FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:日銀政策決定会合の結果を好感して上げ幅拡大

前日の買い戻しの流れが継続し、しっかりした展開が続いた。前場引け後に日銀金融政策決定会合の結果が発表され、政策の現状維持が伝わると安心感から日経平均先物は急上昇した。ドル/円が131円台前半まで買われるなど、為替の急激な円安進行も支援材料となっている。市場では金融政策の大きな変更はなく、不透明感がいったん払しょくされて買い安心感につながったとの声が聞かれた。結局、前営業日比652円高の2万6791円と続伸して終了した。2022年12月19日以来、約1カ月ぶりの高値となった。信用評価損益率は13日申し込み時点でマイナス10.49%と、前の週のマイナス11.68%からマイナス幅が1.19ポイント縮小した。改善は2週ぶりとなる。

 

東京外国為替市場:日銀政策決定会合後に円売り優勢に

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、129.00円付近へ上昇した。東京債券市場で新発10年物国債利回りが低下し、日米金利差が拡大したこともドル/円の上昇につながった。その後、日銀金融政策決定会合の結果発表を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いも見られ、128円台半ばへ軟化した。昼前に、日銀は17~18日に開いた金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の現状維持を決定した。昨年12月に引き上げた長期金利の許容する変動幅も『0.50%』程度に据え置き、低金利を維持するために大規模な国債を買い入れる方針も続けると発表した。今回の日銀が大規模な金融緩和を再修正するとの見方が浮上していたため、発表直後はドル買い・円売りが強まり、一時130.80円台まで急上昇した。午後は、日銀の緩和修正見送り受けて新発10年物国債利回りが急低下すると、さらにドル売り・円買いが進んで一時131.58円付近まで急伸した。日経平均株価の大幅高でリスク選好が高まったことも円売りに拍車をかけた。ただ、急ピッチの上昇が続いていたことから、上値では利益確定などのドル売り・円買いも見られ、130.80円付近へ押し戻される荒い値動きとなった。黒田日銀総裁の会見に、市場の注目が集まっている。ユーロ/ドルは、1.07ドル台後半で方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日銀正副総裁の具体名の確報報道に注目:三菱モルガン証券

日銀が17~18日に開いた金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(YCC)の変動幅などについて現状維持を決めた。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は18日付のリポートで「市場機能に改善がみられないことから、YCCを中心に政策変更観測が浮上していたが、日銀はこれを一旦見送り、前回会合で決定した長期金利の変動幅拡大の影響を見極める姿勢を示したかたちとなった」との見解を示した。リポートでは、事前に日銀の政策変更を巡る警戒感が高まる中、マーケットでは決定会合後の初期反応として「金利低下・為替円安・株高」で反応したことを踏まえつつ、「もっとも、債券市場の『機能度』を巡る懸念が払しょくされた訳ではなく、今後も政府修正観測は根強く残るとみられる」と指摘した。その一方、日銀の正副総裁の後任人事について、ロイターが17日に「政府が2月10日を軸に国会に提示する方向」と報じたことを受け、「政府で人選を終えたとみられ、目先は具体名に関する確定報道に注目したい」と指摘した。

 

日銀展望の2023年度のGDP見通し

日銀は18日発表した『経済・物価情勢の展望(展望リポート)』で、2022年度の消費者物価指数(CPI、除く生鮮食品)見通しを+3.0%(10月は+2.9%)、23年度を+1.6%(10月は+1.6%)、24年度を+1.8%(10月は+1.6%)とした。また、2022年度の実質国内総生産(GDP)見通しを+1.9%(10月は+2.0%)、23年度を+1.7%(10月は+1.9%)、24年度を+1.1%(10月は+1.5%)とした。

 

トルコでは前倒しで5月総選挙実施を示唆

トルコメディアが報じたところによると、与党・公正発展党(AKP)と国政で協力関係にある民族主義者行動党(MHP)の党首は昨日、5月の総選挙実施を示唆した。エルドアン大統領も、もともと6月に予定されていた大統領選の投票前倒しを受け入れている。大統領選では野党6党が共闘する動きですが、有力な統一候補を擁立できるかが非常に重要となってきている。

 

