FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:円安とショートカバーの買いが優勢に

日銀の金融政策決定会合の結果発表を明日に控える中、前日までの下げからの買戻しが優勢となり、心理的節目2万6000円を回復した。為替が円安方向に振れ、上昇に弾みをつけた。また、中国経済の回復期待も支えになった。結局、前営業日比316円高の2万6138円と3営業日ぶりに反発した。

 

東京外国為替市場:円売りが強まったもののその後は128円半ばでもみ合い

ドル/円は、米長期金利上昇や日経平均株価の大幅反発がドル買い・円売り要因となり、128円台前半から128円台半ばへ水準を切り上げた。仲値に向けて本邦輸入勢のドル買い・円売りが観測されたことも、ドル/円の押し上げ要因となった。その後も、海外短期筋などがドル買い・円売りに動き、一時129.15円付近まで上伸した。ただ、明日発表される日銀金融政策決定会合の結果を見極めたいとの雰囲気から、129円台前半で円売りは続かなかった。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、129.00円付近へ緩んだ。午後は、日銀金融政策決定会合の結果発表を控えて積極的にポジションを傾けにくくなり、やや値を下げて128.60円台を中心とする狭いレンジで推移した。ユーロ/ドルは、1.0825ドル前後で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

22年末の中国人口は半世紀ぶりの前年割れ

国家統計局によると、2022年末時点で中国の全人口は14億1175万人となり、前年末比で85万人減少した。年間の出生者数は956万人、死亡者数は1041万人。『香港経済白書』によると、人口が減少に転じたのは1961年以降で初めて。男女別では、22年末時点で男性は7億2206万人、女性は6億8969万人。また、都市部の常住人口は前年末比646万人増の9億2071万人で、農村部は731万人減の4億9104万人。都市部人口が全体に占める割合は0.50ポイント上昇の65.22%だった。

 

春節で回答者の84%が旅行を予定:UBS

UBSは2022年12月14~22日に行った調査の結果、中国に春節(旧正月、21~27日)で回答者の84%が旅行を予定していると明らかにした。うち、60%がレジャー、20%が出張であり、いずれも前回調査を上回っている。また、旅行を予定していない回答者のうち、約半数が新型コロナへの感染を懸念していたことから、足もとで中国における新型コロナ感染拡大が広がっている中で旅行を予定していない回答者も感染した可能性が高いため、実際の旅行者数は調査結果よりも好調に推移する可能性があるとも予想した。また、23年に家計所得が前年より増加すると答えた比率は46%と、減少の13%を大きく上回ったとの調査結果も公表されている。

 

高インフレがトルコ経済の重し

昨日はネバティ財務相が、『CPIとPPIのスプレッドは12月時点で縮まった』とも述べ、物価上昇率に落ち着く兆しが見えていることを訴えた。インフレの先行指標とされる生産者物価指数(PPI)は、確かに前回値から40%弱ほど縮小している。しかしながら昨年は8カ月間も前年比三桁台で推移し、水準を下げた12月も97%台とかなり高いままである。高インフレはまだまだトルコ経済の重しになることが考えられる。なお、エルドアン・トルコ大統領は昨日プーチン露大統領と会談し、ウクライナとの仲介役となる意向を再び示した。もっともロシア軍による攻撃が日増しに強さを増すなど、露ウクライナが歩み寄るような状況ではなく、エルドアン大統領の活躍の場は暫くなさそうである。

 

南アの二つのネガティブ材料がランドの重しに

昨日は複数の南ア国内のネガティブニュースがランドの重しになった。1つ目は世界経済フォーラム(WEF):通称『ダボス会議』に参加予定だったラマポーザ大統領が、急遽参加をキャンセルしたことである。理由は、国内の電力不足に対しての会議を同期間中に国営電力会社エスコムと開くこととしている。昨年は最長期間の電力負荷制限を記録したが、今年に入っても負荷制限は拡大している。日数だけでなく、制限の水準がステージ6という厳しいものになっている。2つ目は南アが新たな10億ドルの融資について世界銀行と協議をしているとの報道が流れたことである。再び南アの財政問題が表面化している。

 

米景気後退確立はインフレ緩和でも10月調査と変わらず:WSJ調査

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が実施した最新の四半期調査によると、インフレ圧力が緩和し始めた兆候があるものの、エコノミストらは依然として、米経済が今年、金利上昇の影響でリセッション(景気後退)入りすると予想している。WSJが企業や学界のエコノミストを対象に実施した調査で、今後12カ月以内にリセッション入りする確率は平均で61%となり、10月調査の63%からほとんど変わっていない。どちらの数字も、実際のリセッション期以外では歴史的に高い水準だ。米連邦準備制度理事会(FRB)は当初、インフレを抑制しても全面的な不況を引き起こすことなく、「ソフトランディング(軟着陸)」と呼ばれる経済成長の鈍化をもたらすだけで済むことを望んでいた。しかし回答したエコノミストの4分の3は、FRBが今年、ソフトランディングを実現することはないとの見方を示した。

 

23年の求人数とNFPは徐々に減少か:ゴールドマン・サックス

ゴールドマン・サックスは16日付のリポートで、22年12月の雇用統計が労働市場の謎の一つである事業所別雇用と家計調査のギャップ解消し、22年末まで雇用の増加が堅調に推移するという明確なメッセージを発しながら、「労働常用は依然として高すぎるが、依然として低下しているように見える」との見解を示した。リポートでは、労働供給はあと少し回復の余地があるとも指摘した。労働力不足が叫ばれて久しいが、労働力率は人口動態の変化から、ほぼ新型コロナの感染拡大前の水準に戻ったとしながら、「その代わり残っている労働供給不足は、主に平均労働時間の減少によってもたらされているが、これは十分に持続する可能性がある」という。その上で、23年は求人数は大幅に減少し、非農業部門の新規雇用者数(NFP)の伸びは月7万5000人増程度へと徐々に減速し、失業率は4%となり、賃金上昇率は年末までに前年比4%増にまで減速すると予想した。米連邦準備理事会(FRB)が雇用と労働の格差をさらに大幅に縮小する必要があることは明らかにしながら、「具体的にどの程度縮小するかは、過去のインフレショックが薄れることで賃金と物価の上昇圧力がどの程度弱まるかによる」ともみていた。

 

欧米市場イベント

○16:00   12月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.8%/前年比8.6%)
○16:00   12月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○16:00   9-11月英失業率(ILO方式、予想:3.7%)
○16:30   センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○18:15   ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○19:00   1月独ZEW景況感指数(予想:▲15.0)
○19:00   1月ユーロ圏ZEW景況感指数
○22:15   12月カナダ住宅着工件数(予想:25.75万件)
○22:30   11月対カナダ証券投資
○22:30   12月カナダCPI(予想:前月比▲0.5%/前年比6.4%)
○22:30   1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:▲8.7)
○18日05:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ

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