FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米金融引き締めの長期化懸念後退と円安を好感

米国株高を好感して幅広い銘柄に買いが入り、節目の2万7000円台を回復した。日銀が金融政策を一部修正する前の水準にまで上値を伸ばした。市場では、昨年末からの軟調な地合いからムードは好転しているとの声が出ている。米金融引き締めの長期化懸念が和らいでいるほか、日銀の金融政策修正の思惑がいったん後退し投資家心理が上を向いている。また、ドル/円相場も円安に進んでいることも好感された。結局、前営業日比393円高の2万7299円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:利益確定や持ち高調整のドル売りやや優勢

ドル/円は、日経平均株価の大幅高がリスク選好の円売りを誘い、130円台半ばから130.73円付近まで値を上げた。しかし、米連邦準備理事会(FRB)が今春にも利上げ停止について検討する可能性が浮上しているため、積極的な上値追いは手控えられた。その後は、前日の東京市場から一本調子の上昇が続いていたため、利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いに押され、130円台後半から130円台前半へ水準を切り下げた。午後は、日経平均株価や米長期金利をにらみながら、130.10円台を中心とする狭いレンジで推移した。今晩発表される1月米購買担当者景気指数(PMI)速報値を見極めたいとの雰囲気から、積極的な売り買いは手控えられた。ユーロ/ドルは、1.08ドル台後半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

銅価格は中国のグロース株と再び連動するようになった:ゴールドマン

ゴールドマン・サックスは23日付のリポートで、年初来、ほとんどのリスク資産がより友好的な世界的成長見通しを迅速に再評価してきたとしながら、「しかし、商品分野では大きな乖離が見られる」との見解を示した。リポートでは、銅のパフォーマンスがマクロの逆風により2022年に遅れた後、「クローズアセットである中国グロース株と再び連動するようになった」と指摘した。銅価格の反発が株式にも波及し、ベーシックメタルが年明け後に大きく上昇していることを裏付けているという。その一方、原油相場が軟調な事に関しては「グローバル成長ファクターのリバウンドを比較すると、大きなギャップがある」と指摘した。同社のコモディティチームはミクロのファンダメンタルズとマクロの視点の両方から、原油価格の上昇を強く見込んでいるといい。「石油市場がロシアの生産減少に伴う需要増を織り込んでいないと考えているからである」と指摘した。原油相場のボラティリティが長期平均で高止まりしている事も踏まえ、24年12月限のブレント原油の1バレル/60ドルのプットオプションの売り戦略を引き続き推奨した。

 

2月ECB理事会は50bpの利上げターミナルレートを3.25%を予想:ゴールドマン

2月2日に欧州中央銀行(ECB)が理事会を開催する。ゴールドマン・サックスは23日付リポートで「短期的な政策見通しと持続的なインフレ圧力についてのタカ派的なコミュニケーションを受けて、来週の理事会で50bpの利上げは決まったと考える」と指摘した。経済見通しについては天然ガス価格の下落や中国の経済再開によって建設的なコメントが期待される一方、労働市場やコアインフレ圧力が堅調なままであることから、金利に関しては景気に制限的な水準まで引き上げ・維持すると理事会が改めて表明すると予想した。リポートでは「来週以降については、3月に3回目の50bpの利上げ、5月に最後の25bp利上げしてターミナルレートは3.25%とするベースラインを維持する。インフレがより急速に冷え込めば、利上げのペースを速めに落とすことはまだ可能だが、インフレ圧力が十分に抑制されることを確実にするために利上げサイクルをさらに延長するリスクは残っている」とみていた。

 

欧州市場ではS&Pグローバル1月ユーロ圏製造業PMIが公表:予想は48.5

12月実績は47.8で11月実績だった。景気後退の可能性は消えていないものの、生産者数は改善し、サプライチェーン回復やインフレ圧力の緩和などが示唆された。1月も50を下回るものの、指数は若干改善する可能性がある。