南アでは12月CPIが公表:電力問題が引き続きランドの重し

南ア国内の経済指標では、12月の消費者物価指数(CPI)が発表される。前年比では前回の+7.4%から+7.2%程度まで低下するとの予想になっている。原油高騰に歯止めがかかったことがインフレ上昇の一服要因となる。ここ最近はCPIでのランド市場の反応は限られているが、大きく予想と結果がかい離した場合には要注意となる。なお、ラマポーザ大統領はダボス会議の出席を急遽取りやめたが、ゴドンワナ南ア財務相が出席している。昨日、ダボスでのインタビューで『今後12-18カ月で、負荷制限は過去のものだと言えるようになるだろう。それが目標だ」と述べている。しかし、インタビュアーの具体的な質問には、はぐらかすように応えている映像を見ている限り、『絵に描いた餅』のような気がする。なお、2月6日のラマポーザ大統領の国家演説で電力計画を発表し、同月23日の予算演説で国営電力会社エスコムの債務問題の詳細を発表するとも述べている。

 

米国株への資金配分は急減し円高予想は07年1月以降最多:BofA調査

BofAセキュリティーズの1月のグローバル・ファンドマネジャー調査で、米国株への資金配分は急減し、ネットで39%がアンダーウエートにしていると回答した。2005年10月以降で最多となった。ユーロ圏株式への資金配分は増加。ネットで4%がオーバーウエートにしていると回答した。昨年12月はネットで10%がアンダーウエートにしていると答えていた。また、円が上昇するとの予想は07年1月以降で最多となった。
世界経済の成長に対する楽観的な見方も過去1年で最多だった。インフレ期待がピークを過ぎたとの見方も示された。

 

米債券の好調な年明けで寒風和らぐ金融市場:米WSJ

米国債市場が年明け以降、快走していることで、史上最悪の下げとなった昨年から持ち直すとの期待が高まっている。米国債利回りは今年に入り大きく下がっており(価格は上昇)、その低下幅は昨年1月の上昇幅より大きい。ただ、断定するにはあまりに時期尚早であり、債券市場がこの先、困難に見舞われるとみるアナリストも多い。とはいえ、これまでの回復基調は大方の想定を超えており、株式など他の資産にも追い風となっている。疲弊した市場関係者のムードも総じて上向いてきた。米債券は昨年、容赦のない売り(利回りは上昇)を浴びた。その結果、価格急落による影響を受けやすいオフザラン(既発債)銘柄は、流動性が高い新発債と比べて、異例の大幅ディスカウント水準で取引されていた。

 

米国では労使関係の『リバランス』に備えよ:米WSJ

米ウォールストリート・ジャーナル紙は、労使関係の『リバランス』に備えよ、米国では大規模な人員削減や大離職時代を経て雇用が通常に戻りつつある、と伝えた。
米国の労働者たちが体験してきた激しい変化は終わりを告げようとしている。この3年間はムチで打たれるような状況を経験した。まず、定職の脆弱(ぜいじゃく)性を体験した。その後、自分は解雇されないという無敵感覚を持った。そして現在、多くの人々は通常レベルに近いキャリアの安定性と、力関係に戻りつつある。これを、雇用者と被雇用者の間の『大きなバランス調整』と呼ぼう。米シンクタンク経済政策研究所(EPI)のハイディ・シールホルツ所長は『そこに向かっているのは明らかだ』と言う。

 

米国市場では12月小売売上高が公表:予想は前月比-0.8%

11月実績は予想外の減少を記録した。自動車・同部品の売上高の減少が主な要因となっている。インフレと金利上昇によって家計は圧迫されており、12月も前月マイナスとなる可能性が高い。

 

欧米市場イベント

○15:30   黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
○16:00   12月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比10.5%)
○16:00   12月英CPIコア指数(予想:前年比6.2%)
○16:00   12月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.7%/前年比13.6%)
○17:00   12月南アフリカCPI(予想:前月比0.3%/前年比7.2%)
○18:15   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○19:00   12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比9.2%)
○19:00   12月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比5.2%)
○19:00   11月ユーロ圏建設支出
○20:00   11月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比▲0.2%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   12月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比▲0.3%)
○22:30   12月カナダ原料価格指数
○22:30   12月米小売売上高(予想:前月比▲0.8%/自動車を除く前月比▲0.4%)
○22:30   12月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.1%/前年比6.8%)
        食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.1%/前年比5.7%)
○23:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、あいさつ
○23:15   12月米鉱工業生産(予想:前月比▲0.1%)
          設備稼働率(予想:79.6%)
○24:00   11月米企業在庫(予想:前月比0.4%)
○24:00   1月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:31)
○19日03:00   米財務省、20年債入札
○19日04:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○19日04:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○19日06:00   11月対米証券投資動向

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