FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:重要イベントを控え様子見ムード

前週末の米国株高を好感し、日本株は寄り付きは底堅い展開になった。ただ、心理的節目となる27,500円が近づくと上値の重さも意識された。米連邦公開市場委員会(FOMC)や日米の企業決算発表を控え、内容を見極めたいとの思惑もあった。ただ、経済界や学識者でつくる「令和国民会議」(令和臨調)共同代表を務める佐々木元東京大学総長らは30日、政府・日銀が2013年にとめた共同声明(アコード)の見直しを提言し、緩和修正の思惑につながり129円台前半まで円高基調になったことで、輸出関連銘柄に売りが入り上値を抑えた。結局、前営業日比50円高の2万7433円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:日銀が金融政策の修正に動くとの見方から円買い強まる

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、129円台後半から130.10円付近へじり高となった。米長期金利が上昇したことも、ドルの押し上げにつながった。仲値発表後も、堅調地合いは続いて一時130.28円付近までドル買い・円売りが進行した。ただ、今週予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)や米雇用統計などの重要イベントを前に、積極的な上値追いは手控えられた。その後は、利益確定や戻り待ちのドル買い・円買いも見られ、やや値を下げて130.10円前後で取引された。午後は、令和国民会議(令和臨調)が過去10年の政策効果を喧噪した上で、新たな政府・日銀共同声明を結ぶよう提言した。これを受けて、日銀が金融政策の修正に動くとの見方からドル売り・円買いが強まり、一時129.21円付近まで急落した。ただ、下値では値ごろ感からドルの押し目買いが見られ、値を切り返して1129.60円台を中心に取引された。ユーロ/ドルは、1.0870ドル前後で方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ドル買い比率は上昇、豪ドル買いは2カ月ぶり低水準:前週のFX概況

QUICKが30日に算出した外国為替証拠金(FX)5社合計(週間)の建玉状況によると、「ドル/円」取引での総建玉に占めるドル買いの比率は27日時点で59.4%だった。前の週末から1.2ポイント上昇した。米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが鈍化するとの見方から円高・ドル安が進行した局面で、相場の流れに逆らう「逆張り」戦略を取る傾向が強い個人投資家は円売り・ドル買いに傾いた。カナダ銀行(中央銀行)が利上げ幅を0.25%に縮小したことを受け、FRBも利上げペースを減速するとの観測が強まり、円相場は25日に一時1ドル=129.02円まで上昇した。「日米の金利差から依然として個人のドル買い需要は多い」として円高・ドル安が進んだ場面で逆張りの円売り・ドル買いが増えたという。豪ドルの買いが一服している。「豪ドル/円」取引で豪ドルの買い比率が前の週末比4.2ポイント低い58.6%と、2022年11月上旬以来およそ2カ月半ぶりの低水準となった。豪統計局が25日発表した22年10~12月期の消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回った。豪準備銀行(中央銀行)が金融引き締めを続けるとの見方から豪ドルは対円で1豪ドル=92.78円まで上昇し、個人による逆張りの豪ドル売り・円買いが増えた。

 

中銀ウィークのなかポジティブな結果でCTAによる株買いも:BofA

BofAセキュリティーズは27日付リポートで、商品投資顧問(CTA)のポジショニングについて、S&P500種株価指数先物におけるショートポジションは『ほぼ完全にカバー』されたと推計した。ナスダック100先物と日経先門おは「まだマイナストレンドである」ことから、これらの指数でロングに転換することはないとしつつも、ストップロスに達していない一部のCTAによるショートカバーが発生する可能性も挙げた。また、今週に米連邦準備理事会(FRB)と欧州中央銀欧(ECB)、イングランド銀行による金融政策の発表を控える中、これらの重要イベントが株式市場にとってポジティブな結果となった場合はCTAが株式ロングのアロケーションを大幅に増やす可能性も挙げた。一方、ネガティブな結果となった場合は、ユーロストック50先物において大幅なロングポジションの巻き戻しリスクが発生しるとも指摘している。

 

