FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:前日の米国株高を好感した買い優勢

前日の米国株式市場が高かったことを好感して買い優勢で始まった。直近の戻りでテクニカル面で警戒感が生じる一方、アップルが新型iphone14プラスを生産削減するとの報道など悪材料があったものの、利益確定売りを消化した上値を追う展開になった。米企業の決算は直接的に日本株にプラス作用する性質のものではないながら、国内企業に関しても業績をめぐる懸念を和らげる効果が生じるとの見方もあり全体的に買い優勢の展開となった。上げ幅は一時200円を超えたが、後場に入ると追加の材料に乏しい中、戻り待ちの売りや利益確定売りに押され伸び悩んだ。結局、前営業日比101円高の2万7257円と続伸して終了した。信用評価損益率は14日申し込み時点でマイナス12.21%と、前週のマイナス12.09%からマイナス幅が0.12ポイント悪化した。悪化は2週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:介入警戒感強く149円台前半でもみ合い相場

ドル/円は、東京時間に入ると特に介入警戒感が増すため、ドル買いに慎重な参加者が多く、149.20円付近でもみ合いが続いた。仲値にかけて本邦実需筋の動向が注目されたが、需給に大きな偏りは見られなかった。仲値発表後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、149.10円台を中心とする狭いレンジで取引された。朝方には鈴木財務相が、10時過ぎには黒田日銀総裁が衆議院予算委員会で、それぞれ円安けん制発言していたことも、参加者をさらに慎重にさせている。午後は、米長期金利が上昇に転じたことから、ドル買い基調となり、NY時間につけた、およそ32年ぶりの高値の149.39円に迫る149.33円付近まで上昇したものの、やはり政府・日銀による介入警戒感が支配的なことから、その後は、149.30円前後での攻防に終始、相場は膠着している。なお、黒田日銀総裁は参議院予算委員会で『行き過ぎた円安に対して介入したのは大変適切』と発言していたものの、ドル/円相場への影響は限定的だった。ユーロ/ドルは、米長期金利を眺めたユーロ売り・ドル買いがやや優勢となり、0.9850ドル台から0.9830ドル台へじり安に推移した。

 

欧州市場入り後に短期筋の仕掛けかアルゴの暴走か?

昨日の海外市場では、欧州市場入り際のドル/を襲った『なんちゃって介入』が話題になっている。『実際、介入したのでは』との声も一部からは聞こえてきてはいるものの、『おおよそ介入時の値動きではない』というのが市場のコンセンサスになっている。149.29円を付けた直後の148.19円までの1円の急落した。そして、149円台までの急激な買い戻しとあって、米系短期筋の仕掛けまたは、アルゴの暴走といったところである。実は、時を同じくして、市場では『BOJ、FSA hold 17th cooperation on financial stability meeting』とのヘッドラインが流れた。(日銀と金融庁が金融安定化会議の17回目を開催した)との『何でもないニュース』だったが、介入警戒感と期待感が渦巻くなかにあって、アルゴがこの『BOJ』と『cooperation』なるワードに過剰反応したというのが実際の状況だったようで、まさしく、初動が悪手となった介入が引き起こす代償に市場は悩まされている。

 

明日のトルコMPCでは利下げ予想:国産短距離弾道ミサイルの試射

明日のトルコ中銀金融政策委員会(MPC)では現行12%の主要政策金利が11%に引き下げられる、というのが市場予想の中央値である。物価高騰にもかかわらず、金融当局はエルドアン・トルコ大統領の言いなりになったままである。なお、足もとのインフレ状況は、統計局による9月消費者物価指数(CPI、前年比)は83%台、最大都市イスタンブールのインフレ率が100%超え、独立した民間調査機関の調べでは公式の2倍以上だった。ところで一部通信社は昨日、トルコ北部の黒海上空で同国産の短距離弾道ミサイルの試射が行われたことを報じた。報道によれば、この兵器開発は極秘プロジェクトとして進められてきた。結果としては、これまでトルコで開発された国産ミサイルでは最大の飛距離を記録した。エルドアン大統領は、軍事機器やシステムの開発・生産で完全に独立を目指しており、今後もこの分野には力が注がれると思われる。

