★日経平均株価:FOMCを控えて持ち高調整主体の値動き
米国株安を嫌気して売りが先行した後は、前日終値を挟んだ一進一退となった。ソニーグループが大幅高になるなど決算を材料にした個別物色がみられたほかは、米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にした持ち高調整主体の値動きとなった。好決算銘柄には買いが集まり、日経平均は小幅高で推移する場面も目立った。結局、前営業日比15円安の2万7663円と小幅反落して終了した。信用評価損益率は10月28日申し込み時点でマイナス10.7%と、前の週のマイナス11.04%からマイナス幅が0.34ポイント縮小した。改善は2週連続となった。
★東京外国為替市場:米長期金利低下でドル売り戻しで147円台半ばで推移
ドル/円は、オセアニア市場で米FOMCのイベントを前に、利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いに押され、148円台前半から147円台後半へ水準を切り下げた。北朝鮮の弾道ミサイル発射で、リスク回避姿勢が強まったことも円買いを誘った。東京市場では、米長期金利が低下すると、さらにドル売り・円買いが進んで一時147.17円付近まで下落した。黒田日銀総裁が衆議院財務金融委員会に出席し、『物価目標を実現する状況になれば、YCC(イールドカーブコントロール)の柔軟化も選択肢となる』との見解を示したことも円買いにつながった。ただ、下値では値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、値を切り返して147.30円を挟んでもみ合いとなった。午後は、日米金融政策の違いを意識したドル買い・円売りが入り、147.70円付近へ値を持ち直した。ただ、鈴木財務相が『為替介入が必要な場合、私どもの判断で瞬時に対応する』と発言したことからドル買い・円売りは続かず、やや値を下げて147円台半ばを中心に取引された。FOMCの結果発表やパウエルFRB議長の記者会見を前に、様子見ムードが広がっている。ユーロ/ドルは、0.98ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。
★顧客が米国株を8週ぶりに売り越し:BofAセキュリティーズ
BofAセキュリティーズの1日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は10月24日~28日の1週間に米国株を10億6500万ドル売り越した。8週間ぶりに売り越しとなった。この週はNYダウが6日続伸して上げ幅が2500ドル強上昇して終えたが、S&P500種株価指数は週間で3.95%高となって続伸した時だった。主体別動向ではヘッジファンド(HF)が6億1600万ドルの2週買い越しが続いた。機関投資家は26億7600万ドルの売り越しで、2週続けて売り越しだった。個人投資家は7億3500万ドルの売り越しで、5週ぶりの売り越し。企業の自社株買いは24億3300万ドルで、直前の2週間からペースは鈍化したものの、9月まで大幅に下げたことで割安感から例年の季節的傾向を上回る高水準で推移している。傾向としては顧客は4週連続で大型株を買い越した一方、中小型の売り越しが目立った。セクター別ではハイテクとコミュニケーションサービスがそれぞれ6週、9週ぶりに買い越しとなり、他のセクターは全て売り越しだった。
★トルコ製造業PMIはロックダウン以来の低水準
昨日発表されたトルコ製造業PMIは、新型コロナウイルス抑制のためにロックダウンが実施されていた5月以来の低い水準だった。海外需要が鈍化しているため国内生産がさえず、雇用なども縮小し、PMIの低迷に繋がっている。通貨安だけでなく、エネルギーや原材料価格の高止まりによるコスト増も企業マインドを悪化させており、ここから浮上するには時間がかかりそうである。なお、トルコメディアによれば中銀は先日、市中の金融機関に対して、営業時間外に外国の銀行と外為取引を行わないよう警告した。問題が続くようだと『必要な措置を取る』としており、リラの流出を止めるため当局はかなり必死なようである。
★南アではインフレに対する懸念は強いまま
昨日クガニャゴ南アフリカ準備銀行(SARB)総裁は、ヨハネスブルグでの昼食会で記者団に『南アフのインフレ率は第3四半期にピークに達した可能性が高いが、通貨当局が物価の伸びを抑える戦いで勝利を宣言するには、中央銀行の目標範囲の中間点に近づく必要がある』と述べている。南アのインフレ率は7月に13年以上ぶりの高水準に加速し、前年比7.8%に達した。それ以後、年率は2カ月連続で低下しているが、金融政策委員会(MPC)の3%から6%の目標範囲の中間点をはるかに上回っている。また、今月の南アの基準エネルギー価格が上昇に転じるなど、まだインフレに対する懸念は強いままである。クガニャゴSARB総裁の思惑通りに、今後インフレが低下するのかが注目される。