今週のトルコ経済指標に注目:インフレ減速傾向を見極めることに

今週のトルコからは、12月貿易収支、1月の購買担当者景気指数(PMI)や消費者物価指数(CPI)が発表される。貿易赤字幅や足もとの景況感を確かめ、トルコ当局者が強調するインフレ減速傾向を見極めることになる。なお、今のところ、CPIは前年比で前回64%台から54%前後まで低下予想である。もっとも物価それ自体の高さに変わりなく、消費者マインドの好転は期待できそうにはない。

 

メキシコの格付けは楽観的:英格付け会社フィッチ

格付け会社フィッチが先週、メキシコを含めた中南米のインフレが今後どの程度鈍化するかについてはかなり不確実性があるとしたうえで、『メキシコ中銀が迅速に利下げできるとは考えていない』『2024年末までには政策金利は9.50%まで低下するだろう』との述べた。また、格付け見通しについては『非常に落ち着いており、メキシコの強みは依然ある』と楽観的な見方を示した。

 

米PCEでは消費減速とインフレ鈍化を示す:US Dashboard

27日に発表された2022年12月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.2%減った。減少は2カ月連続で、米国内総生産指数(GDP)の約7割を占める個人消費の減速を示した。米連邦準備理事会(FRB)が重視するインフレ指標のPCE物価指数は前年同月比で5.0%上昇した。1年3カ月ぶりの低水準となり、6月の7.0%をピークに鈍化傾向が続いている。FRBが31日から開く米連邦公開市場委員会では、利上げ幅を0.25%に縮小するとみられている。米国の景気減速とインフレ鈍化は進んでおり、利上げの打ち止めや、利下げ転換の前倒し観測が広がりやすい環境にある。

 

米企業年金は1兆ドルの債券購入も視野

米国の大口債券購入者の一部には、経済のソフトランディング説とハードランディング説を巡るウォール街での論争は取るに足りないことかもしれない。経済がどう転ぼうとも、彼らは最大1兆ドル(約130兆円)の資金を持って市場に乗り込む構えだ。
年金基金の柱の一つは、20年間にわたり積み立て不足に苦しんでいたが、ここにきて潤沢な資金を有している。企業の確定給付型年金は、金利急上昇のおかげで珍しく積み立て余剰状態にあり、株式よりも変動の少ない債券に資金を再配分し、業界用語でいう『リスク軽減』を図ることができるようになっている。今年はすでに『債券の年』と呼ばれているが、こうした年金積み立て余剰の影響は広範囲に及ぶとJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ(BofA)、ウェルズ・ファーゴなど米銀大手のストラテジストらは指摘する。債券に流れ込む資金からみて、そうした動きは始まったばかりである。

 

投資家が警戒感をつよめキャッシュ志向で利回り追求:米WSJ

ウォール街のキャッシュ(現金・現金同等物)志向が再び強まっている。調査会社EPFRの1月18日までのデータによると、世界のマネーマーケット・ファンド(MMF)は過去4週間に約1350億ドル(約17兆7900億円)の純流入を記録した。2020年5月に終了した4週間に約1750億ドルの純流入を記録して以来の高水準だった。MMFは米国財務省短期証券(Tビル)やコマーシャルペーパー(CP)などの短期債券に投資するミューチュアルファンドの一種で、企業や個人は手持ちの現金を保管する当座預金口座のように利用することが多い。ここにきてキャッシュの比率が高まるのは、昨年急落した株と債券が最近反発しているとはいえ、長続きしない可能性を懸念する投資家の警戒心の表れだ。米連邦準備制度理事会(FRB)当局者が利上げでインフレに対抗すると繰り返し述べる中、多くの投資家は市場のボラティリティーが当面続くことを予想する。

 

欧米市場イベント

○17:00   1月スイスKOF景気先行指数(予想:93.4)
○18:00   10-12月期独国内総生産(GDP)速報値(季節調整済、予想:前期比横ばい/前年同期比1.3%)
○18:00   10-12月期独GDP速報値(季節調整前、予想:前年同期比0.8%)
○19:00   1月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:97.0)
○19:00   1月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲20.9)
○22:15   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演

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