FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

米国では夏時間に移行

3月11日から米国では夏時間に移行することから、経済指標などが日本時間で1時間早まる。

 

日経平均株価:25日線が上値抵抗ラインとなり上げ幅縮小

米国の鉄鋼・アルミニウム輸入制限に例外国があり貿易摩擦への懸念が後退した。さらに、米朝首脳会談の開催が明らかになり、朝鮮半島の地政学リスクが後退するとの見方から投資家のリスク志向が改善した。ただ、一時510円超高まで上げた後は、米国の雇用統計への警戒感などから、次第に上げ幅を縮小するなど上値の重さも目立った。結局、前日比101円高の2万1469円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は107.00円に届かず上値重い

ドル/円は、5月までに初の米朝首脳会談に応じる意向が示されたことで、リスク選好のドル買い・円売りが進み、106.35-40円水準から一時106.94円まで上げた。さらに、日経平均株価が一時500円超高まで上げたことも円売りに弾みがついた。ただ、107円台に近づくと上げ幅が一服、利益確定売りで106.60円台へ押し戻された。ユーロ/ドルは、週末を控えて積極的な売り買いは目立たず、1.23ドル台前半で方向感を欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米格付け会社ムーディーズがトルコを格下げ

トルコ中銀は7日に金融政策決定会合を開き、市場予想通りに主要政策金利を据え置いた。声明では『インフレ見通しが一時的な要因を除いて大幅に改善し、中銀目標と一致するまで断固として引き締めスタンスを維持する』と言及した。声明文では前回から大きな変更は見られなかった。その一方、同日には米格付け会社ムーディーズがトルコの格付けを『Ba1』から『Ba2』に引き下げたと発表しいた。市場では『トルコ中銀は市場や格付け会社から信認の問題を抱えており、S&Pやフィッチなども追随して格付けを引き下げる可能性が高い』との指摘もあった。中銀はインフレの高止まりとエルドアン政権から利下げ圧力で板ばさみ状態が続いており、今回の格下げによって一段と市場の懸念が高まる可能性もあるため注意が必要。

 

ECB理事会の結果:全体的にはハト派と捉えられユーロ下落

政策金利や政策の変更はなかったが、声明で『金利は現在の水準で長期にわたり維持する見通し』として、低金利の維持が再確認されたが、一方では、量的緩和に関して、前回声明にあった『必要に応じ規模を拡大』の文言が削除されたことが、タカ派と捉えられた。また、スタッフの経済見通しでは、2018-2019年のGDP見通しには、変化がなかったが、2019年のインフレ見通しを前回の1.5%から1.4%に引き下げた。これは若干ハト派的。一方でドラギECB総裁の記者会見では『経済成長は、以前の予測よりもスピードが早い』、『スタッフの調査では強い経済成長を示している』としており、直近の予想比下回るユーロ圏経済指標に比して、タカ派と見られるが、『政策変更の話し合いは、ほとんどなかった』とされており、市場が期待したフォワード・ガイダンスの変更が、またまだ時期尚早との感が広がった。

 

トランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムの関税に署名

トランプ米大統領が、鉄鋼とアルミニウムに輸入関税を課すことを命じる文書に署名した。この計画は既に金融市場を揺さぶっており、投資家は経済や地政学上の影響を見極める段階となっている。当初、関税は全面的で厳しい措置になるとしていたが、同盟国には効力を弱める可能性も残した。投資家や消費者、各国政府、企業はこの措置が健全な世界経済を脅かす貿易戦争の最初の一撃かどうか解読しようとしており、例外規定の如何に関わらず、混乱は続く可能性が高い。

 

米国市場では2月雇用統計が公表

市場予想では、失業率は4.0%と1月の4.1%から低下し2000年以降、18年ぶり低水準に達する見込み。また、非農業部門雇用者数も伸びが1月に続き2ヵ月連続で20万人台が予想されている。相関性の高いADP雇用指標でも予想を上回り4ヵ月連続で20万人超の民間雇用の伸びを見せた。失業保険申請件数も過去50年間で裁定の水準まで達するなど、労働市場のひっ迫が確実になりつつある。特に注目されている賃金は、前月比+0.2%、前年比+2.8%と、それぞれ1月の前月比+0.3%、前年比+2.9%から若干伸びが鈍化すると見られている。1月の賃金が伸びが2009年来で最大に拡大したため、市場でインフレ加速懸念が急浮上したため、米長期金利急伸と株式相場の急落につながった。

 

欧米イベント

○15:30   黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
○16:00   1月独貿易収支(予想:181億ユーロの黒字)
○16:00   1月独経常収支(予想:172億ユーロの黒字)
○16:00   1月独鉱工業生産(予想:前月比0.6%)
○16:45   1月仏財政収支
○16:45   1月仏鉱工業生産指数(予想:前月比▲0.3%)
○18:30   1月英貿易収支(予想:119億ポンドの赤字)
○18:30   1月英鉱工業生産指数(予想:前月比1.5%)
製造業生産高(予想:前月比0.2%)
○21:00   2月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.31%)
○22:30   10-12月期カナダ設備稼働率(予想:85.2%)
○22:30   2月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化2万1000人/失業率5.9%)
○22:30   2月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化20万5000人/失業率4.0%/平均時給、前月比0.2%)
○22:40   エバンズ米シカゴ連銀総裁、TVインタビュー
○24:00   1月米卸売在庫(予想:前月比0.7%)
○10日02:40   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
○10日02:45   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○11日 米国が夏時間に移行

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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