FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:利益確定や戻り待ちの売りが優勢

円高や高値警戒感が重しとなったほか、業績悪化が嫌気されたソフトバンクグループなど指数寄与度の大きな銘柄の下げが指数を押し下げた。ドル/円が前日に比べ円高方向に振れ、輸出関連株などの重しになったほか、株価が1カ月半ぶりの高値圏にあったことから、利益確定や戻り待ちの売りが優勢となった。結局79円安の2万7606円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:FRB当局者の発言待ちで131円台前半でもみ合い

ドル/円は、米長期金利低下や日経平均株価のさえない動きを眺めたドル売り・円買いが先行し、一時130.72円付近まで下落した。前日にパウエルFRB議長がディスインフレについて言及したことも、ドル売りにつながった。その後、仲値にかけて本邦輸入勢などがドル買い・円売りを持ち込み、130.90円付近へ値を戻した。仲値発表後は、日銀が国債買い入れオペを通知したことで、日米金利差拡大を意識したドル買い・円売りが入り、131.30円台まで上昇する場面があった。午後は、ドル/円は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、131.10円台を中心とする狭いレンジで推移した。今晩は予定されているFRB当局者の発言内容を見極めたいとの雰囲気から、積極的な売り買いは手控えられた。ユーロ/ドルは、1.0730ドル前後で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコでは地震被害への対応次第では選挙への影響も

大規模な地震に襲われたトルコ南部では厳しい冬の最中であり、救助活動が思ったように進まない地域もあると伝わっている。そういったなか、エルドアン大統領は昨日、被災地10県を対象に非常事態を宣言した。期間は3カ月とされ、その間は大統領権限の強化や一定の私権制限が可能になる。非常事態宣言明けには大統領・議会選挙が控えている。ここまで現職大統領や与党側の劣勢が世論調査をもとに報じられているが、地震被害への対応次第では票の行方は大きく変わるかもしれない。

 

南アでは電力制限が経済の足かせ:暴動につながる可能性も

南アフリカ準備銀行(SARB)は電力制限で、GDPの2%を失っているとの見解を示しているが、マンタシェ・エネルギー相は『(電力制限は)経済に1日あたり約10億ランドの影響を与えている』と、講演で言及した。また、別のリスクとして、『エスコムのパフォーマンスの低下と、それによる高い段階の負荷制限に注意を払い、対処しない場合は、社会にとって苛立ちであり、社会が政府と対立する可能性がある』と述べている。2022年9月6日から電力制限が行われ、この間に制限が解除されたのが僅か2日間(昨年10月9日と30日)しかないことで、暴動につながるとも話している。国民からすれば、エネルギー相という立場にいるのにもかかわらず、他人ごとのような発言には余計苛立ちを募らせるのではないかと思われる。

 

ロペスオブラドールメキシコ大統領は任期満了で正解引退宣言

メキシコのロペスオブラドール大統領は2日、大統領職の任期満了後は完全に政界から引退するとの考えを示した。大統領は『(2024年9月までの任期を終了した後)二度と公の場に出ることはない』『政治家とは一切関係を持たず、誰のアドバイザーになるつもりもない』などと発言した。自身が相続したメキシコ南部の牧場に戻り、学問関連の書籍を執筆しながら暮らすとしている。

 

米中古車価格指数が2カ月連続上昇:ディスインフレが弱まわっている可能性

米中古車オークション大手のマンハイムが提供する1月のマンハイム米中古車価格指数(1995年=100)が15日時点で前月比2.5%上昇して224.8となった。前年同月比では12.8%下落したことになるが、2カ月連続で前月比で上昇したことになる。ノムラ・セキュリティーズは7日付のリポートで「季節調整済みで前月比プラス2.5%となった。これは、速報値(プラス1.5%)からの上方修正を反映したもので、季節調整による上乗せ効果が出た」との見解を示した。リポートでは、非季節調整済み(NSA)でも前月比プラス1.5%と22年5月以来の月間上昇率を記録したことに着目しながら、「同価格指数の1月分は2月と3月の消費者物価指数(CPI)のサポートとなるはずだ」と指摘した。小売店のマージンが圧迫されているように見えるため、卸売価格の回復にもかかわらず、中古車小売価格、CPIの中古車価格はしばらく下落し続ける可能性があるとしつつも、「今回のマンハイムのデータからは、中古車価格のディスインフレレの力が弱まっている可能性を示唆している」ともみていた。

 

米貿易赤字は輸入増・輸出減で拡大は米内需の強さを反映:US Dashboard

7日に発表された2022年12月の米貿易赤字は674億ドルと市場予想685億ドルの赤字には届かなかったものの、前月比で10.5%増えた。米国の国内需要の強さを反映し、輸入が前月比1.3%の3176億ドルに回復し、財(モノ)の輸入も1.8%増の2588億ドルへ切り返した。消費財の輸入が41億ドル増えた。しかし、原油を含む工業品・素材の輸入は27億ドル減の596億ドルと21年10月以来の低水準となり、製造業の生産活動の鈍さも反映した。一方、世界的な需要減と原油安から輸出は前月比0.9%減の2502億ドルとなった。モノの輸出も1681憶ドルと前月比で1.7%減少し、22年2月以来の低水準となった。米国内での製造業とサービス業、米国内と米国外の景況感の格差を改めて確認させる内容だった。

 

信用リスクが意識され米国債のCDSが10年ぶり高水準

米国債市場で債務不履行(デフォルト)への警戒が高まっている。デフォルトに備えるデリバティブ(金融派生商品)、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の保証料率は2013年以来の水準に上昇した。米政府の債務残高が上限に達し、国債の償還や利払いが滞りかねないとの懸念が出ている。債務上限の引き上げが遅れるリスクも指摘される。

 

欧米市場イベント

○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:6.75%で据え置き)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○23:15   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、イベントに参加
○23:30   クック米連邦準備理事会(FRB)理事、討議に参加
○24:00   12月米卸売売上高(予想:前月比▲0.3%)
○24:00   クノット・オランダ中銀総裁、講演
○24:00   バーFRB副議長(金融監督担当)、ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○9日00:30   EIA週間在庫統計
○9日01:00   12月ロシア失業率(予想:4.0%)
○9日02:30   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○9日03:00   米財務省、10年債入札
○9日03:45   ウォラーFRB理事、討議に参加

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