FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国株市場が堅調だったことを好感

前日の米国株式市場が堅調だったことが好感され幅広く物色されてスタートとした。ただ、引き続き米国金利上昇に対する懸念が強い上に、新たな買い材料に乏しく、買い一巡後は上値に対して慎重な動きになっている。日米ともここから決算発表が本格化するため決算の内容を見極めたいとのムードが強まり、当面は徐々に模様眺めとなりそうである。市場では、今晩は米国において、ネットフリックスをはじめ、IT、金融大手、ディフェンシブなど有力企業の決算発表が相次ぎ、新たな流れが出て来るという意味で、これらの注目度が高まっているとの声が聞かれた。英イングランド銀行が量的引き締め(QT)の開始時期を再延期する方針との報道も支えた。結局、前日比380円高の2万7156円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利低下で148円台後半でもみ合い

ドル/円は、149円付近で推移する中、鈴木財務相が『過度な変動には適切な対応を取る』と円安をけん制していたことから、序盤は、ドル売り・円買いがやや優勢となり、148.80円付近までじり安となった。その後、仲値にかけて本邦輸出勢などのドル売り・円買いが通常より多く持ち込まれ、148.76円付近まで下押しした。仲値発表後に、岸田首相や松野官房長が、改めて円安けん制発言したこともあり、政府・日銀による介入警戒感からドル買いに動きにくい展開となり、一時148.67円付近まで値を下げる場面も見られたものの、その後は、米長期金利の持ち直しを眺めたドル買い・円売りで、148.90円台へ値を切り返した。午後に入って、一部英紙報道で英中銀が10月31日に延期期限を迎える量的引き締め開始時期をさらに延期すると伝えられた。これを受け英金利が低下、これに連れる形で米長期金利も3.96%大へ低下したことで、ドル/円は、ドル売り・円買いがやや優勢となり、148.75円付近へ下落する場面もあった。ただ、引き続き日米金融政策スタンスの違いを意識されていることから、下値を追う動きは限定的だった。その後は小幅に値を戻し、148.80円台を中心とする狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、一部英紙報道を受けたポンド高・ドル安の流れが波及し、0.982ドル台から0.9865ドル付近まで上昇した。

 

英中銀、政府とのチキンレースでひとまず勝ち点=WSJ

米ウォールストリート・ジャーナル紙は、英中銀、政府とのチキンレースでひとまず勝ち点、と伝えた。イングランド銀行(英中銀)は政府とのチキンレースで勝ち星を挙げた。投資家の間には安堵(あんど)が広がったが、実は誰にも喜ぶべき材料はあまりなさそうだ。ジェレミー・ハント新財務相は17日、前任のクワジ・クワーテング氏が約束した320億ポンド(約5兆4000億円)規模の減税案の大半を撤回した。この発表を好感し、英国債価格は上昇(利回りは低下)した。とりわけ償還期間の短い銘柄の上げ(利回り低下)が目立った。

 

英中銀は量的引き締めの開始を再延期か:英FT紙

英紙フィナンシャル・タイムズ電子版は日本時間18日午後、英イングランド銀行が英国債市場が落ち着くまで量的引き締め(QT)の開始時期をさらに延期する方針だと報じた。10月末に延期していた国債の市場売却を英中銀は再び先延ばしするという。トラス英政権が発表した大規模減税策をきっかけに英国債が急落した。一部年金の破綻が懸念されるなど市場が混乱し、英中銀は10月上旬に予定していた国債の売却を今月末まで延期していた。報道によると『英中銀は市場が落ち着くまで一段と延期を求める投資家の要求を受け入れた』という。

 

トルコのエルドアン政権によるばら撒きの財源が問題

トルコ政府は、2023年予算案の一環として、エネルギー補助金の増額を発表した。家庭で使用するガスの80%と電気の50%を支援し、補助金総額は6000億リラになるとの見通しを示した。今年のエネルギー補助金は3000億リラであり、来年は倍増することになる。来年6月までに実施される選挙を見据えて、エルドアン政権による『ばら撒き』が今後も続きそうである。問題はその財源である。9月の政府財政収支は、支出の増加と法人税収の減少を背景に786億リラの赤字と月間では今年最大の赤字幅を計上した。

 

南アランド国内問題よりもプラチナの上昇に反応

南アが世界で最大産出量となるプラチナなどが大幅上昇したことも、ランド買いを促した。ただ、南アでは電力制限だけでなく、ハウテン州などでは水道のインフラ整備の時に漏水が起こり、一部では水の供給が危機的な水準まで低下している。南アのインフラの老朽化はあらゆる面で深刻になっていることで、経済的な重しにはなっているが、市場への反応は最近では限定的になっている。

 

メキシコではUSMCA関連の協議に不透明感高まる

メキシコでは今月6日にクルティエル経済相が辞任した。メキシコのエネルギー政策が米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に違反しているとして、米国とカナダが2国間協議を求めている問題で、メキシコ側の直接の担当者が即日辞任したことが大きな話題となったが、それから1週間後の13日に今度はデ・ラ・モラ副経済相の辞任が発表された。米国・カナダとの協議の決着が着かないうちにメキシコ側の交渉役が相次いで辞任したことは、やはり尋常ではない。クルティエル氏は外国との経済連携に前向きな姿勢を示していたため、保護主義色の強い現政権との板挟みにあったと言われているが、デ・ラ・モラ氏の辞任も同様の理由である可能性が高い。なお、後任の経済相としては元国税庁トップのブエンロストロ氏がすでに指名されているが、米国・カナダ側との協議の行方については不透明感が高まる一方である。

 

米国市場では9月鉱工業生産が公表:予想は前月比-0.1%

8月実績は、前月比-0.2%だった。石油・石炭関連や機械は堅調だったが、自動車・部品の生産高は減少した。天候要因で公益事業が低下し、鉱業は横ばいとなった。9月については公益事業の持ち直しが予想されるが、自動車・部品の生産高の減少が予想されることから、前月比マイナスとなる可能性がある。

 

欧米市場イベント

○18:00   10月独ZEW景況感指数(予想:▲65.7)
○18:00   10月ユーロ圏ZEW景況感指数
○21:15   9月カナダ住宅着工件数(予想:26.30万件)
○21:30   8月対カナダ証券投資
○22:15   9月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.1%)
          設備稼働率(予想:80.0%)
○22:40   マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
○23:00   10月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:43)
○19日01:00   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○19日03:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○19日05:00   8月対米証券投資動向

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