FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:特段の材料がない中でもみ合い相場

為替が対ドルで若干円安に振れたことが支えとなったものの、特段の材料がない中で、前日の終値を挟み一進一退の値動きを続けた。中国で春節(旧正月)を控えていることや、政府が新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けについて、季節性インフルエンザと同じ『5類』へ引き下げる意向を固めたと伝わったことが材料視された。アジア株が総じて上昇したことも投資家心理を上向かせた。結局、前営業日比148円高の2万6553円で反発して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利の上昇や日本株高から円売りが優勢に

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の持ち直しに支えられ、128.80円台へ上昇した。米長期金利が上昇して、日米金利差が拡大したこともドル/円の押し上げ要因となった。午後は、日経平均株価が上げ幅を拡大すると、さらにドル買い・円売りが進んで一時129.29円付近までじり高となった。週末を控えて海外短期筋から持ち高調整のドル買い・円売りも観測された。ただ、今晩予定されている米経済指標や米連邦準備理事会(FRB)当局者の講演を見極めたいとの雰囲気もあり、上げは一服した。その後は、利益確定などのドル売り・円買いも見られ、129.10円台へ緩んだ。ユーロ/ドルは、1.08ドル台前半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

GPIFと3共済の売り越し余地は合計9000億円と推計:大和証券

大和証券は19日付のリポートで、9月末以降の資産価格の変動のみを考慮すると年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)と3共済の売り越し余地の合計を約9000億円と推計した。国内株の資産額が増加したことで、相対的に国内株式の資産構成比率も上昇したことなどにより、日本株への売り越し余地が拡大したとみられるという。東証の投資主体別売買動向で、年金の売買を反映するとみられる信託銀行が9週連続で売り越しとなったことも着目していた。

 

23年に原油価格が100ドルを突破することは難しい:JPモルガン

JPモルガンは19日付リポートで、中国の経済再開に合わせて中国の原油需要見通しを上方修正した一方、原油の国際指標となる北海ブレント原油の2023年価格見通しを1バレル90ドルで据え置いた。1~3月期は平均で85ドル、4~6月期は89ドル、年末は94ドルで終えるとみており、「大きな地政学的な出来事がなければ、23年に原油価格が100ドルを突破すことは難しいだろう」との見解を示した。背景には供給が需要を上回る状況があるという。ロシアの生産量がウクライナ進行以前に戻り、中東以外の地域での生産量の増加を予想した。90ドルの目標価格はOPECプラス(石油輸出国機構と非加盟のロシアなど構成)で1日当たり原油生産量を40万バレル追加削減する必要性や、米国が戦略石油備蓄(SPR)の補充のための買い需要も考慮して試算した。

 

トルコ中銀は2会合連続金融政策を据え置き

トルコ中銀は昨日、政策金利を予想通り9.00%で据え置くことを決定した。据え置きは2会合連続となった。トルコ中銀は昨日の声明で、『2022年は第3四半期まで力強い成長が見られている』とし、経済の底堅さを強調した。また『持続可能な物価安定と金融安定を強化するために実施された統合的な政策支援により、インフレの水準と基調は改善された』との文言も追加している。物価に対する中銀の楽観的とも言える見解を受け、市場では追加利下げの確率が高まってきたとの声も聞かれた。本日はエルドアン大統領から金融政策について何らかのコメントが出る可能性もあり、関連報道には注意が必要である。半年以内に実施される選挙に向けて大統領は景気の底上げに必死であり、利下げ要求を強めてくるかもしれない。

 

2期目の南ア政権への期待剝落から資金流出の可能性も

大きな問題の一つに電力供給不足がある。昨日は国会で野党から電力不足の問題について、マンタシェ鉱物資源エネルギー相が責任を追及された。2018年から同省の大臣を務めているマンタシェ氏は、大臣就任後に送電網に1メガワットも新たな電力の追加がないにも関わらず、自分には責任はないと発言している。マンタシェ氏も問題ではあるが、その大臣をいまだに交代もさせず、電力問題がさらに悪化していることはラマポーザ大統領の責任も大きくない。これまでは、汚職まみれだったズマ政権から、ビジネスマン出身のラマポーザ政権に期待していた海外投資家も、2期目にはもう期待をすることができなくなり、南アからの資金離れが一層進んでいるのかもしれない。なお、一昨日の消費者物価指数(CPI)発表後の市場調査では、来週の南アフリカ準備銀行(SARB)では0.5%の利上げ予想が、0.25%の利上げよりも若干多い予想となっている。ただし、今回の利上げが最後になる可能性との意見も徐々に増えてきている。

 

メキシコの先行き成長率の見方については意見が分かれている

メキシコ財務省は17日に2022年のメキシコ国内経済は約3%の成長になったと発表した。コロナ禍から回復した観光業や自動車輸出、海外在住労働者からメキシコ本国への送金などがけん引した。財務省は今後も経済は予想より良好になる見通しとしているが、世界銀行などは今年のメキシコ成長率予想を下方修正しており、先行きの見方については意見が分かれている。

 

米住宅ローン金利は4カ月ぶりの低水準

米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が19日発表された米国の住宅ローン金利は30年固定型(週平均)が6.15%だった。前の週に比べて0.18%低下し、2022年9月以来およそ4カ月ぶりの低水準となった。フレディマックは『インフレが純化するなか、住宅ローン金利は再び低下した。住宅市場にとって待ち望んだ追い風だが、住宅供給には依然として懸念がある』と説明した。

 

米中古住宅販売件数は11カ月連続の悪化見込む

全米不動産協会(NAR)が21日に、2022年12月の中古住宅販売件数(季節調整済み、年率換算、橙面)を発表する。市場予想は前月比3.4%減の395万戸と、11カ月連続で減少する見込みとなっている。減少率は11月の7.7%減からやや改善する見通しである。中古住宅販売価格(中央値)は、住宅ローン金利の上昇などを背景に販売件数よりも調整のタイミングは遅かったが、22年6月の41万ドルをピークに下落が続いている。22年12月28日に発表された中古住宅販売件数の先行指標とされる11月の仮契約住宅販売指数は前月比4.0%減の73.9と市場予想を下回った。住宅ローン金利の上昇が一服する中で、住宅市況の落ち込みが続くかが注目となる。

 

欧米市場イベント

○16:00   12月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比0.5%/前年比▲4.1%)
○16:00   12月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.4%/前年比▲4.4%)
○16:00   12月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比▲1.2%)
○17:30   12月香港CPI(予想:前年同月比1.9%)
○18:00   ナーゲル独連銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○19:00   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○22:30   11月カナダ小売売上高(予想:前月比▲0.5%/自動車を除く前月比▲0.4%)
○23:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○24:00   12月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲3.2%/年率換算396万件)
○21日03:00   ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演

 

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