FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価は重要イベントを控え様子見姿勢から上値の重い展開

米中間選挙の結果や、10日の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて様子見姿勢が強まり、方向感を欠いた。前日の米国株高を好感する形で小高く始まった後は、前日の終値を挟んだ値動きとなった。約2ヵ月ぶりの高値水準にあり、心理的節目2万8000円に近付く場面では利益確定売りが上値を抑えた。結局、前営業日比155円安の2万7716円と反落して終了した。信用評価損益率は4日申し込み時点でマイナス10.62%と、前の週のマイナス10.7%からマイナス幅が0.08ポイント縮小した。改善は3週連続となる。

 

東京外国為替市場:値ごろ感からドルが買われ145円台後半へじり高

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ145.85円付近へ上昇した。米長期金利が上昇したことも、ドルの買い戻しにつながった。ただ、現在行われている米中間選挙の開票結果を見極めたいとの雰囲気もあり、上値を追う動きは限られた。その後は、日経平均株価の伸び悩みを眺めたドル売り・円買いに押され、145円台半ばを中心に取引された。正午にかけてドル売り・円買いが強まり、145.18円付近まで下落した。ただ、心理的節目の145.00円が視界に入りすると、下げ幅一服した。午後は、値ごろ感からドルを買い戻す動き見られ、145.80円付近へじり高となった。ただ、明日発表される10月米消費者物価指数(CPI)のイベントを前に、積極的な上値追いは手控えられている。ユーロ/ドルは、利益確定や持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いが一巡すると、1.0070ドルを挟んで方向感に欠ける値動きとなった。

 

年度上期の経常黒字が8年ぶり低水準:貿易赤字を補えず

財務省が発表した国際収支状況速報によると、2022年4月から9月までの年度上期の経常収支は4兆8458億円の黒字だった。貿易収支の赤字が膨らみ、年度上期の経常黒字額としては14年以来8年ぶりの低水準となった。前年同期から黒字が6兆8627億円減った。経常収支のうち、貿易収支が9兆2334億円の赤字となったほか、サービス収支も3兆1639億円の赤いといずれも振るわなかった。年度上期の経常黒字額としては20年度の5兆6330億円を下回り、14年度の2兆8163億円以来の水準となる。海外との都市のやり取りを示す第1次所得収支では、18兆2332億円の黒字を稼いだ。

 

独賢人委員の23年成長率は政府予測より軽微

ドイツ政府経済諮問委員会(5賢人委員会)が来年のドイツ経済は政府の現時点での予測ほど深刻なリセッション(景気後退)には陥らないとの見通しを示すことが8日、関係筋の話で分かった。諮問委は9日に年次報告を公表する。関係筋によると、諮問委は2023年のドイツの経済成長率はマイナス0.2%と、政府公式予測のマイナス0.4%ほど悪化しないとの見方を示す。22年の成長率についてはプラス1.7%と、政府予測のプラス1.4%を上回るとみている。インフレ率の平均は22年は8%とし、23年は異例の物価上昇に見舞われると予想した。消費者の購買力が物価上昇の影響を受けることがリセッションの要因になると警告する。

 

ECBの量的引き締めは来年中に確実に開始:ECB副総裁

欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は、量的引き締めを来年中に確実に開始すると発言、インフレをECBの物価安定の定義に沿う水準に戻すため、利上げを続けると述べた。8日公表された米政治サイト『ポリティコ』とのインタビューで『(量的引き締めは)金利正常化のプロセスと重なる可能性も重ならない可能性もあるが、その性格とタイミングについては12月に議論する』とし、非常に用心深く慎重に進めると述べた。

 

トルコとロシアの接近は西側諸国の警戒感を強める

一昨日ニューヨーク午後の『ドル買いリラ売り』は、14億ドル相当のドル建てトルコ国債発行に関する一部報道がきっかけだった。報道ではドイツの機関投資家による『トルコ国債は高利回り国債のなかでも最も流動性が高く、比較的容易に取引できる』という話も紹介されており、需要増への期待が先行したのかもしれない。なお、トルコのエネルギー相は昨日、中東オマーンとガス取引を開始することができると述べ、供給先の拡大に努めていることを訴えた。また、今後数カ月のうちにロシアとの天然ガス取引の一部をルーブルで支払うようになることも明らかにしている。トルコとロシアの接近は、西側諸国のトルコに対する警戒感を強めることになってしまう。

 

メキシコの消費者物価指数に注目

本日は最新のメキシコ消費者物価指数(CPI)が発表されるため、それを待ってブレイクするのか、それともその前に仕掛け的な動きがみられるのかは不明でありながらも、下押しはしっかりと拾っていくスタンスを堅持している市場参加者は多いとのことである。

 

欧米市場イベント

○17:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○19:00   エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:7.00%に引き上げ)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   9月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比1.4%)
○21:00   10月メキシコCPI(予想:前年比8.46%)
○22:00   ハスケル英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○24:00   9月米卸売売上高(予想:前月比0.5%)
○10日00:30   EIA週間在庫統計
○10日01:00   10月ロシアCPI(予想:前月比0.3%)
○10日01:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○10日01:30   カンリフ英中銀(BOE)副総裁、講演
○10日03:00   米財務省、10年債入札

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