や、1月の米住宅着工件数が前月比4.5%減と市場予想の1.5%減を大幅に下回った。ゴールドマン・サックスは16日付リポートで「フィリー指数の下落と米住宅市場の低迷が、投資家の景気後退懸念を再燃させている。さらに、米卸売物価指数(PPI)の市場予想を上回る上昇、15日の予想を上回る米小売売上高、そして今日の失業保険申請件数の減少は、高インフレとの戦いがまだ続いており、米連邦準備理事会(FRB)にはまだやらなければならない仕事が残っていることを示唆している」と指摘した。この結果、米10年国債利回りが上昇したのを踏まえ、「これは、一般消費財株や情報・ハイテク株などのロング・デュレーションやグロース・セクターにさらなる圧力をかけている」と指摘。こうしたインフレ高進とFRBの利上げ懸念の応酬が絶えず、「米国は『景気後退の影』にさらされ続けている」とも指摘。もっとも、今日のマクロ経済データは軟調だったものの、ゴールドマンでは「米国は景気後退を回避できる」と予想している。
★米国市場では米1月米輸入物価指数が公表
米労働省は17日、1月の米輸入物価指数を発表する。市場予想は前月比で0.05%低下し、6カ月ぶりに上昇に転じた前月から再び下落転換すると見込まれている。1月に米原油先物相場が下落を続けたことなどが影響しているとみられる。もっとも、先行きは輸入物価が過熱していく恐れがあり、警戒は怠れない。14日発表の1月の米消費者物価指数(PMI)や15日発表の1月の米小売売上高が市場予想を上回ったことで、高水準でんかなか下がらない『粘着的な』インフレへの懸念が強まった。中国では経済再開が本格化しており、消費回復への期待が資源価格を押し上げている。中国の卸売物価指数(PPI)は下落一服が鮮明である。市場は今週を境に6月まで米連邦準備理事会(FRB)による利上げを織り込み、ターミナルレート(利上げの最終到達点)予想は5.25~5.50%に切りあがった。インフレの再加速や高止まりへの警戒感が一層高まりかねない。
★欧米市場イベント
○16:00 1月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比▲1.6%)
○16:00 1月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比▲0.3%/前年比▲5.5%)
○16:00 1月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比横ばい/前年比▲5.3%)
○16:30 10-12月期スイス鉱工業生産指数
○16:45 1月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.4%/前年比6.0%)
○18:00 12月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○20:30 ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○22:30 12月対カナダ証券投資
○22:30 1月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比▲0.1%)
○22:30 1月カナダ原料価格指数(予想:前月比▲0.2%)
○22:30 1月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.2%)
○22:30 バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○22:45 ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○24:00 1月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.3%)
○18日01:00 10-12月期ロシア国内総生産(GDP)速報値(予想:前年比▲4.6%)
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