FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:意外と底堅い展開が継続するも上値を追う動きは限定的

前日の米国株市場では主要3指数がそろって下落したものの、日経平均は朝方から小幅高でスタートした。値がさ株がしっかりだったほか、決算を手掛かりにした個別物色が活発になった。日経平均は2万7500円台を回復したことから利益確定売りも出て一時はマイナス圏に沈んだが、すぐにプラス圏に戻った。市場では、昨日の米国株安を受けて日本株も軟調に推移するとみていたが、意外と底堅いとの声が聞かれた。ただ、様子見ムードも強く、積極的に上値を追う動きは限られた。結局、前営業日比91円高の2万7678円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利低下や持ち高調整のドル売りがやや優勢

ドル/円は、今日から始まる米FOMCのイベントを控えた持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、一時148.13円付近まで下落した。米長期金利が低下したこともドル売りを誘った。午後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、148.45円付近へ値を上げた。ただ、今晩発表される9月米ISM製造業景況感指数を見極めたいとの雰囲気から、積極的な上値追いは手控えられた。その後は、日経平均株価や米朝金利を睨みながら、やや値を下げて148.20円付近までもみ合いとなった。鈴木財務相が『いまの場においては急激な円安進行は望ましくない』と市場をけん制したものの、ドル/円相場への影響は限定的だった。ユーロ/ドルは、前日の海外市場で下落した反動で、利益確定や持ち高調整のユーロ買い・ドル売りが入り0.9920ドル台へ上昇した。

 

リスク意識する投資家対応で新興国ファンドで『中国外し』:ロイター

資産運用会社が、中国を除外した新興国・アジア投資商品を開発、販売している。中国の政策や地政学面のリスクの高まりを警戒する世界の投資家から、中国エクスポージャーを抱えない戦略への需要が高まっているという。多くのファンドがベンチマークとするMSCIエマージング・マーケット・インデックスは、中国株が31%のウエートを占める。英資産運用会社オーブリー・キャピタル・マネジメントのポートフォリオ・マネジャー、ロブ・ブリューイス氏は、ここ1年、米国の投資家から新興国市場ポートフォリオから中国を外すよう求める声が高まっていたとした上で『今月に入り、英国の投資家からも要請が出始めている』と語った。オーブリーが中国を新興国市場戦略から外すとしたら、その穴埋めはインドが相当部分を占め、残りはベトナム、ブラジル、メキシコなどに分散させることになるだろうと述べた。

 

ユーロ圏消費者物価は6ヵ月連続で過去最高を更新

31日に発表された10月のユーロ圏の消費者物価指数(HICP)は前年同月比で10.7%上昇し、9月改定値の9.9%から伸びが加速した。統計で遡れる1997年以降で過去最高を6ヵ月連続で更新した。物価押し上げの主因は前年同月比で41.9%上昇したエネルギー価格で、食品も同13.1%上昇した。エネルギーと未加工食品を除いたコアインフレ率も同6.4%と9月の6.0%から加速し、インフレの裾野が広がっていることを示した。10月27日に2会合連続で0.75%利上げを決定した欧州中央銀行(ECB)に対して次回12月会合以降では利上げペースを鈍化させるとの観測が出ているが、インフレ鎮静の兆候は経済指標には見られない。むしろ、ECBの利上げ継続の必要性が示される。

 

トルコリラ/円は3ヵ月続伸:ドル/円の動向がカギ

リラ/円の3カ月続伸は2020年11月から21年1月以来となる。18年や17年にも同様な上昇期間はあったが、それよりも長いのは5カ月続伸を記録した2014年(1リラが47円台から53円台まで上昇)まで遡らなければならない。その続伸記録が途絶えた後、リラ/円は下落の一途を辿っていく。いずれにせよ、リラポジティブな材料を見つけ辛いなか、底堅さを維持するにはドル/円のみが頼りという状況に変わりはない。
なお、10月29日はトルコ共和国記念日だった。独立99周年を祝う日にエルドアン大統領は『トルコの世紀ビジョン』を発表し、市民の権利と自由を保証する新しい憲法の制定が必要だと訴えた。くわえて大統領は、トルコを『政治、経済、技術、軍事、外交』において世界のトップ10に入る国にすること、また海外へのエネルギー依存を減らすという目標も掲げた。

