★日経平均株価:様子見ムード強く上値の重い展開
日経平均株価は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表や米連邦準備理事会(FRB)議長会見を日本時間明後日未明に控える中、前日終値を挟み一進一退となった。一方、決算を手掛かりにした個別物色は活発だった。FOMCなどのイベントへの警戒感がくすぶり様子見ムードが強まり膠着相場となった。結局、前営業日比106円安の2万7327円と反落して終了した。
★東京外国為替市場:米FOMCを控え130円台前半でもみ合う展開
ドル/円は、米長期金利低下を眺めたドル売り・円買いに押され、130円台半ばから一時130.06円付近まで下落した。12月豪小売売上高が予想外に低調な数字となり、これを嫌気した豪ドル/円の豪ドル安・円高が波及した面もあった。本日は月末にあたり、仲値にかけて本邦実需筋の仲値にかけて本邦実需筋の動向が注目されたが、本邦輸入勢のドル買い・円売りがやや多かった。午後は、低下していた米長期金利の持ち直しがドル買い要因となり、130.40円付近へ値を上げる場面があった。ただ、本日から始まる米連邦公開市場員会(FOMC)の重要イベントを前に、積極的な上値追いは手控えられた。その後、東京債券市場で新発10年物国債利回りが0.485%付近へ上昇すると、持ち高調整などのドル売り・円買いも見られ、やや値を下げて130.20円台を中心とする狭いレンジで推移した。ユーロ/ドルは1.0845ドルを挟んで小動きに終始した。
★雨宮氏が新総裁に就任なら5円程度の円安ドル高インパクトか:野村証
野村証券は31日付のリポートで、日銀の新総裁人事がドル/円相場に与えるインパクトを解説した。それによれば、総裁候補として、雨宮副総裁、中曽前副総裁、山口元副総裁が挙げられていることを踏まえ、「タカ派と目される山口氏となった場合は円高ドル安、現状維持期待が高まりやすい雨宮氏となった場合は円安ドル高での反応となろう。市場では雨宮氏が本命視されていることもあり、中曽氏の場合でも小幅なタカ派サプライズとして円高で反応する公算が大きい」との見解を示した。リポートでは雨宮氏が総裁に就任、国会での所信聴取や新体制下での初会合となる4月会合などを通じて市場の政策修正期待を完全に鎮静化させることになれば、「5円程度の円安ドル高インパクトがあり得る」と指摘した。その一方、タカ派化懸念が高まりやすい山口氏が総裁就任となった場合、「ドル/円が125円割れを早期に試す可能性が出てこよう。中曽氏の総裁就任の場合でも、足元の130円前後からは127~128円程度までの円高ドル安を想定しておく必要がある。」と見込んだ。ただ、本命と目される雨宮氏が総裁に指名された場合でも、新たな「点検・検証」が実施される可能性は否定できないとしつつも、「外部環境も加味すれば、ドル/円の戻り売り需要は強そうだ」とし、日銀総裁人事が円高ドル安トレンドの転換につながる可能性は低いとみていた。
★欧州市場では10‐12月期域内総生産(GDP)速報値が公表:予想は前年比1.8%
7‐9月期実績は前年比だった。ユーロ圏総合PMIは50を継続的に下回っているものの、直近2カ月は改善傾向にある。総需要を反映する新規事業指数は12月にやや改善している。10‐12月期の成長率は鈍化予想だが、プラス成長を維持する見込み。
★トルコでは12月貿易収支が発表:欧州需要低下で赤字額拡大
本日トルコでは12月貿易収支が発表される。予想の赤字幅は8月以来の100億ドル超えと収支改善に程遠い状況である。同国が輸入に頼る原油の価格が比較的落ち着いているにもかかわらずである。トルコの主要な輸出地域である欧州の需要が回復していないことが1つの要因である。そういった意味でも、本日複数予定されている欧州の経済指標にも注目する必要がある。なお、トルコの米国大使館は昨日、スウェーデンやオランダで起きた反イスラム行動の報復として、イスタンブールの教会や西洋人が頻繁に訪れる地域へのテロ攻撃の可能性を警告した。もし、懸念が現実のものとなれば、外国人観光客の減少につながってしまうかもしれず、リラにとってもネガティブな材料と受けとめられている。
★南アの電力制限により成長率が低下する可能性も
南アフリカ準備銀行(SARB)は、先週今年のGDP成長率を下方修正したが、この修正について経済調査局 (BER) のエコノミストも予想に同意しただけでなく、更に成長率が低下する可能性を指摘している。SARBは200日程度の電力制限があると見込んで予想を下方修正したが、BERは日数だけでなく負荷制限のステージが更に厳しくなることで、より一層成長率が低下する可能性を示唆している。
電力問題に関する他の報道では、南アの国営電力会社エスコムのボイラー契約に日本の日立が契約を望んでいると報じられている。価格は約380億ドルとのことですが、この契約次第でランド/円のフローが出てくる可能性もある。また、ラマポーザ大統領は太陽光発電についての設置計画への政府援助について近々発表するとしている。ただし、太陽光発電の計画が滞りなく進むかという点には甚だ疑問にも感じるが、南アのエコノミストも同様の疑念を持っていると報じられている。よって、太陽光発電がすぐに南アの電力問題解決につながると考えるのは難しい。
★ダラス連銀製造業景況指数は悪化を継続:US Dashboard
