FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米CPI鈍化を受けて米国株高となった流れを引き継いだ

米インフレの伸び鈍化を示す消費者物価指数(CPI)の発表を受けて米国株高となった流れを引き継いで買いが先行し、心理的節目2万8000円を9月14日以来2カ月ぶりに回復した。米長期金利の低下を受けて値がさの半導体関連や電子部品といったハイテク株、グロース(成長)株が大幅に上昇し、指数をけん引した。ドル安・円高となる中でも、自動車などの輸出関連株は堅調な推移となった。米CPIが市場予想を下回ったことでインフレに対する過度な警戒感が和らいだ一方、単月のCPIだけでは判断できないとの慎重な見方も根強く、株式はどんどん上値を追う様子ではないとの声が聞かれた。結局、前営業日比817円高の2万8263円と3日ぶりに大幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:ドルの売買交錯でも米金利先高観後退でドルの重し

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の大幅高に支えられ、141円台半ばから一時142.48円付近まで上昇した。前日のNY時間に約2ヵ月ぶりの安値140.20円を付けた反動で、利益確定のドル買い・円売りが入りやすい面もあった。ただ、米FRBの利上げペースが鈍化するとの観測が高まっているため、積極的な上値追いは手控えられた。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、やや値を下げて142.00円を挟んでもみ合いとなった。午後は、週末を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、141.35円付近へ下落した。前日に発表された10月米CPIが予想を下回り、米金利先高観が後退していることもドルの重しとなった。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、値を切り返して141.60円前後で取引された。ユーロ/ドルは、FRBが利上げペースを緩めるとの思惑からドル売りが優勢となり1.0220ドル台へ上昇した。

 

米中首脳は14日にバリ島で会談

バイデン米大統領は中国の習近平国家主席と14日にインドネシアのバリ島で会談する。ジャンピエール米大統領報道官が10日に明らかにした。両首脳は両国間の意思疎通を維持し、深化するための努力を話し合うとした。『責任を持って競争し、特に国際社会に影響するような国境をまたぐ課題について、利害の一致する部分で協力していく。両首脳は地域と世界のさまざまな問題も議論する』とジャンピエール報道官は述べた。米国と中国の首脳が対面で会談するのは2019年6月以来3年5ヵ月ぶり。

 

10月の新車販売台数は7%増:中国汽車工業協会

中国汽車工業協会(CAAM)は10日、2022年10月の新車販売台数が前年同月比6.9%増の250万5000台だったと発表した。前月比では4%減少した。新エネルギー車の販売ダ台数は前年同月比81.7%増の71万4000台となり、過去最高を更新したと『信報』が伝えた。1-10月累計の新車販売台数は前年同期比4.6%増の2197万台。新エネルギー車の販売台数は2.1倍の528万台だった。

 

トルコ経常収支と鉱工業生産に注目:追加利下げの理由になる可能性も

欧州序盤には9月のトルコ経常収支と鉱工業生産が発表される。経常収支は前回から赤字幅がやや縮小する見込みであるが、エルドアン大統領が声高に叫んでいた改善には程遠い状況である。また、鉱工業生産は前月比で再びマイナスに沈むことが予想されており、トルコ中銀が追加利下げを実施する理由とされるかもしれない。

・16:00 9月トルコ経常収支(予想 28.5億ドルの赤字)
・16:00 9月トルコ鉱工業生産(予想 前月比0.2%減)

 

南アランドは国内事情よりも米国債利回り動向の影響が大きい

南アからは公務員組合がストライキに入ったことや、ゴドンワナ南ア財務相が貧困層の救済の必要性について言及したことなど、通常であればランド相場に影響を与えるニュース等が流れている。しかしながら、昨日の米CPIの動きがあまりにも激しかったことで、本日も米国債利回りの動向がランド相場に与える影響が一番大きくなりそうである。

 

メキシコの1-10月国内新規雇用は過去2番目の多さを記録

メキシコの社会保障研究所(IMSS)が発表した最新のレポートによると、1月から10月までの国内での新規雇用者数が約100万人と2000年の統計開始以来、過去2番目の多さとなった。(なお、過去最高は2017年の170万人とのこと)直近10月のデータを見ると、メキシコシティを中心としたメキシコ州、そしてハリスコ州で記録的な増加を見せたほか、タバスコ州は前年比では+13.7%と大きく改善し、キンタナ・ロー州も前年比で+11.2%と好調だった。また、新規雇用のうち、86.4%が正社員であったということが今後のメキシコ労働市場にとっては明るいニュースになっている。

 

米財務省為替報告書では操作国の認定無し:日本の介入を擁護

米財務省は半年に一度の為替報告書を公表した。為替操作国の認定はない。中国に対しては透明性が欠如していると警告した。また、『円安はエネルギー価格上昇を貿易赤字の拡大による交易条件悪化も反映』とし、日本当局の24年ぶり円買い介入に関しては、『為替は市場で決定すべき、とのG7声明公約を受け入れている』と擁護した。

 

米10月CPI予想以上の鈍化でFRBの利上げ減速観測

米10月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.4%と、伸びは拡大観測に反し9月と同水準を維持した。前年比では+7.7%と、9月+8.2%から予想以上に伸びが縮小し1月来で最小の伸びとなった。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注目している変動の激しい燃料や食品を除いたコア指数は前月比+0.3%。伸びは9月+0.6%から予想以上に鈍化し7月来で最小。前年比でも+6.3%と、9月+6.6%から予想以上に鈍化した。同時刻に発表された先週分新規失業保険申請件数(11/5)は前週比7000件増の+22.5万件と予想上回り1カ月ぶり高水準。失業保険継続受給者数(10/29)は149.3万人と、前回148.7万人から予想以上に増加、3月末以来で最高となった。CPIが予想以上に鈍化したほか新規失業保険申請件数の増加でFRBの利上げ減速観測が強まった。

 

欧米市場イベント

○16:00   10月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.9%/前年比10.4%)
○16:00   9月英国内総生産(GDP、予想:前月比▲0.4%)
○16:00   7-9月期英GDP速報値(予想:前期比▲0.5%/前年比2.1%)
○16:00   9月英鉱工業生産(予想:前月比▲0.2%/前年比▲4.3%)
○16:00   9月英製造業生産高(予想:前月比▲0.4%)
○16:00   9月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:187.50億ポンドの赤字/70.00億ポンドの赤字)
○16:00   9月トルコ経常収支(予想:28.5億ドルの赤字)
○16:00   9月トルコ鉱工業生産(予想:前月比▲0.2%)
○17:30   7-9月期香港GDP確定値(予想:前期比▲2.6%/前年同期比▲4.5%)
18:00   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○20:00   ハスケル英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○21:00   9月インド鉱工業生産(予想:前年同月比2.0%)
○21:00   9月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比0.1%)
○21:00   パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○21:00   デギンドスECB副総裁、講演
○22:10   テンレイロ英MPC委員、講演
○24:00   11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:59.5)
○12日01:00   レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○12日01:00   デコス・スペイン中銀総裁、センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○12日02:30   ナーゲル独連銀総裁、講演
○米国(ベテランズデー)、債券市場が休場
○ポーランド(独立記念日)、カナダ(リメンバランス・デー)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