FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:円安や米国先物高が下支え

前日の米国株安が重しとなり100円超安で始まったが、その後はプラス圏に浮上した。前日の株安が重しになった一方、円安が相場を下支えした。また、米国株先物や、中国・香港株の底堅い動きも投資家心理を支援した。ドル/円が136円台後半と、前日の大引け時点の134円台半ばから円安にふれ個別株の反応は異なったが、全体として投資家心理の支えになったとの見方が出ていた。ただ、心理的節目の2万8000円に近づく場面では、個人投資家などの利益確定売りが上値を抑えた。結局、前営業日比65円高の2万7885円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場::FRBの金融引き締めの長期化観測からドル買い

ドル/円は、前日の海外時間に急伸した反動から利益確定などのドル売り・円買いが先行し、136円台半ばから136.30円台付近まで下落した。しかし、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、136.50円台へ値を戻した。仲値発表後は、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの観測から仕掛け的なドル買い・円売りが持ち込まれ、一時137.17円付近まで急上昇した。日経平均株価がマイナス圏からプラス圏へ転じ、リスク回避姿勢が和らいだことも円売りを誘った。ただ、上値では戻り待ちなどのドル売り・円買いも見られ、136円台後半へ緩んだ。午後は、日欧金融政策スタンスの違いを意識したドル買い・円売りが入り、137.00円近辺へじり高となった。ユーロ/ドルは、欧州の景気減速に対する根強い懸念からユーロ売り・ドル買いが持ち込まれ、1.05ドル台前半から1.04ドル台後半へ水準を切り下げた。

 

中国の経済再開がインフレ圧力に拍車をかけてドル高が続く可能性も

ゴールドマン・サックスは5日付リポートで、中国の経済再開に向けた段階的な緩和が想定をを上回る速さで進んだことを踏まえ、『市場や経済にとって経済再開の影響は多くの可能性があるが、1つの明らかな経路は公益条件(または輸入価格に対する輸出価格の比率)への潜在的な影響である』と指摘した。中国の経済再開によって原油や鉄鉱石、銅、天然ガスなど多くのコモディティ(商品)需要が回復する可能性があり、資源高が外国為替(FX)間での差別化要因になり得るとして、G10通貨ではノルウェー・クローネ、豪ドル、カナダドルが最大の受益者になる可能性が高いと見込んだ。コモディティ価格の上昇が世界的なインフレ圧力に拍車をかけることも想定され、『ドル高のサイクルは我々がすでに予想しているよりも長く続く可能性が高い』との見解を示した。

 

中国の江鈴汽車では11月の自動車販売台数は22%減少

中堅商用車メーカーの江鈴汽車は6日、22年11月の自動車販売台数が前年同月比22.4%減の2万3300台だったと発表した。うち、トラックが同61.8%減の3800台、ピックアップトラックが40.5%減の4200台、小型バスが17.4%減の6400台、SUVが74.3%増の8800台となった。生産台数は23.6%減の2万4700台あdった。1-11月累計では、販売台数が前年同期比16.9%減の25万③400台、生産台数が同15.5%減の25万8100台だった。

 

トルコの11月CPIは予想を若干下回る結果:相場の反応は限定的

トルコ統計局が発表した11月トルコ消費者物価指数(CPI)は前年比84%台と予想を若干下回った。なお、前月からの減速は2021年5月以来だったが、80%超えという非常に高い水準であり、結果に対する相場の反応は限られた。気になるところは、トルコからだと黒海の対岸に位置するウクライナとロシアの戦闘激化である。ロシアからウクライナへの大規模なミサイル攻撃が実行された一方、ウクライナ側もドローンで露国内の空軍基地を攻撃したことが報じられた。期待されたトルコの仲介もなかなか機能せず、見通しは不透明なままである。

 

南アの政局不安がランドの重し

先週後半はラマポーザ大統領の辞任は不可避とする論調が優勢だったが、大統領の報道官は『週末は辞任も考えたが、今はその選択肢はない』と発表してることで、南アからの報道も辞任一辺倒ではなくなっている。また、徐々にラマポーザ氏を支持する声も出てきている。ゴドンワナ南ア財務相は『大統領の辞任の確率は10%』と述べ、マンタシェ鉱物資源・エネルギー相は『大統領が辞任すれば、アフリカ民族会議(ANC)と国は混沌としたものになる』と発言している。大統領は調査自体に欠陥があるとして再調査を求めているが、もし、大統領が自らの汚名を晴らすために説得力のある証拠を出すことが出来れば、ランドは買い戻されるだろう。しかし、このまま平行線をたどった場合はANC自体も支持率が下がり、南アの政局不安はランド売りにつながる。来週から始まるANCの総選挙を含め、まだまだ流動的な状況が続くことで、ランドは神経質な動きを見せそうである。

 

8日の11月メキシコCPIに注目:結果次第では利上げペース減速も視野に

メキシコ国内では8日に11月メキシコ消費者物価指数(CPI)が発表予定されている。市場予想では前年比で7.94%の上昇となっており、予想通りであれば5月以来の水準まで伸びが鈍化することになる。利上げペース減速を視野に入れているメキシコ銀行(中央銀行)にとっては歓迎すべき内容だが、ペソ相場に与える影響についても見極める必要がある。

 

米非上場REITの解約制限や商業用不動産価格の下落圧力を強める:KBW

米大手投資ファンドのブラックストーンが1日、非上場の不動産投資信託(REIT)で富裕な個人投資家向け商品『BREIT』について解約を制限する措置を決めたことを株主に通知した。米国の住宅用賃貸物件に焦点を当てているブラックストーン・リアルエステート・インカム・トラスト・ファンドは10月に約18億ドルの解約があり、または月間上限の2%を超える償還要求があったという。投資銀行キーフ・ブルエット・アンド・ウッズ(KBW)は『今回の解約制限は、商業用不動産(CRE)へのより広範について疑問を促すだろう』との見解を示した。リポートでは、米不動産投資会社スターウッド・キャピタルが設定・運用する『SREIT』も同様に解約制限となったことを踏まえ、『相対的な規模、短期的な債務満期の最小化、オフィスでのエクスポージャーの最小化に基づき、即時のシステミック・リスクをもたらすとは考えていない。ブラックストーンとスターウッドは、資産売却、合併事業などを通じて償還を延期または停止し、最終的には償還資金を調達することができると考えている』と指摘した。ただ、投資家の人気を博していた非上場REITによる資産売却は既存のCRE価格の下落圧力を強める一方、市場に買い手としてのBREITやSRERITの不在を感じさせる可能性が高い』とも指摘した。今年、不動産のキャップレート約100bp上昇したと指摘し、『これは資産価値が役10~15%下落したことに相当する』とも指摘した。

 

米国市場では10月貿易収支が公表:予想は-710億ドルの赤字

9月実績は-733億ドルだった。輸出はやや減少したが、輸入額は増加した。財の貿易赤字は拡大している。10月については輸入額がやや減少する可能性があるため、貿易赤字額は9月実績を下回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○16:00   10月独製造業新規受注(予想:前月比0.1%/前年同月比▲4.8%)
○18:30   11月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:52.0)
○18:30   7-9月期南アフリカ国内総生産(GDP、予想:前期比0.7%/前年同期比2.8%)
○22:30   10月カナダ貿易収支(予想:12.0億カナダドルの黒字)
○22:30   10月米貿易収支(予想:800億ドルの赤字)
○24:00   11月カナダIvey購買部協会景気指数
○米ジョージア州で上院決選投票

 

 

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