 

南アではエネルギー価格上昇で景気減速懸念

毎月第1水曜日(今月は明日2日)に発表される南ア国内のエネルギー価格が、無鉛ガソリンは1リットルあたり0.51ランド上昇し、ディーゼルは1リットルあたり1.43ランド上がることになる。これにより、ディーゼル価格に至っては過去最高値を更新することになり、南アのインフレ高進がより懸念される。昨日発表された欧州インフレ指標でも、予想比の上振れは金利上昇による通貨買いよりも、景気減速懸念の高まりで通貨売りに反応している。11月のインフレ指標の発表はまだ先になるが、南アも高インフレによる景気悪化に陥る可能性が高まる。

 

メキシコが2036年オリンピック開催立候補を正式発表

エブラルド外相とメキシコ・オリンピック委員会のマリア・ホセ・アルカラ・イズゲラ会長は26日、メキシコでの2036年夏季オリンピック開催を正式に狙うことを発表した。開催都市の候補はまだ明らかになっていないが、1968年にラテンアメリカ初のオリンピック開催都市となったメキシコシティが最有力候補とされている。ただ、元メキシコの上院議員で2004年アテネオリンピック女子400mの銀メダリスト、国家体育文化スポーツ委員会のディレクターを務めるアナ・ガブリエラ・ゲバラ氏はオリンピック開催について苦言を呈している。ゲバラ氏によると大会開催は経済的に実現不可能であると断言している。それについて、エブラルド外相が反論した。オリンピックの資金調達方法は変化しており、連邦政府が負担するのは総費用のわずか10%であると述べた。また、メキシコにはすでに、10年後のオリンピックで競技を開催できるインフラがあるとのこと。現時点で2036年開催を狙っているのは、メキシコのほかにイギリス、韓国、エジプト、ドイツで、国際オリンピック委員会は今後5-10年の間で開催を決定する予定である。

 

ターミナルレートの低下を評価するのは時期尚早:JPモルガン

JPモルガンは10月31日付リポートで、『我々は米FRBが今週75bpの利上げを行うと予想しており、さらなる利上げに関して言葉が軟化するリスクがある』と指摘した。米FRBのほか、ECB、カナダ銀行、オーストラリア準備銀行が最近ハト派的なレトリックを転換しているのを踏まえ、『中央銀行の引き締めベースが今後数ヵ月で鈍化する可能性が高いことを示しているが、これがターミナルレート(利上げの終着点)の低下を意味するかどうかを評価するのは時期尚早だ。今年に入って金利が上昇したにもかかわらず、株式リスク・プレミアムは依然として大きく、我々のリスク資産に対する慎重な楽観論を支えている』との見解を示した。

 

米国市場では10月ISM製造業景況指数が公表:予想は50.0

9月実績は50.9に低下した。新規受注指数や雇用指数が大きく低下したことが要因となった。中長期的な授与宇見通しは不透明であることから、各企業は採用凍結や人員削減を通じて従業員数の増加を抑えようとしている。10月についてもこの状況は変わらず、新規受注の伸びも鈍化していることから、全体的な指数は9月実績を下回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○16:00   9月独輸入物価指数(予想:前月比0.6%/前年比31.0%)
○16:00   10月トルコ製造業PMI
○16:00   10月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比▲0.3%)
○17:00   10月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲42.5)
○17:20   ロウRBA総裁、講演
○17:30   10月スイス製造業PMI(予想:56.0)
○18:30   10月英製造業PMI改定値(予想:45.8)
○22:45   10月米製造業PMI改定値(予想:49.9)
○23:00   10月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:50.0)
○23:00   9月米建設支出(予想:前月比▲0.5%)
○2日00:30   10月メキシコ製造業PMI
○2日03:00   10月ブラジル貿易収支(予想:42.50億ドルの黒字)
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○ポーランド(万霊節)、休場

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