★数か月間で求人数が減少していることを示唆:ゴールドマン
1日に発表された9月の米雇用動態調査(JOLTS)で非農業部門の求人件数が1071万7000人となり、市場予想(980万件)を上回ったことで米FRBの金融引き締めが警戒されている。ゴールドマン・サックスは1日付のリポートで『JOLTSの求人数は依然として不安定で、求人数の水準はオルタナティブデータが示す求人数の水準を大きく下回る水準から大きく上回る水準へと変化しており、ここ数カ月で求人数が着実に減少していることを示している』との見解を示した。リポートでは、労働市場は安定したベースでリバランスを続けている可能性が高いとしながら、『8月のデータによって誇張された可能性が高いものの、9月の数字によって進捗は控えめになっている可能性がある』とし、8月に89万人減の1028万人になった後に求人数が増加に転じたものの、基調としては減少傾向にあるもみていた。
★米中間選挙で共和党が勝利する確率は上院:60%、下院:90%:ユーラシア
11月8日の米中間選挙を控える中、ユーラシアグループは1日付のリポートで『いくつかの重要な選挙戦が共和党有利になっており、中間選挙で共和党が上院の多数派を獲得する可能性が高まっている。共和党が上院で勝利する確率は55%⇒60%に上昇した』との見解を示した。リポートでは、共和党が下院を制する確率は90%としながら、『共和党はトップイシューの世論調査でも優位に立っている。弱い新人候補はその(共和党優位の)環境の恩恵を受けている』と指摘した。共和党が上院議員の選挙でネバダ州で勝利した場合、共和党はペンシルベニア州、ジョージア州、アリゾナ州のいずれかで勝利するだけで過半数を獲得できるといい、最大54議席を獲得する可能性があるという。ウィスコンシン州、オハイオ州、ノースカロライナ州で民主党に競争力があることを踏まえつつ、最終的には共和党が51~53議席を獲得する可能性があるとみていた。
★米FOMCでは75bpの利上げ決定へ:12月の利上げ幅巡る議長発言に注目
米FRBは2日、米FOMCの結果を発表する。4会合連続で通常の3倍にあたる75bpの利上げを決め、政策金利を3.75~4.00%に引き上げる見通しである。市場の関心は会合後のパウエル議長の記者会見にある。12月以降の利上げペース減速を示唆する発言があるかどうかが焦点になる。今回の会合では、委員らの政策金利見通し(ドットプロット)が公表されないため、パウエル議長の会見内容や声明の文言などから政策の行方を探ることになる。議長は過去2回のFOMC後の会見で『どこかの時点で利上げペースを落とすのが適切になる可能性がある』と述べてきた。モルガン・スタンレーは『米金融政策は一段と引き締め的な領域を進んでおり、今回は利上げ減速の可能性についてより明確に言及するだろう』と予想する。デイリー総裁に加え、ブレイナード副議長も経済の軟着陸に向けて利上げを慎重に進める可能性を示唆しており、こうした発言にも沿う内容となるとみる。
★欧米市場イベント
○16:00 9月独貿易収支(予想:7億ユーロの黒字)
○17:50 10月仏製造業PMI改定値(予想:47.4)
○17:55 10月独製造業PMI改定値(予想:45.7)
○17:55 10月独雇用統計(予想:失業率5.5%/失業者数変化1.50万人)
○18:00 マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
○18:00 10月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:46.6)
○20:00 MBA住宅ローン申請指数
○21:15 10月ADP全米雇用報告(予想:19.5万人)
○23:00 ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○23:30 EIA週間在庫統計
○3日01:00 9月ロシア失業率(予想:3.9%)
○3日03:00 ナーゲル独連銀総裁、講演
○3日03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:3.75-4.00%に引き上げ)
○3日03:30 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○英中銀金融政策委員会(MPC)
○ブラジル(万聖節)、メキシコ(死者の日)、休場
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