FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:買い一巡後は利益確定売りから上値の重い

為替の円安基調が支えとなり、日本株は底堅い展開となった。ただ、上値では利益確定売りが優勢となり、買いが一巡した後は水準でもみ合いが続いた。今晩はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言機会があり、堅調な米雇用統計を受けてどのようなコメントをするのか、市場の注目が集まっている。

 

東京外国為替市場:132円台前半でのもみ合い相場

ドル/円は、急ピッチの上昇に対する警戒感から利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いに押され、132.40円近辺へ下落した。米長期金利が小幅に低下したこともドル売りを誘った。仲値にかけて本邦実需筋の動向が注目されたが、本邦輸入勢のドル買い・円売りがやや多かった。仲値発表後は、鈴木財務相が、雨宮日銀総裁の日銀総裁打診に関する報道の事実関係について「私として打診はしていない」との見解を示したことが円買い要因となり、小幅に値を下げて132.30円前後で取引された。午後に入っても、ドル/円の軟調地合いは続いて一時132.15円付近まで下落した。しかし、今晩予定されているパウエルFRB議長の発言内容を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きみ見られ、値を切り返して132.30円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.0735ドルを挟んで方向感に欠ける値動きとなった。

 

日銀次期総裁で雨宮副総裁に打診との報道:BofAセキュリティーズ

BofAセキュリティーズは6日付のリポートで「雨宮副総裁が日銀次期総裁に指名された場合、現在の金融緩和の枠組み継続と解釈される可能性があり、政府が早朝、あるいは急激な政策正常化よりも現状維持を選好していることを示唆している。短期的には株式リスクプレミアムを押し下げよう」と報道をポジティブに見ていた。その上で、戦略としては「セクター別ロング/ショートの機会」とも指摘。円安は目先、一部の大型輸出株をファンダメンタルズ面で支え得るとしつつ、「早期の政策正常化(特にマイナス金利解除)観測の後退により、銀行株など主要な金利敏感セクターが短期的に反落する可能性がある」と指摘した。しかし、同社は23年度上期のイールドカーブ・コントロール(YCC)追加修正のリスクは高いといい、「この見通しは中期的に銀行株の支援材料になり得る」とし、中長期的に銀行株を引き続き強気に見ていた。

 

トルコの地震で株価下落もリラへの影響は限定的

6日にトルコ南東部で発生した大規模な地震により、トルコと隣国シリアの死者はあわせて3800人を超えたと伝わっている。イスタンブール株式市場は軟調に推移したものの、為替相場への影響は限られた。なお、トルコのエルドアン大統領は昨日、今回の地震は1939年以降で最悪の災害だと述べ、国として7日間の喪に服すことを明らかにした。世界45カ国からトルコに救助の申し出があり、今後は厳しい冬の最中の被災地における救助活動を見守ることになる。

 

南アでは一般教書演説前の政治的な動きに注目

ランド相場は、電力問題と政治的な不安感から上値が重い展開が続いている。週末には2018年からラマポーザ大統領を支えていたマブサ副大統領が辞任を発表した。マブサ氏は、昨年末にアフリカ民族会議(ANC)の副代表に選出されたマシャティル氏に『副大統領の席を空けるため』と述べているが、内閣改造を前にしてマブサ氏が急に辞任を発表することは『普通ではなく奇妙(ABNORMAL AND STRANGE)と南アでは報じられている。ラマポーザ大統領はANCの挙党一致体制を主張しているが、ANCの中では様々な不穏な動きが見受けられる。今週は9日(日本時間では10日未明)からラマポーザ大統領をはじめとする閣僚による一般教書演説が行われる。大統領による電力問題などについての演説も予想されることで、これらの内容が市場に影響を与えることになる。例年、一般教書演説の前に、内容が漏れ伝わってくることで、本日もこれらのニュースがランド相場に影響を与える可能性があり、政治的な動きには注目しておきたい。

 

株式のエクスポージャー拡大意向が過去最低更新:JPモルガン

JPモルガンが顧客を対象に毎週行っている調査によると、今後数日~数週間で株式エクスポージャーを拡大すると答えた比率は前週の45%から32%に低下し、2022年11月下旬い記録した33%を下回り過去最低を更新した。株式市場が昨年の安値に再び接近すると答えた比率は47%で、昨年の安値を試さないとした53%をやや下回った。JPモルガンは1月の米雇用統計について、ゴルディロックスとソフトランディングのシナリオに冷や水を浴びせる結果となったとしている。

 

雇用50万人増で米景気『不況とはいえない』:イエレン米財務長官

イエレン米財務長官は6日の米ABCテレビのインタビューで、米景気について『50万人の雇用増と50年を超える久しぶりの低い失業率となるなかでは不況とは言えない』と語った。米国の景気後退(リセッション)懸念を否定し、経済は引き続き『力強く回復力がある』との認識を示した。前週3日に発表された1月の米雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月比51万7000人増と市場予想の18万7000人増を大幅に上回り、失業率は53年ぶりの低水準となった。雇用が堅調にもかかわらず景気不安が根強いことに関し、イエレン氏は『新型コロナウイルス禍とロシアのウクライナ進行に伴う食料・エネルギー価格の高騰で人々はインフレを懸念している』と指摘。そのうえで『それがバイデン米政権の最郵政課題となっている』と語った。7日にはバイデン米大統領が一般教書演説に臨む予定。

 

米経済のリセッション確率を引き下げ:ゴールドマン

ゴールドマン・サックスは6日付リポートで米経済が今後12カ月以内にリセッション(景気後退)入りするという確率を35%から25%に引き下げた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によるコンセンサス予想(65%)の半分以下になるという。労働市場で力強さが続いていることや、企業調査で改善の兆しが見え始めていることから、短期的な低迷リスクは著しく低下していると指摘。米国内総生産(GDP)に関して、「2023年1~3月期は最新の予測で0.4%増とまだ軟調にみえるが、実質可処分所得が増加を続け、金融引き締めによる足かせが弱まり、中国と欧州の成長加速が米国の製造業部門を支える中、春には成長が加速する」と予想した。

 

米国市場では12月貿易収支:予想は685億ドルの赤字

11月実績は-615億ドルで赤字額は前月から大幅に縮小した。輸入額が減少したことが要因である。金利上昇の影響が出ている。12月については、消費財の輸入額が急増する可能性は低いものの、輸出額の大幅な増加は期待できないため、貿易収支は悪化する可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:45   1月スイス失業率(季節調整前、予想:2.2%)
○16:00   12月独鉱工業生産(予想:前月比▲0.7%/前年同月比▲1.6%)
○16:45   12月仏貿易収支(予想:120.00億ユーロの赤字)
○16:45   12月仏経常収支
○17:00   カジミール・スロバキア中銀総裁、講演
○17:10   クノット・オランダ中銀総裁、講演
○18:00   ラムスデン・イングランド銀行(英中銀、BOE)副総裁、講演
○19:00   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○19:15   ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○22:30   12月カナダ貿易収支(予想:5.0億カナダドルの赤字)
○22:30   12月米貿易収支(予想:685億ドルの赤字)
○24:00   カンリフBOE副総裁、講演
○8日02:00  シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
8日02:00   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、講演
○8日02:30   マックレムカナダ銀行(BOC、中央銀行)総裁、講演
○8日03:00   米財務省、3年債入札
○8日04:00   バーFRB副議長(金融監督担当)、講演
○8日05:00   12月米消費者信用残高(予想:250.0億ドル)
○バイデン米大統領、一般教書演説

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