★日経平均株価:米利上げペースの減速期待が下支え
前日の米国株市場は主要3指数がそろって下落した。ナスダック総合指数は、1.12%安と軟調だった。日本株は米国株安の流れを引き継いで、小安く始まった。先週末に大幅上昇した主力銘柄を中心に売りが出た一方、決算を手掛かりに個別物色も見られた。強弱材料が混在する中、日経平均は方向感のない展開となった。ただ、米利上げペースの減速期待は根強く次第に買いが優勢になった。中国のゼロコロナ政策の修正観測も相場の下支えとなった。結局、前営業日比26円高の2万7990円と小幅反発して終了した。
★東京外国為替市場:利益確定や戻り待ちのドル売りで140円台前半もみ合い
ドル/円は、日米金融政策の違いはスタンスを意識したドル買い・円売りが先行し、一時140.50円付近へじり高となった。本日は五・十日にあたり、仲値にかけて本邦輸入勢のドル買い・円売りが通常より多く観測された。午後は、米長期金利上昇を眺めたドル買いが入り、140.62円付近まで値を上げた。ただ、前日にブレイナード米FRB副議長が利上げペースの減速に言及していることもあり、ドル買いは続かなかった。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、やや値を下げて140.30円台を中心とする狭いレンジでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、この後参入してくる欧州勢の動向を見極めたいとの雰囲気から、1.03ドル台前半で方向感に乏しい値動きが続いた。
★年末のドル需要や米国勢の本国送金などがドル下支え
為替相場ではドル独歩高が過熱調整などでドル反落に転じているが、年末にかけてはドル転需要やドル調達の需要が『ドル押し目買い材料』として注視される。例年、12月にかけては米国の多国籍企業や輸出企業などから、年末決算に向けた海外売上の本国送金が増加しやすい(リパトリエーションのドル買い)。同時に米国以外の金融機関からは、年越えの資金決済などに備えたドル調達需要が増加する傾向にある。今年も年末にかけてはドル下支えのみならず、ドル高再開の潜在要因として注視される。
★成長抑制する引き締めには正当な根拠必要:バネッタECB理事
欧州中央銀行(ECB)のパネッタ専務理事は14日、ECBは利上げを継続しなければならないが、過度な引き締めは生産能力を破壊しリセッションを深刻化させる可能性があり、避ける必要があると述べた。ECBは7月以降、合計2%ポイントの利上げを実施。市場は12月に0.5%か0.75%の利上げを予想している。パネッタ氏は講演で『需要を過剰かつ持続的に圧縮すれば、生産を恒久的にトレンドを下回る水準に押し下げるリスクに直面することになる』と指摘した。『インフレ期待が安定している限り、金融政策は調整はしても過剰反応すべきではない。需給の勢いに不確実性があることから、どの程度の調整が必要かについて慎重であり続ける必要がある』と述べた。
パネッタ氏は、ECBの措置が経済に波及するには一定の時間が必要だと指摘。一連の利上げは2024年まで毎年成長率を1%押し下げる見込みで早すぎる措置にならないよう警告を発した。
★トルコのテロでは金融市場への影響は極めて限定的
13日トルコ夕刻にイスタンブール中心部で起きた爆破事件は、同国政府がクルド系武装勢力によるテロと断定した。すでに政府は昨日、40人以上の関係者を拘束している。爆弾を置いて現場を離れたのは女性であり、トルコでは非合法の分離主義組織『クルド労働者党(PKK)』の工作員と言われている。昨日のイスタンブール株式市場の主要指数は2%超上昇しており、テロのトルコ金融市場への影響は極めて限定的だった。もっとも来年には大統領・議会選を控えるなか、今後も13日のような事件が増える可能性を懸念する声もある。もし、トルコで再びテロが起きてしまえば、トルコの主要産業の1つである観光業が打撃を受けてしまう。政府としてもそれは避けたいはずであり、国内の取り締まりが今まで以上に厳しくなることが予想される。
★ドルは今四半期がピークのため現金保有やめよ:モルガン・スタンレー
ドルはピークに達し、2023年はインフレ緩和期待で米国債利回り低下とともに下落するとモルガン・スタンレーが予想した。現金を保有するのをやめることを投資家に勧めた。モルガン・スタンレーのアナリストはリポートで、『ドルは上昇の最後の局面にある。今四半期がピークとなるはずだ。23年を通じて下落するだろう』と予想した。米連邦準備制度の引き締めを巡る不透明が弱まることで、ドルはピークを付けると予想されている。モルガン・スタンレーによると、米当局は来年1月に最後の利上げを実施し、10-12月(第4四半期)には利下げに転じる見通し。欧州中央銀行(ECB)の利上げは来年3月が最後になるだろうという。ドル・円は既にピークを過ぎた公算が大きいとモルガン・スタンレーは見込み、年末は1ドル=140円で終了すると予想。米国の実質金利低下と日本銀行のイールドカーブコントロール(YCC)の枠組み変更がドル上昇を抑えるとみている。
★アマゾンが数千人規模で人員削減へ:米WSJ
米ウォールストリート・ジャーナル紙は、アマゾンが人員削減へ、 デバイス部門など数千人規模、と伝えた。米ネット通販大手アマゾン・ドット・コムが数千人規模の人員削減に踏み切る見通しであることが、関係者の話で明らかになった。同社はアンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)主導で幅広いコスト見直しを進めている。人員削減は早ければ今週実施される可能性があり、対象となるのは主に音声アシスト製品『アレクサ』などのデバイス部門や人事、小売り部門だという。小売り部門は今年、オンラインの売り上げが伸び悩んでいる。別の関係者によると、アマゾンはこれとは別に、採用関連の契約社員の削減をすでに始めており、数週間前から突然の契約終了を言い渡していた。今回削減の対象となるのはフルタイムの社員だという。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先週、アマゾンがデバイス部門を中心に幅広いコスト見直しに着手していると報じた。同部門はここ数年、年間50億ドル(約7000億円)の赤字を出している。
★欧米市場イベント
○16:00 10月独卸売物価指数(WPI)
○16:00 10月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○16:00 7-9月英失業率(ILO方式、予想:3.5%)
○16:00 10月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比11.1%)
コア指数(予想:前月比0.2%/前年比9.6%)
○16:45 10月仏CPI改定値(予想:前月比1.0%/前年比6.2%)
○19:00 11月独ZEW景況感指数(予想:▲50.0)
○19:00 11月ユーロ圏ZEW景況感指数
○19:00 7-9月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.2%/前年比2.1%)
○19:00 9月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済420億ユーロの赤字)
○22:30 9月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲0.5%)
○22:30 9月カナダ卸売売上高(予想:前月比▲0.2%)
○22:30 11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:▲5.0)
○22:30 10月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比8.3%)
食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比7.2%)
○23:00 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○24:00 バー米連邦準備理事会(FRB)副議長(銀行監督担当)、発言
○16日02:30 エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○20カ国・地域(G20)首脳会議(バリ島、16日まで)
○ブラジル(共和制宣言記念日)、休場
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