FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:材料不足から利益確定売りが重し

日経平均は、前日の米国市場が休場だったことで手掛かり材料を欠く中、週末のうえ、前日までの上昇の反動もあって利益確定売りが重しになった。寄り付きは小高く始まった後、短時間でマイナスに沈み、小安い水準でのもみ合いになった。市場では、材料不足で利益確定売りに押されたが、米国金利上昇やインフレの懸念が後退した環境下で戻りを試す流れは変わっていない。主力銘柄には押し目買いが入り、底堅さもあった。

 

東京外国為替市場:米長期金利低下がドルの重し

米国の利上げペースが鈍化するとの観測が強まり、対ドルでの円の売り持ち高を解消する動きが続いた。日本時間25日午後の取引で米長期金利が3.65%台と感謝祭の祝日前の23日(3.69%)に比べて低下しており、これも円相場の支えとなった。

 

中国コロナ新規感染者2020年4月以降で過去最多:経済への打撃が深刻化

中国の国家衛生健康委員会は24日、中国本土で23日に確認された新型コロナウイルスの新規感染者(入国者除く、無症状含む)が3万1444人と発表、データを比較できる2020年4月以降で過去最多となった。これまでは22年4月13日の2万9317人が過去最多だった。変異型ウイルス『オミクロン型』の流行で3月以降に感染者が急増し4月は1日2万人台で推移し、6月に数十人まで減ったが、夏以降に再び増加、ここに来て広東省や重慶市など広範囲で感染が拡大している。感染者が広がった各都市は事実上のロックダウン(都市封鎖)や移動制限を実施、中国政府は厳しいゼロコロナ政策を堅持する方針で、経済への打撃が深刻化している。

 

独7-9月期国内総生産(GDP、改定値)が公表:予想は前年比+1.2%

新型コロナ対策の行動規制が段階的に緩和されたことによって、個人消費の回復が経済成長をけん引した。ただ、ロシアが天然ガス供給を削減しており、今冬の生産を相当に縮小すると予想されることから、10-12月期の国内経済は減速する見込み。

 

トルコ中銀は大統領が望んでいた一桁金利を達成

トルコ中銀は昨日、市場の予想通りに政策金利を10.50%から9.00%まで引き下げた。決定理由として、世界経済成長の不確実性や地政学的リスクの高まりのなか、鉱工業生産のモメンタムや雇用の増加基調を保つため、供給や投資の向上維持を支える必要があるからとしている。また中銀は、前会合で示唆していた『8月に開始した利下げサイクルの終了』を決定した。リラ相場は発表直後に買いで反応する場面もあったが、直ぐに押し戻された。トルコ中銀による利下げは一先ず打ち止めとされたが、どうも市場は完全に信じ切っていないようである。エルドアン大統領が以前、自身が大統領でいる限り金利は下がり続けると叫んでいたからである。今年あと1会合を残しているにもかかわらず、大統領が望んでいた一桁金利を達成したことも、何かしらの思惑があるのかもしれない。

 

南アではリセッション入りする可能性が高まっている

注目された南アフリカ(SARB)の金融政策委員会(MPC)では3名が0.75%の利上げ、2名が0.50%の利上げを支持した。また、今年の経済成長率を前回発表の+1.9%から+1.8%に下方修正、2023年は+1.1%、2024年は+1.4%、2025年は+1.5%との見解を示した。一方で2023年のコアインフレ率を前回予想の+5.4%から+5.5%に上方修正している。比較的楽観予想が多いSARBだが、それでも経済成長が予想より伸びず、インフレ高進の予想になっていることは、南アが本格的にリセッション入りする可能性が高まっているともいえる。また、今年の第4四半期のGDPは+0.1%予想としているが、低調な予想の主な要因を電力の負荷制限の継続としている。電力問題も解決の道筋が見えないことを考えると、更に経済停滞の可能性もある。

 

メキシコでは10月経済成長率はパンデミック前の水準を回復

メキシコの10月経済成長率は速報値で5%の伸びとなり、パンデミック前(2020年1月)の水準をほぼ回復したことが明らかになった。一方で、前月比ベースの伸びはわずか0.1%となっており、過去4カ月で最低の伸び率になった。先行きについての懸念も残る状況となっている。内訳をみると、第二次産業が3.5%、第三次産業が5.6%の成長となり、成長をけん引した。なお、第一次産業の速報値は発表されていない。今後についてメキシコ財務省は今年の成長率を2.4%、2023年の成長率を3%とそれぞれ予測しているが、一部では世界経済(主に経済関係の深い米国経済)の減速の影響で、2023年成長率は3%を大きく下回るのではとの見方も広がっており、今後の成長率の推移が注目される。

 

欧米市場イベント

○16:00   12月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲39.6)
○16:00   7-9月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整済、予想:前期比0.3%/前年同期比1.2%)
○16:00   7-9月期独GDP改定値(季節調整前、予想:前年同期比1.1%)
○16:30   ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○16:45   11月仏消費者信頼感指数(予想:83)
○21:00   7-9月期メキシコGDP確定値(予想:前期比0.9%/前年比4.1%)
○23:15   ビスコ伊中銀総裁、講演
○感謝祭翌日で米債券・株式・商品市場は短縮取引

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