★日経平均株価:前日までの上昇でポジション調整の動きから上値の重い展開
前日の米国市場で主要3指数がそろって上昇した流れを引き継ぎ、日経平均は寄り付きから70円高としっかりした寄り付きだった。ただ、上昇一服後は徐々に値を消し、前場終盤にかけては前日の終値近辺で一進一退となった。米金融引き締めの長期化懸念が後退して、日経平均株価は前営業日までに4営業日で700円以上上昇していたこともあり、ポジション調整の動きが出やすく、上値は重かった。銀行株や電子部品株、資源関連株が高く、不動産株や敬愛再開関連株が安かった。結局、前日比3円高の2万6449円と小幅に5日続伸した。信用評価損益率は6日申し込み時点でマイナス11.68%と、前の週はマイナス11.12%からマイナス幅が0.56ポイント悪化した。悪化は2週ぶりとなった。
★東京外国為替市場:日銀が再び金融政策修正との思惑から円買い
ドル/円は、オセアニア市場で一部メディアが「日銀は17~18日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和に伴う副作用を点検する」と報じた。これを受けてドル/円は、日銀がさらなる金融政策修正に動くとの思惑からドル買い・円売りが強まり、132円台半ばから131円台後半へ水準を切り下げた。東京市場では、米長期金利が低下すると、さらにドル売り・円買いが進んで131円台半ばまで下落した。東京債券市場の超長期債利回りが上昇し、日米金利差が縮小したことも円買いを誘った。午後は、利益確定などのドル買い・円売りが持ち込まれ、131.80円付近まで値を切り返す場面があった。しかし、日銀がさらなる金融政策修正に動くとの観測が高まっていることから円買いが再燃、一時131.37円付近まで下落した。その後は、今晩予定されている12月米消費者物価指数(CPI)や米FRB当局者の講演内容を見極めたいとの雰囲気から下げは一服、131円台半ばで小動きとなった。ユーロ/ドルは、1.0770ドルを挟んで方向感に欠ける展開になった。欧州勢待ちの様相となっている。
★日銀が副作用点検との報道でレンジ再拡大を意識:大和証券
読売新聞が12日、『日本銀行は17-18日の金融政策決定会合で大規模な金融緩和に伴う副作用を点検する。昨年末の政策修正後も市場金利にゆがみあるためだ』と報じた。報道を受けて大和証券は12日付のリポートで「市場では『レンジ再拡大』が意識されよう」との見解を示した。リポートでは、読売記事で「悪影響を減らして緩和的な金融環境を維持し、物価高の下での投資や消費を支える」とされていることから、「緩和姿勢は維持するもよう」とも指摘した。また、記事で「日銀の狙いと異なる金利の動きがみられる」などとされていることから、「論点はレンジの『幅』ではないようだ。記事から、動きがあるとすれば『レンジの再拡大』よりも『レンジの撤廃』(コントロールの放棄)もしくは、指値オペなど国債買い入れツールのテコ入れだろう」とも指摘した。前者なら引き締め懸念されるが、後者なら懸念が後退するなどとともに指摘し、前者の可能性は40%、後者の可能性は60%程度とみていた。
★トルコ経常収支では赤字は積み上がり:東地中海を巡る派遣争いも混沌
欧州序盤に発表された11月トルコ経常収支は36.7億ドルの赤字と予想よりも赤字幅が4億ドル強少なかったものの、赤字が着実に積み上がっていることが確認された。なお、トルコとリビアの国民統一政府が以前に合意した『両国間の地中海域におけるエネルギー開発』だが、リビアの裁判所が探査の一時停止を命じたと報じられている。どの程度の拘束力があるのかは不透明であるが、ギリシャやエジプト等も交えた東地中海を巡る覇権争いが混沌としそうであり、今後も地域動向に目を向けておく必要がある。
★南アランドの買い要因と売り要因
ランドの買い要因としては中国のコロナ規制の完全撤廃で、今後もコモディティ市場が底堅く動いた場合は、コモディティ通貨のランドには支えになる。すでに、同じコモディティ通貨である豪ドルは年初から堅調な動きを見せている。この流れが続くか否かは今後の中国経済次第となる。一方で、ランドの売り要因は、南ア国内のネガティブ要素が豊富なことがあげられる。国内電力不足は悪化傾向にありる。この状況下で与党アフリカ民族会議 (ANC) は、エスコムの管轄を公営企業省から鉱物資源エネルギー省 (DMRE) に移すという計画が流れている。DMREがエスコムの株主でもあることで、DMREに管轄が移った場合は利益相反行為になることが指摘され、野党は非難をしている。昨年末にラマポーザ氏が大統領が党内の選挙で勝利を収めて以後、南アフリカ準備銀行(SARB)に対しても使命の変更を企てるなど、ANCの強引な政治手法が進んでいる。野党だけでなく国民の不満も高まっていることで、治安の乱れなどにも警戒しておきたい。
