FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米利上げペース鈍化の思惑の流れを引き継いだ買い

前日の米国市場で、低調な経済指標を受けて利上げペース鈍化の思惑から株高となった流れを引き継いだ。しかし、買い一巡後は、米グーグルの持ち株会社・アルファベッドやマイクロソフトといった米大手ハイテク企業の株価が時間外取引で下落し、米主要株価3指数の先物が軟調となって投資家心理の重しとなり、伸び悩む場面もあった。ただ、このところ不安定だった香港株が堅調推移したことも相場を支援となり、中盤以降は再び上げ幅を拡大した。結局、前営業日比181円高の2万7431円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:米FRBの利上げペース鈍化観測からドルの上値は重い

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の続伸に支えられ、148.40円付近まで上昇した。日銀が国債買い入れオペの増額を通知し、日米金融政策の違いが改めて意識されたことも円売りを誘った。ただ、前日に発表された米経済指標は軒並み低調で、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースが鈍化するとの観測が高まっており、積極的な上値追いは手控えられた。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、148.30円付近へ緩んだ。午後は、日経平均株価の上げ幅縮小や米長期金利を睨みながら、やや値を下げて148.10円台を中心に取引された。27日の7~9月期米GDPや、28日に発表される日銀金融政策決定会合の結果を前に、様子見ムードが広がった。ユーロ/ドルは、明日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えて持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが入り、0.9970ドル付近へ値を上げる場面があった。

 

顧客が米国株を6週連続で買い越し:BofAセキュリティーズ

BofAセキュリティーズの25日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は17~21日の1週間に米国株を22億7000万ドルを買い越した。6週連続で買い越しとなった。この週は後半に、米連邦準備理事会(FRB)が12月以降に利上げペースを緩める可能性があると報じられたことで、週間では4.73%高となって反発した時だった。主体別動向ではヘッジファンド(HF)が13億9400万ドルの買い越しで買い越しに転じた。機関投資家は4億3700万ドルの売り越しで、3週ぶりの売り越しだった。個人投資家は7800万ドルの買い越しで、4週連続の買い越しとなった。企業の自社株買いは32億1700万ドルで、10月に入り3週連続で30億ドルを超え、例年の季節的傾向を上回る高水準で推移している。傾向としては単一銘柄への資金流入が08年以降で2σを上回る水準となり、極端な流入が目立った。決算発表を受けて利益率への懸念から一般消費財セクターが4週移動平均ペースで6ヵ月ぶりにマイナスに転じたほか、コミュニケーションサービスへの流入は過去最高を記録した。

 

トルコと露の関係強化から欧米との関係悪化懸念

欧州天然ガス価格の指標であるオランダTTF先物は8月の高値圏から3分の1以下の水準で取引されている。エネルギー資源を輸入に頼るトルコにとっても朗報のように見えるが、同国が4割以上もガスを依存するロシアとは既に固定価格で契約している。そのロシアとトルコはこのところ経済やエネルギーなどで関係を強化している。トルコの対露輸出は増加しており、トルコ国内における原発建設はロシアが主導している。両国が今後も結びつきを強めるようであれば、逆に今度はトルコと欧米との関係悪化が懸念される。

 

労使交渉の行方が今後も南ア経済への影響を与える

本日も米・南アともに市場を動意付ける経済指標やイベントがあまりない。しかし、米株の決算発表がピークを迎えていることで、米株の値動きがリスクオン・オフに影響を与え、そこからランドが連れる動きになりそうである。なお、公務員協会 (PSA)のストライキ宣言以外に、南ア最大の労組・南アフリカ労働組合連盟(COSTAU)もストライキの意向を示している。労使交渉が今後も南ア経済への影響を大きく与えそうである。

 

S&P500連動ETFに大規模な資金が流入

25日の米国市場でS&P500に連動するスパイダーS&P500ETFに大規模な資金が流入した。QUICK Fact Set Worikstionによれば53億5820万ドルの流入となり、58億ドル超の資金が流入した6月16日以来、4ヵ月ぶりの大きさを記録した。この日のSPYは前日比1.59%高の384.92ドルで3日続伸した。弱い経済指標を受けて米FRBの金融引き締め懸念が和らぐ中、株高・債券高の流れが続く中でフローの流入を伴いながら堅調だった。SPYはいわゆるパッシブ投資家がベンチマークのS&P500に投資する上でよく利用されるもの。堅調な10月相場を受け、過去1カ月では169億ドル超の資金流入となっている。

 

米政権では中間選挙での上・下両院の敗北を懸念

米ホワイトハウスが中間選挙ついて以前は楽観視していたものの、足もとでは与党・民主党が上・下両院で敗北することを懸念していると、政権当局者が述べたと報じている。ファイブサーティエイトなどの最新の世論調査によると、民主・共和両党の間で五分五分と見込まれていた上院選挙は高インフレが続くなかで共和党に傾いているほか、年初には民主党が多数派を握ると予想されていた下院でも、圧倒的に共和党に傾いている。

 

米10月消費者信頼感指数が成長減速示唆:FRBの利上げ減速見通し

米コンファレンスボードが発表した10月消費者信頼感指数は102.5と、9月107.8から予想以上に低下し7月来で最低となった。現況は9月から大幅に低下した。下げ幅は昨年12月来で最大となった。18カ月ぶり低水準を記録した。10-12月期の成長減速が示唆されていると、コンファレンスボードのチーフエコノミストは指摘した。さらに、期待指数の80割れで、景気後退リスクの上昇を示唆している。原油価格の下落とともに7月以来弱まりつつあったインフレ懸念は、食品や天然ガスの上昇で、再び強まった。一方で、消費者の家や自動車、家電購入意欲は依然強い。米国経済の7割を消費が占めるため、消費者信頼感指数の低下で景気減速懸念が強まった。連邦準備制度理事会(FRB)が望んでいる需要の鈍化により今後インフレ圧力も弱まると期待される。同時に、FRBの利上げ減速の可能性も強まることになり、ドルの上昇を抑制する。短期金融市場でもFRBの利上げ打ち止める水準が再び5%を割り込んだ。

 

米FRBに雇用への配慮要請:米上院委員長が書簡

米議会上院銀行住宅都市委員会のブラウン委員長は25日、米FRBのパウエル議長に宛てた書簡を公表し、雇用環境への配慮を求めた。パウエル氏に対し『インフレと闘うことがあなたの仕事だが、同時に完全雇用を確保する責任も忘れないでほしい』とし、急速に利上げを進めるFRBへの懸念をにじませた。他国の中央銀行も利上げに踏み切っているとし『同時に起きているインフレ抑制の取り組みが互いに増幅し、意図した以上の結果を生む可能性は高い』と景気への悪影響を指摘した。『インフレに押しつぶされそうな米国人にとって、雇用を失うことは事態をさらに悪化させる』と警鐘を鳴らした。

 

欧米市場イベント

○15:45   10月仏消費者信頼感指数(予想:77)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:30   9月米卸売在庫(予想:前月比1.0%)
○23:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:4.00%に引き上げ)
○23:00   9月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲13.9%/58.5万件)
○23:30   EIA週間在庫統計
○24:00   マックレムBOC総裁、記者会見
○27日02:00   米財務省、5年債入札
○27日06:30   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:13.75%で据え置き)

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