FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:前日米国株に連れた売り優勢に

前日の米国株市場では主要3指数がそろって下落した。この流れを引き継いで、軟調にスタートとした。指数寄与度の大きいハイテク株や半導体関連株で売りが先行し、相場を押し下げた。物色動向としては、決算を手掛かりにした売り買いが活発になったほか、内需株の一角が底堅く推移した。結局、前営業日比270円安の2万7466円と続落して終了した。11月第1週(31日~4日)の投資部門別株式売買動向によると、海外投資家(外国人)は3904億円買い越した。買い越しは2週連続となった。個人投資家は931億円の売り越しとなり、売り越しは2週連続となった。信託銀行は98億円売り越しとなり、売り越しは6週ぶりになった。

 

東京外国為替市場:リスク回避の動きから146円台前半でもみ合い

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、146.40円付近まで上昇した。しかし、米FRBの利上げベースが鈍化するとの観測が高まっているため、積極的な上値追いは見られなかった。その後は、日経平均株価のさえない動きやアジア株安がリスク回避の円買いを誘い、やや値を下げて146.20円前後でもみ合いとなった。午後は、米長期金利低下を眺めたドル売りに押され、146.05円付近へ値を下げた。しかし、日米金融政策の違いが意識され、下値を追う動きは限られた。その後は、日経平均株価を睨みながら、146.10円台を中心とする狭いレンジで取引された。今晩発表される10月米消費者物価指数(CPI)のイベントを前に、様子見ムードが広がっている。ユーロ/ドルは、米長期金利が低下したことでユーロ買い・ドル売り要因となり、1.004ドル付近へ値を上げた。

 

国際金融市場の安定がトルコリラ暴落に至らない一因

トルコは外部環境、政策運営の双方で課題が山積しているが、国際金融市場の安定はリラ暴落に至らない一因となっている。他方、過去数年のリラ安を受けて外貨準備は国際金融市場の動揺への耐性が極めて低い状況は変わっていない。IMF(国際通貨基金)が先月派遣した4条協議ミッションは中銀の独立性強化策と早期の利上げ実施を提言したが、トルコ政府はこれをスルーするであろう。ただし、世界経済はスタグフレーションが意識されるなかで国際金融市場の動揺は影響が深刻化する懸念もあり、今後のトルコの行方には要注意である。

 

南アでは今日からPSAのストライキ

国外要因での動きが中心となっているランド相場だが、公務員協会 (PSA) が本日から23万5千人のストライキを行う予定になっている。計画されているストライキは、特に内務省、運輸省、南アフリカの国境管理に打撃を与えることになる。政府は3%の賃上げを提案し、PSAは6%の賃上げを要求している。どのような決着がつくかは分からないが、ストライキが長引くほど南ア経済には痛手となる。

 

米当局が仮想通貨大手のFTXを調査:米WSJ

米証券取引委員会(SEC)と米司法省が暗号資産(仮想通貨)交換業大手のFTXトレーディングを調査している。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)電子版が報じた。報道によると、SECはFTXが取り扱う仮想通貨などが有価証券に該当する可能性があるとして同社の米子会社の調査を数か月間続けてきた。調査拡大の一環として親会社との関係についてより多くの文書を求めて同社の弁護士に連絡を取っているほか、FTXのサム・バンクマン・フリード最高経営責任者(CEO)が操業した投資会社アラメダ・リサーチとの関係についても情報を求めているという。FTXは財務悪化を背景に支援要請を申し出ていた。8日は同業のバイナンスがFTXの米国以外の事業を救済買収する方針を示していたが、『手に負えない問題』として9日には計画撤回を明らかにしていた。

 

米住宅ローン申請件数は7週連続減少:ローン金利は7.14%へ上昇

米抵当銀行協会(MBA)が9日に発表した11月4日に終わる週の米住宅ローン申請件数を示す総合指数は前週比で0.1%減少した。小幅ながらも7週連続でマイナスとなった。借り換え指数は前週比で4%減少し、前年比では87%低下した。新規購入向けの指数は前週から1%上昇したが、前年比では41%低下した。30年固定の住宅ローン金利は前週の7.06%から7.14%に上昇し、前々週の7.16%に迫った。MBAは『米連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続のニュースを受けて住宅ローン金利が急上昇した。30年固定の金利は3週間連続で7%を超えた。新規購入向けの申し込みは6週間にわたる減少の後、初めて増加したものの、2015年の最低水準に近いままである。住宅購入者は金利上昇と経済の不確実性で様子見気分を強めている』と指摘した。

 

インフレとの戦いは景気減速につながる可能性:リッチモンド連銀総裁

バーキン米リッチモンド連銀総裁は、貯蓄率の高止まりやひっ迫感が続く労働市場、供給面の問題が残る中、インフレ抑制に向けた戦いは『景気減速につながるかも知れない』と述べた。ただ、インフレの最悪期は過ぎ去った可能性があるとの見解を示した。バーキン総裁は講演で『需要を鎮静化させ、インフレ率は目標の2%に戻すためのわれわれの政策にはタイムラグがあり、現在の環境下である様々な要素が課題となっている』と指摘した。『その結果、正常な状態に戻すことが景気後退につながるかもしれない』とした。それでもバーキン総裁は、インフレが一段と高進すればさらに悪い結果をもたらすと警告した。『景気悪化を恐れて手を引けば、インフレはさらに高くなり、一段の抑制策が必要になる。米FRBは地雷が勝手に収束するのを待っているわけではない』とした。

 

米国市場では10月消費者物価コア指数を公表:予想は前年比6.5%上昇

9月実績は前年比+6.6%で8月実績を上回った。中古車価格、住居費の上昇率の高止まりなどの影響があった。10月については、住居費の上昇、医療、輸送サービス価格の上昇が続いており、インフレ率は9月実績と同水準となる可能性がある。

 

欧米市場イベント

○16:00   9月トルコ失業率
○16:00   10月ノルウェーCPI(予想:前月比▲0.2%/前年比7.1%)
○16:00   ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○20:30   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○21:00   10月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比6.34%)
○22:00   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、カジミール・スロバキア中銀総裁、バスレ・スロベニア中銀総裁、講演
○22:00   ラムスデン・イングランド銀行(英中銀、BOE)副総裁、講演
○22:30   10月米CPI(予想:前月比0.6%/前年比8.0%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.5%/前年比6.5%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.0万件/147.5万人)
○22:30   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○23:35   ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○11日01:00   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○11日02:30   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○11日03:00   米財務省、30年債入札
○11日03:30   ジョージ米カンザスシティ連銀総裁、講演
○11日04:00   10月米月次財政収支(予想:900億ドルの赤字)
○11日04:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:10.00%に引き上げ)

 

 

 

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