FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国株安と円高を嫌気した売り優勢

前日の米国主要三指数の大幅安や円高進行を嫌気して、寄り付きから200円を超える下落となった。安く始まった後は節目の26500円を割り込むと下げ渋る一方で戻りは鈍く、次第に26500円近辺でこう着感が強まった。しかし、その後はやや売りに勢いがつき、300円を超える下落となって安値圏で前場の取引を終えた。後場では、ファーストリやソフトバンクグループが下げ幅を広げ、日経平均を大きく押し下げた。一方、米国の長期金利が大きく低下したことを手がかりに新興グロースの一角には買いが入っており、マザーズ指数やグロースコア指数は底堅い展開になった。結局、前営業日比385円安の2万6405円と3日ぶりに反落して終了した。1月第2週(10~13日)の投資部門別株式売買動向によると、海外投資家(外国人)は1705億円買い越した。買い越しは2週ぶりとなった。個人投資家は598億円の売り越しとなり、売り越しは2週ぶりとなった。信託銀行は1196億円の売り越しとなり、売り越しは9週連続となった。

 

東京外国為替市場:米長期金利低下と日本株安でドル売り優勢

ドル/円は、シドニー市場では、前日に発表された米経済指標が軒並み低調で、米景気減速を警戒したドル売りが先行、128円台後半から128円台半ばへ下落した。東京市場に入ると、日経平均株価の下げ幅拡大を眺めてさらにドル売り・円買いが進み、128.30円付近へ値を下げた。その後、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、128.60円台へ値を戻した。しかし、インフレの落ち着きで、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが鈍化するとの観測が高まっているため、ドルの反発は限られた。午後は、米長期金利低下や日経平均株価の一段安でドル売り・円買いが再燃、128円を割り込んで一時127.77円付近まで下落した。ただ、今晩予定されている米経済指標やブレナードFRB副議長の講演内容を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、値ごろ感からドル買い戻す動きも見られ、値を切り返して127.95円前後で取引された。ユーロ/ドルは、米長期金利低下を手掛かりとしたドル売りが一巡すると、1.0790ドル台で方向感に欠ける値動きとなった。

 

日銀が現状維持でも日米金利さは逆に縮小:JPモルガン

18日NY為替市場で日銀金融政策決定会合を通過したことで円売り・ドル買いが優勢となり、ドル/円は続伸して128.95円で取引を終えた。JPモルガン証券は19日付のリポートで『非常に動きが大きくなった1日を通じてみると、円はG10通貨の中では下から3番目に弱い通貨となり、ドルは5番目と中立だった』とこの日の動きを解説した。リポートでは、日米長期金利差との関係では、円の10年スワップ金利は9bpの低下となったものの、『ドルの10年スワップ金利が17bpも低下したため日米長期金利差は逆に縮小した』と指摘した。これは22年12月20日の日銀による金融政策修正後の動きと真逆の動きだといい、『当時も20日以降の1週間で円の10年スワップ金利は17bp上昇したしたが、ドルの10年スワップ金利は24bp上昇したため、日銀がイールドカーブ・コントロール(YCC)の上限を引き上げたにも関わらず金利差は拡大した』という。その上で、『次の注目は2月10日に予定されている時期総裁・副総裁の発表に移るとしながら、『次の会合は3月9日~10日と2カ月弱先であり、その間日銀が今のペースで国債を買い続けることができるかが注目され、時折投機的な円買いの動きも強まるかもしれない』とみている。

 

顧客が米国株を4周ぶり買い越し:BofAセキュリティーズ

18日付の顧客フローリポートによると、同社の顧客は先週(9~13日)の1週間に米国株を25億800万ドル買い越した。4週ぶりに買い越しに転じた。この週は米消費者物価指数(CPI)の伸びが市場予想に沿って鈍化したことで米金融引き締めに対する警戒感が和らぎ、S&P500種株価指数は週刊で2.67%高となって続伸した時だった。主体別動向ではヘッジファンド(HF)が7億8300万ドル買い越して4周ぶりに買い越しに転じた。機関投資家は600万ドル売り越して2週続けて売り越しだった。個人投資家は3億7800万ドルの売り越しで5週連続で売り越した。前週と同様に1月に個人投資家が買い越しに転じる傾向『1月効果』はまだ確認されていない。企業の自社株買いは24時間4600万ドルと2019年や20年1月水準並みを保っており、自社株買いに対する1%の課税が開始されたものの、自社株買いへの影響は限定的であることが示唆された。

