FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:2万7900円台半ばでは上値の重い展開

前日の米国株市場で主要3指数が上昇したことを好感し、日本株も堅調な展開となった。特に、前日まで軟調だった半導体関連や電子部品関連などハイテク銘柄の上昇が目立ち、指数を押し上げた。ただ、来週は13-14日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催、13日に11月消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることから投資姿勢は強く2万7900円台半ば付近では上値の重さも意識された。結局、前営業日比326円高の2万7901円と3日ぶりに反発した。

 

東京外国為替市場:売買交錯するも136円台前半でもみ合う展開

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、136.90円付近まで値を上げた。しかし、137円台乗せに失敗すると、今晩発表される11月米生産者物価指数(PPI)を控えた利益確定やポジション調整のドル売り・円買いに押される展開になり、136.05円付近へ下落した。米長期金利が低下したことも売りを誘った。午後は、仕掛け的なドル売り・円買いが持ち込まれ、136円を割り込んで一時135.77円付近まで値を下げた。しかし、世界的な株高でリスク選好が高まっていることもあり、ドル売り・円買いは続かなった。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動も見られ、値を切り返して136.15円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.05ドル台後半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

23年の旅行消費は28兆円(GDP4.9%)まで回復:SMBC日興

国内景気の支援材料として外国人観光客によるインバウンド消費が期待される中、SMBC日興証券は9日付のリポートで『10月の宿泊数をみると、外国人宿泊者数はコロナ前の2割程度だが、日本人宿泊者数はコロナ前を超える水準まで増加している』との見解を示した。リポートでは、『観光業の回復が本格化している』と指摘した。国内旅行は10月11日から開始されている全国旅行支援による影響も大きいとしながら、『支援策は当初年内で終了の予定だったが、来年1月以降も継続することが公表されている。正確な予算規模や実施期間は不明だが、全国旅行支援によって最大で2兆円程度の観光需要が刺激されると予想している』とみていた。なお、今後の見通しとしては『観光庁によれば、2019年の国内旅行消費は23.2兆円(国内総生産・GDPの4.2%)、訪日消費は4.8兆円(同0.9%)で、旅行消費の合計は27.9兆円(同5.0%)だった』としながら、『コロナ禍でその額は大きく低下したが、22年の旅行消費合計は18.2兆円程度う(3.3%)になると見込まれる全国旅行支援の継続や訪日客数の増加により、23年には28兆円程度(4.9%)まで回復すると予想している』と見込んだ。

 

南アランドは政治的リスクによるネガティブリスクに警戒

本邦の国会進展と同様に、与党はこのまま何事もなかったように流そうとしているが、野党の攻勢は弱まりそうもない。2年前の地方選挙で与党が支持基盤を大幅に失ったことで、野党は2024年の総選挙にむけて与党の汚職のイメージを植え付けようとしている。今後の与野党の動きが注目される。週末を控え、政治的な流れの急変に為替市場は警戒を怠らないようにしておきたいところである。特にポジティブリスクよりもネガティブリスクが表面化することに注意が必要である。よってランドのリスクは上値よりも下値リスクに要警戒となりそうである。

 

メキシコでは国外労働者による送金額が過去最高

メキシコ銀行(中央銀行)が1日に発表した10月の国外労働者によるメキシコへの送金額は53億5980万ドルとなった。単月の数字として過去最高額を記録し、前年同月比で11.2%の大幅増となった。これで前年同月の水準を30カ月連続で上回る結果となった。
好調な米雇用情勢を背景にメキシコ国内への順調な送金が続いている。メキシコ国外労働者の大半が米国に居住していることから、今後も米雇用情勢には注目しておきたいところである。先週発表された11月分の米雇用統計も比較的良好な内容であったため、11月の送金額も期待できる。なお、ロペスオブラドール大統領は送金額が年間で600億ドルに達するだろうと予想している。(1-10月の合計額は483億ドル)。また、同日に公表された11月メキシコ製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.6となり、3カ月連続で景況改善・悪化の分水嶺となる50を上回った。同指数は6月に52.2まで上昇した後、7-8月にかけて50を割り込む場面も見られたが、足もとでは再び上昇基調に戻りつつある。

 

米労働市場のひっ迫が緩和の兆し:一部には来年の利下げ観測も浮上

11月雇用統計の雇用者数は予想を上回ったが、最新の労働市場の状況を的確に示すとされる世帯調査ベースの雇用は3月から横ばい。23年にインフレは急速に低下し、労働市場のひっ迫が大きく解消された場合、連邦準備制度理事会(FRB)は来年にも利下げを開始することになると指摘する市場関係者も浮上した。FRBのパウエル議長は過剰な利上げを回避するため、利上げ減速する可能性を示唆する一方で、インフレを抑制するために政策金利であるFF金利誘導目標を5%超に引き上げ、従来想定されていた以上にする必要性があると指摘した。現在のところ来年いっぱいは、インフレが2%に回復するまで、この高水準で金利を維持する計画だ。来年に入り、雇用が減少に転じ、経済が急速に冷えた場合は、利下げの可能性も高まることになる。

 

ホリデーシーズンの米小売売上高は微減か:ゴールドマン・サックス

ゴールドマン・サックスは8日付リポートで、ホリデーシーズンにあたる11月と12月の小売売上高について、足元までの民間データなどからコントロールベース(自動車・自動車部品、建材、ガソリン、飲食サービスを除く)で11月は現時点で前月比0.2%減、12月も横ばいと推計した。アドビのオンライン小売業者の調査結果では、ブラックフライデーの週末とサイバーマンデーの名目支出は前年比で4.0%増加にとどまり、2010年代の2桁増ベースと、今年の7~9月期のeコマース(電子商取引)売上高の10.8%増を大きく下回ったことに着目。実店舗で上昇を推し量る上では、米ファイザーのクレジットカード支出と米レッドブックの百貨店データがブラックフライデーの週に支出の伸びが上向きであることを示したものの、11月全体では緩やかな成長にとどまっている点に注目した。アドビのデータやリテールアナリストが、「2021年のホリデーシーズンに家電製品や一部の化粧品・アパレル製品が品薄になったとは対照的に、店舗には『非常に多くの在庫がある』と指摘している」点にも関心を示していた。

 

欧米市場イベント

○16:00   11月ノルウェーCPI(予想:前月比0.1%/前年比7.0%)
○21:00   11月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比6.01%)
○22:30   7-9月期カナダ設備稼働率(予想:82.2%)
○22:30   11月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比7.2%)
       食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比5.9%)
○24:00   10月米卸売売上高(予想:前月比0.3%)
○24:00   12月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:56.9)
○10日01:00   11月ロシアCPI(予想:前月比0.4%)

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