FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日8月の景気ウォッチャー調査:改善方向

内閣府が発表した8月の景気ウォッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断DIは48.7となり、前月比で2.1ポイント上昇となった。また、先行き判断DIは51.4となり、前月比2.4ポイント上昇した。

 

日経平均株価:米長期金利上昇で金融株買われる

8月の米雇用統計が米利上げを後押しするとの観測から円安・ドル高が進み、自動車など輸出関連株の一部に買いが集まった。しかし、トランプ米政権ほ保護主義的な通商政策への警戒感が高まるなかで買い控えムードが強く、上値も限定的となった。米長期金利上昇で運用収益改善が期待される保険や銀行など金融株への見直し買いが相場を押し上げた。結局、前週末比66円高の2万2373円と7日ぶりに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:週初で様子見ムード強く狭いレンジ相場

ドル/円は、日米通商問題に対する懸念からドル売り・円買いが先行し、一時110.85円まで下げた。ただ、7日に発表された米8月雇用統計の強い数字が好感され、下値を追う動きは限られた。その後は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の持ち直しに支えられ、111円前後まで値を戻した。午後は日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら110.90円台のもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.15ドル台半ばで小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

通貨危機総計警戒指標:ダモクレスの紹介レポート

ノムラ・セキュリティーズの『通貨危機早期警戒指標・ダモクレスの紹介』と題するリポートで、30の新興国うちスリランカ、南アフリカ、アルゼンチン、パキスタン、エジプト、トルコ、ウクライナの7カ国で通貨危機にさらされていることが示されていると指摘した。同社がダモクレストと名付けた通貨危機のリスク指標は1996年以降、過去54回起きた通貨危機のうち67%を1年以内に発生すると正確に予想した。既に通貨が激しく急落しているアルゼンチンやトルコで危険な兆候が出ているのはうなずけるが、一方でブラジル、ブルガリア、インドネシア、カザフスタン、ペルー、フィリピン、ロシア、タイではダモクレスのスコアがゼロとなっている。リポートでは『全ての新興国市場を、1つのグループとしてまとめることは重要ではない』と指摘している。

 

支持率回復のためにエルドアン大統領利は上げを承認か

9月3日に発表された8月トルコ消費者物価指数(CPI)は前年比+17.90%となり市場予想の+17.60%を上回り、2003年9月以来の水準まで上昇した。この結果を受けて、トルコ中央銀行が『物価安定のために必要な措置をとる』、『9月の政策決定会合で金融スタンスの調整を行う』と声明を発表した。13日の中銀会合で現在17.75%の政策金利を引き上げるのではないかとの期待感が市場で高まっている。しかし、利上げ積極派のキリミジ・トルコ中銀副総裁が辞任を表明したことや、利上げを嫌うエルドアン大統領などが依然として懸念材料となる。ただし、自国通貨の暴落、景気への不安感を背景に大統領の支持率は低下傾向にある。支持率は押し上げるためにも、エルドアン大統領が利上げを認める可能性もある。

 

米国の追加関税で中国の貿易に陰り

トランプ米大統領は7日、追加関税を課す中国からの輸出品の対象を一段と広げ、全ての輸入品に『すぐさま』課税する用意があると述べている。エコノミストの間では通商摩擦が経済に即座に及ぼす影響は限定的との見方が優勢だが、中国人民銀行前総裁の周小川氏は『経済への信頼に対する影響はより大きいだろう』と指摘している。中国税関総署が8日に発表した8月の貿易統計は、米中のにらみ合いの原因とその結果を如実に示した。対米貿易黒字は過去最大に膨らんだ一方、ドルベースの輸出の伸びは全体として鈍化した。中国財政省は7日、潤滑油や児童書など397品目を対象に輸出企業への税還付の率を引き上げると発表した。対商品の輸出企業は15日から、付加価値税などの負担が減ることになる。

 

13日の英国、ECBの金融政策会合に注目

9月13日に英国中央銀行が金融政策決定会合、ECB定例理事会を開催する。英国中銀は8月に利上げを実施後、政策金利を据え置く見込みとなっている。ただ、利上げ軌道を探るために、新興諸国や英国のEU離脱を巡る不透明感を受けた景気見通しに焦点が集まる。ECBは来月から年末にかけて、資産購入を解消する方針を再確認すると見られる。また、貿易緊張を受けた成長、インフレ見通しに注目が集まる。ドラギ総裁は引き続き慎重な方針を維持し、ユーロの上値を抑制する可能性が高い。

 

欧米イベント

○15:00   8月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.6%/前年比3.2%)
○16:00   4-6月期トルコ国内総生産(GDP、予想:前年比5.3%)
○17:30   7月英貿易収支(予想:117億5000万ポンドの赤字)
○17:30   7月英鉱工業生産指数(予想:前月比0.2%)
         製造業生産高(予想:前月比0.2%)
○17:30   7月英GDP(予想:前月比0.2%)
○10日01:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○10日04:00   7月米消費者信用残高(予想:144億ドル)
○10-11日   4-6月期ロシアGDP改定値(予想:前年比1.8%)

 

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