 

トルコ経済全体への悲観的な見方はくすぶったまま

昨日はトルコ統計局が発表した1月消費者信頼感指数は、79.1と2021年9月以来の水準まで上昇した。今後1年間で家計が改善するとの期待が指数を底上げした。もっとも、信頼感の境目となる100を下回っての推移が続いており、トルコ経済全体への悲観的な見方はくすぶったままである。さて、トルコ総選挙に向けてエルドアン大統領率いる与党サイドは心構えができつつあるが、問題は野党サイドの準備である。エルドアン氏への対立候補については、最大野党・共和人民党(CHP)も参加する野党6党連合が、擁立候補を2月に発表するとだけ報じられている。

 

南アでは電力関係ではネガティブな報道ばかりが目立つ

先週末は国営電力会社エスコムが『電力の負荷制限を短縮する』と発表したことで底堅い動きを見せたランドではあるが、ランド買いも一服となっている。上値が抑えられている要因としては、この発表を市場が信じ切っていないことではないかと思われれる。ここ最近の南アの通信社の報道は、これまで以上に電力問題を取り上げている。昨日の報道だけでも『ステージ6の負荷制限迫る』『エスコムはアフリカ歳入庁(SARS)からディーゼルを確保するために支援を受けられず』『(南アは南半球のため現在は真夏のため)熱波にも関わらず負荷制限で給水にも影響を及ぼし、作業員死亡』など、どれも電力関係ではネガティブな報道ばかりが目立っている。ラマポーザ大統領および与党アフリカ民族会議(ANC)に対してこれまで以上に厳しい論調が多くなっていることで、国民の不満が爆発寸前とも言える。なお、今月初旬に国家エネルギー規制当局は、18.65%の電力値上げを許可したが、昨日ラマポーザ大統領はこれを中止するように要請している。インフレ高進で国民や企業が苦しんでいることで、中止要請をしているが、上述のように大統領の支持率が急低下していることも要因と思われる。なお、余談ですが昨日東京電力は平均29%の値上げを経済産業省に申請している。我々も電力価格上昇は対岸の火事とは思えない状況である。

 

米景気先行指数は10カ月連続のマイナス:US Dashboard

米調査会社コンファレンス・ボードが23日発表した12月の景気先行指数は前月から1%低下した。低下を10カ月連続で市場予想0.7%低下も下回った。同指数は労働、建設許可件数、株価、マネーサプライなど景気に先行して反応するとみられる10項目の指標から算出している。コンファレンス・ボードは「米経済が景気後退入りすることを示唆している」と述べた。

 

米国株式市場ではS&P1月米サービス業PMIが公表:予想は45.0

12月実績は44.7で11月実績を下回った。1月については、インフレの抑制に向けた金利引き上げが経済活動をやや圧迫しており、新規受注の水準は伸び悩んでいることから、12月実績と大差ない数値にとどまる見込み。

 

欧米市場イベント

○16:00   2月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲33.0)
○16:45   1月仏企業景況感指数(予想:102)
○17:10   クノット・オランダ中銀総裁、講演
○17:15   1月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:49.6)
○17:15   1月仏サービス部門PMI速報値(予想:49.8)
○17:30   1月独製造業PMI速報値(予想:47.9)
○17:30   1月独サービス部門PMI速報値(予想:49.6)
○18:00   1月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:48.5)
○18:00   1月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:50.2)
○18:00   ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○18:30   1月英製造業PMI速報値(予想:45.5)
○18:30   1月英サービス部門PMI速報値(予想:49.7)
○18:45   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○23:45   1月米製造業PMI速報値(予想:46.0)
○23:45   1月米サービス部門PMI速報値(予想:45.0)
○23:45   1月米総合PMI速報値(予想:46.4)
○24:00   1月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲5)
○25日03:00   米財務省、2年債入札
○中南米カリブ諸国共同体(CELAC)首脳会議

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