★メキシコ政府はインフレ対策を1年延長
メキシコ政府はインフレ対策を1年延長し、物価上昇を抑制するために関税を一時的に免除する品目リストを追加する予定であることを明らかにした。メキシコ経済省が公表した声明によると、昨年から実施されてきたインフレ・供給不足対策パッケージとインフレ・供給不足対策開放協定を1つにまとめ、2023年12月31日まで延長するもよう。主要製品の輸入関税を一時的に免除することで8%の価格引き下げを目指すとしている。メキシコではインフレ率がピークを迎えた兆しこそ見え始めているが、依然として歴史的な高インフレ状態にあり、ロペスオブラドール大統領も昨年末の会見で『インフレは2023年に対処しなければならない問題』と言及している。今回の関税免除品目には食料品や動物飼料、農産物など33品目を追加されることになっており、消費者の負担軽減につながるか注目される。
★ドル高が再燃すると予想される理由:ゴールドマン
ゴールドマン・サックスは11日付リポートで「ドルの優位性に対する明確な『挑戦者』がいないことは、最近になって我々の予想の上振れ幅が縮小したにもかかわらず、今後数ヵ月でドル高が再燃すると予想される主な理由の1つである」と指摘した。世界経済の見通しに関するニュースがここ数カ月でユーロと人民元に恩恵をもたらしたものの、「歴史的にこれらの通貨が持続的に上昇した時期は、通常、両方の経済への協力な外国ポートフォーリオからの資金流入と一致している。海外からのフローがいずれかの通貨をサポートしているという証拠はまだ限られている」とも指摘した。ユーロ圏株式への海外からの資金流入は2022年に見られた150億ドルの流出を覆すに至っておらず、海外からの中国への流入はここ1カ月、ほぼ中立に近いという。リポートでは世界経済の成長見通しが改善しているにもかかわらず資金流入が見られないのは、天然ガス供給の制約がユーロ圏で依然として根強いリスクと見られていることや、中国の債券リターンが比較的魅力的でないことを考慮した結果である可能性がある。世界の経済成長の背景がさらに大幅に改善し続けない限り、ドルの下落は抑制されたままになると予想される」とみていた。
★米国市場では12月消費者物価コア指数が公表:予想は前年比+5.7%
11月実績は前年比+6.0%だった。中古車の価格が下落したことが要因だった。12月については、住居費の上昇率がやや鈍化する可能性があること、中古車の価格は弱含みとなっていることから、コアの物価上昇率は11月実績を多少下回る見込みである。
★欧米市場イベント
○21:00 12月インド消費者物価指数(CPI、予想:前年比5.90%)
○21:00 11月インド鉱工業生産(予想:前年同月比2.6%)
○22:30 12月米CPI(予想:前月比横ばい/前年比6.5%)
エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比5.7%)
○22:30 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/170.5万人)
○22:45 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○13日01:30 ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○13日02:00 マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○13日02:40 バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○13日03:00 米財務省、30年債入札
○13日04:00 12月米月次財政収支(予想:700億ドルの赤字)
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