 

南アでは9月CPIと8月小売売上高が公表

本日は、南アからは9月消費者物価指数(CPI)が発表される。市場では前年比では前回と近い7.5%の上昇が見込まれている。一方でコア指数は前回の前年比4.4%の上昇を上回る、4.7%が市場予想となっている。9月は国で定めるガソリン価格は前月比では低下したが、ディーゼル価格は上昇するなど、エネルギー価格の低下が弱まっているところが気になるところである。なお、CPI発表後に8月の小売売上高も発表される。
しかし、エネルギー価格は、中央エネルギー基金 (CEF) からの最新情報によると、11月はディーゼルとガソリンの価格がともに上昇するとの予想が流れている。特に懸念されるのがディーゼル価格で、ガソリン価格は7月の過去最高値から16%超下落したが、ディーゼル価格は5%程度しか下がっておらず、世界中のディーゼル供給の逼迫が懸念されている。南アフリカでは、鉄道の問題が続いているため、トラックの配達が増加し、ディーゼルに対する地元の需要が高まっている。

 

米住宅市場指数は20年5月以来の低水準:US Dashboard

全米住宅建設業協会(NAHB)が18日発表した10月の住宅市場指数は38と、前月の46から8ポイント低下した。低下は10ヵ月連続で、2020年5月以来、2年5ヵ月ぶりの低水準となった。内訳でも『現在の販売状況』『今後の販売見通し』『客足』の全てが悪化しており、米住宅市場の冷え込みが鮮明になった。同指数は住宅建設会社や販売企業などからなるNAHB会員を対象に、今後6ヵ月の住宅販売予測などを聞く調査で50を上回ると『好調』、下回ると『不調』とみていることを示す。指数は3ヵ月連続で50を割り込んでいる。米住宅ローン金利は7%に迫り、住宅市場に打撃を与えている。NAHBのエコノミストは『米FRBの金融引き締めにより金利上昇が予想されるため、23年も住宅市場の縮小が続く』と予想していた。

 

米国株反騰は単なるベアマーケットラリーか:米WSJ

米ウォールストリート・ジャーナル紙は、米株反騰の謎、単なるベアマーケットラリーか、以前よりも底入れが近いことは否定できないため、投資家が再び売り時ではなく買い時を見いだそうとしても意外ではない、と伝えた。ボラティリティー(変動性)は好機をもたらすが、それにしても今回の変動は何と大きかったことか。S&P500種指数は13日、日中安値からの上げ幅が2020年3月以来の大きさとなった。14日には、その大半を解消した。この乱高下は2022年の大弱気相場がようやく底入れに近づいていることを示唆しているのだろうか。事実に即した答えは、この荒い値動きについて誰も納得のいく説明ができない、というものだ。ショートカバー(売り方の買い戻し)が入った、テクニカルアナリストにとって心理的な節目に達した、プットオプション(売る権利)が損益分岐点に到達した、などの観測はあるが、いずれも証明することができない。

 

欧米市場イベント

○15:00   9月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比10.0%)
○15:00      CPIコア指数(予想:前年比6.4%)
          小売物価指数(RPI、予想:前月比0.5%/前年比12.4%)
○16:00   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○17:00   9月南アフリカCPI(予想:前月比0.1%/前年比7.5%)
○18:00   9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比10.0%)
○18:00   9月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比4.8%)
○18:00   8月ユーロ圏建設支出
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   8月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比4.2%)
○21:30   9月カナダ消費者物価指数(CPI、予想:前月比横ばい/前年比6.8%)
○21:30   9月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比▲0.8%)
○21:30   9月カナダ原料価格指数(予想:前月比▲3.6%)
○21:30   9月米住宅着工件数(予想:147.5万件、前月比▲7.0%)
          建設許可件数(予想:153.0万件、前月比▲0.8%)
○22:00   カンリフ英中銀(BOE)副総裁、議会証言
○23:00   センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○23:30   EIA週間在庫統計
○24:00   マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○20日01:00   ビスコ伊中銀総裁、講演
○20日02:00   米財務省、20年債入札
○20日03:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○アジア太平洋経済協力会議(APEC)財務相会合(バンコク、21日まで)

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