 

トルコ中銀の政策金利は据え置き予想:声明文に注目集まる

本日は日本時間20時にトルコ中銀が政策金利を発表する。2会合連続で9.00%での据え置きがコンセンサスであり、予想通りであれば相場へのインパクトは強くない。ただ、声明文で更なる緩和を示唆するようなことがあれば、失望売りに繋がってしまうかもしれない。また選挙を控えたエルドアン大統領の口先介入にも注意は必要である。なお、トルコの大統領・議会選挙では、現地メディアは昨日、エルドアン大統領が5月14日投票を提案したことを報じた。早期選挙を実施するために国会議員の過半数の賛成が必要であるが、与党・公正発展党(AKP)と国政で協力関係にある民族主義者行動党(MHP)の議席数では30票弱ほど足りない。ここからは野党の反応が注目される。

 

南ア12月消費者物価指数の結果:ランド市場の影響は限定的

昨日発表された南アの消費者物価指数(CPI)でヘッドラインは概ね予想通りの結果となったが、コア指数は低下した。指標発表後南アの債券利回りは低下したが、ランド市場は限られた動きだった。

・12月南アフリカCPI:前月比 +0.4%(予想:前月比+0.3%)
・12月南アフリカCPI:前年比+7.2%(予想:前年比+7.2%)

・12月南アフリカコアCPI:前月比0.2%(予想:前月比0.3%)

・12月南アフリカコアCPI:前年比5.1%(予想:前年比4.9%)

 

次回FOMCでの一段の利上げ幅縮小示唆:米ダラス連銀総裁

米ダラス連銀のローガン総裁は18日、米テキサス大学で講演し、次回1月31日~2月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げペースを一段と緩めることが適切になりそうだとの考えを示した。同連銀が公表した講演テキストによると、同氏は昨年12月のFOMCでは足元の複雑な経済・金融環境を踏まえて利上げ幅の縮小を支持したと説明した。次回についても「状況は、利上げペースをさらに減速するのが良いと示唆している」とした。同氏は「利上げペースを減速することで、我々は最善の決定を確実にすることができる」とも述べた。もっとも、利上げのペースが遅くなったとしても、金融環境を景気抑圧的に保つために「政策を調整することはできるし、必要があれば(調整)すべきだ」との認識を示した。

 

PPIの鈍化でFRBに利上げの減速余地:US Dashboard

18日に発表された2022年12月の米卸売物価指数(PPI)は前月比マイナス0.5%と市場予想のマイナス0.1%以上に低下した。マイナスとなるのは22年8月以来で、マイナス幅は新型コロナウイルスの感染が拡大した20年4月以来の大きさだった。製品の価格が前月比1.6%低下と22年7月以来のマイナス幅となり、前月比マイナス1.2%の食品と同舞奈宇s7.9%のエネルギー価格の低下が効いた。一方、サービス価格は前月比プラス0.1%と小幅ながらも上昇基調が維持された。PPIは前年同月比も6.2%上昇と市場予想の6.8%を下回り、20年6月の11.2%上昇をピークに6カ月連続で伸びが鈍化した。12日に発表された22年12月の米消費者物価指数CPI)も6カ月連続で伸びが鈍化していた。同18日に発表された鉱工業生産指数と小売売上高も市場予想を下回り、インフレと景気の両面から米連邦準備理事会(FRB)に利上げペースの減速余地を与えることになる。

 

欧米市場イベント

○16:30   12月スイス生産者輸入価格
○18:00   11月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○18:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:2.75%で据え置き)
○19:30   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:9.00%で据え置き)
○21:30   欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(12月15日分)
○22:30   11月カナダ卸売売上高(予想:前月比1.9%)
○22:30   12月米住宅着工件数(予想:135.9万件、前月比▲4.8%)
          建設許可件数(予想:136.5万件、前月比1.0%)
○22:30   1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:▲11.0)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.4万件/166.0万人)
○23:00   コリンズ米ボストン連銀総裁、講演
○23:00   クノット・オランダ中銀総裁、講演
○20日01:00   EIA週間在庫統計
○20日03:15   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演

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