30日に米ダラス連銀準備銀行が発表した1月の製造業景況指数はマイナス8.4と2022年12月のマイナス20.0から11.6ポイントに改善したものの、マイナス圏にとどまり広範なビジネス環境の『悪化』が続いていることが示された。『生産』は0.2と前月比で8.9ポイント低下し、ほぼ横ばいを示す。『新規受注』はマイナス4.0と前月比で7.0ポイント改善したものの、『出荷』が前月比6.7ポイント低下のマイナス6.3とマイナスに落ち込んだ。
★米FOMCはタカ派姿勢を大きく変えないとの見方も根強い
連邦準備制度理事会(FRB)は、1月31日から2月1日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。FRBはこの会合で0.25%の利上げと、12月に続き利上げペースを一段と減速することがほぼ確実視されている。
短期金融市場では最近のインフレの改善や需要鈍化で、FRBのピーク金利が5%に達することはないとの見方を維持した。FOMCは6月までに政策金利を4.92%近くまで引き上げたのち、年末には4.5%まで再び低下すると現状で見込んでいる。
一方で、ゴールドマンサックスは相場格言である『FRBと闘うな』との姿勢を維持した。FRBはあと合計で0.75%の利上げ軌道にあり、今週の会合で0.25%引き上げたあとも、3月、5月のFOMCで各0.25%の利上げを実施し、政策金利を5%―5.25%まで引き上げると想定している。さらに、バークレイズ銀のリサーチでは、最近のインフレ、賃金の伸び鈍化にもかかわらず、FRBの仕事が終了したわけではなく、FOMCの大きな課題は、FRBの利上げが間もなく終了するとの憶測を導かずに小幅な利上げ方針へ移行することだ、と指摘している。
★投資家は年初来ラリーをフェードアウトすべき:JPモルガン
JPモルガンは30日付リポートで「投資家は年初来のラリーをフェードアウトすべきであり、リセッションのリスクは減少するのではなく、単に延期されるだけだと考えている」と指摘。加えて、「次の上値のためのファンダメンタル(経済の基礎的条件)な支持は来ないかもしれないし、代わりに市場は収益、活動、設備投資の低下というエアポケットに直面する可能性がある。前四半期の投資の失速と稼働時間の鈍化は、利幅が圧縮され利益が縮小するにつれて、企業支出の早期中断に近づいた」とも指摘した。結果として、「現在、株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)が相対的な最高値で取引されている資本財株は、年を経るにつれてより困難な背景に直面する可能性が高い」とみていた。リポートでは、「米国では民間需要が回復開始以来の低成長を記録したため、2022年10~12月期の国内総生産(GDP)の詳細は見出しよりも弱いように見える。労働市場のひっ迫がこの景気後退リスクを先延ばしにしているにもかかわらず、米国の内需の弱い軌道は、景気後退リスクを高め続けている。一方で、制限的な実質政策金利は継続的な逆風となっており、年内の景気後退リスクを高止まりさせている」との見解を示した。
★欧米市場イベント
○15:30 12月仏消費支出(予想:前月比0.2%)
○15:30 10-12月期仏国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比横ばい)
○16:00 12月独輸入物価指数(予想:前月比▲2.6%/前年比12.0%)
○16:00 12月独小売売上高(予想:前月比0.2%/前年比▲1.8%)
○16:00 12月トルコ貿易収支(予想:104.0億ドルの赤字)
○16:30 12月スイス小売売上高
○16:45 12月仏卸売物価指数(PPI)
○16:45 1月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.5%/前年比6.1%)
○17:55 1月独雇用統計(予想:失業率5.5%/失業者数変化0.50万人)
○18:30 12月英消費者信用残高(予想:10億ポンド)
○18:30 12月英マネーサプライM4
○19:00 10-12月期ユーロ圏GDP速報値(予想:前期比▲0.1%/前年比1.8%)
○19:00 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○21:00 12月南アフリカ貿易収支(予想:55億ランドの黒字)
○21:00 10-12月期メキシコGDP速報値(予想:前期比0.3%/前年比3.4%)
○22:30 11月カナダGDP(予想:前月比0.1%/前年比2.7%)
○22:30 10-12月期米雇用コスト指数(予想:前期比1.1%)
○23:00 11月米住宅価格指数(予想:前月比▲0.5%)
○23:00 11月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比6.8%)
○23:45 1月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:45.1)
○24:00 1月米消費者信頼感指数(予想:109.0)
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
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