FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:前日を挟んでもみ合いで方向性を欠く展開

前日の米国株式市場でS&P500種とナスダック総合が下落した流れで売り優勢で始まったものの、方向性が感じられない動きとなった。一時的にプラスとなった後は小幅安の水準でもみ合いが続いた。方向性が乏しくなった背景に、13日公表の米消費者物価指数(CPI)を見極めたいとする投資家が多いことがあった。前日終値の水準を挟んで、上値では売られ下値では買いが入るといった動きが繰り返され、方向性を欠く状態が終日続いた。結局、前営業日比4円安の2万6396円と3日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:円安けん制発言出るも146円台前半でもみ合い

ドル/円は、日米金融政策の違いを意識した仕掛け的なドル買い・円売りが持ち込まれ、心理的節目の146.00円を突破して146.20円近辺へ上伸した。その後、高値警戒感から利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いで145.90円近辺へ押し戻された。しかし、仲値にかけて本邦輸入勢のドル買い・円売りが通常より多く見られ、146.10円台へ上昇する荒い値動きとなった。仲値発表後も、堅調地合いは続いて一時146.39円付近まで値を上げ、24年ぶりのドル高・円安を更新した。松野官房長官が『為替動向、高い緊張感を持って注視している』『過度な為替変動には適切な対応をとりたい』と市場をけん制したが、ドル/円相場への影響は限られた。午後に入ると、一部英紙が『再建購入の延長をイングランド銀行が内々に示唆した』と報じると、ポンド/ドルはポンド買い・ドル売りが強まり、1.09ドル台半ばから一時1.10ドル台半ばへ急伸した。ドル/円は、ポンド/ドルのポンド高・ドル安が波及、146.00円付近まで軟化した。しかし、米FRBがインフレ抑制に向けて大幅利上げを実施するとの観測からドルは買い戻された、値を切り返して146.20円前後でもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、一部英紙の報道後に持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが入り、0.96ドル台後半から0.97ドル台前半へ水準を切り上げた。

 

欧州市場では8月ユーロ圏鉱工業生産:予想は前月比+1.2%

7月実績は、前月比-2.3%だった。8月については、エネルギーは小幅増加も非耐久消費財は+1.2%。一方で資本財が-4.2%、耐久消費財は-1.6%。8月は複数の項目で反動増が予想されるため、プラスとなる可能性が高い。

 

イングランド銀行が債権購入の延長を示唆:英FT

英ファイナンシャルタイムズ紙が『イングランド銀行が金融機関に債権購入の延長の用意があることを示唆』と報じた。米10年債利回りは時間外取引で一時3.90%まで低下した。イングランド銀行のベイリー総裁は11日、緊急措置として導入した国債購入策を予定通り14日で終了すると述べていた。

 

顧客が米株を08年以降で3番目の高水準での買い越し:BofA

BofAセキュリティーズの11日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は3~7日の1週間に米株を61億3300万ドル買い越した。5週連続で買い越しとなった。この週は前半に米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況指数が低下したことなどを受けて、米FRBの利上げ減速期待から米株相場は急伸した。週末の米雇用統計が堅調な内容だったことで、S&P500指数は大幅安となったが、週間では1.5%高となって4週ぶりに上げた時だった。主体別動向ではヘッジファンド(HF)が6億9900万ドルの買い越しで、3週連続の買い越し。機関投資家は36億7100万ドルの買い越しで、4週ぶりの買い越しだった。個人投資家は4億8500万ドルの買い越しで、3週連続の買い越し。企業の自社株買いは13億9900万ドルで4週移動平均(13億7200万ドル)を小幅に上回ってやや好調だった。傾向としては全ての主体が買い越した上、買い越し額は2008年以降、3番目の高水準で、投資家が底打ちを見込んだようなフローとなった。個別株・上場投資信託(ETF)共に買い越しが目立ち、11セクターのうち10セクターが買い越しとなった。

 

8月トルコ鉱工業生産が公表:予想は前月比3.0%増

欧州序盤に発表された8月トルコ経常収支は31.1億ドルの赤字と予想よりも赤字幅が僅かに縮小したが、10カ月連続の赤字を記録した。トルコ中銀も重要としている経常収支の改善には程遠い状況である。本日は8月トルコ鉱工業生産が発表される。前回は前月比6.2%減と弱く、中銀の追加利下げ決定の材料の1つにされた。今回の予想は3%増だが、下振れるようなら来週の中銀会合に向けてリラの下押し要因となってしまう。

 

IMFは南アの成長予想を引き下げ

国際通貨基金(IMF)は昨日世界経済の3分の1以上が今年または来年に縮小すると発表しているが、南アについても成長予想を引き下げている。今年は7月の+2.3%予想から+2.1%へ、来年は+1.4%から+1.1%に下方修正された。この予想引き下げもランドの重しとなる。本日の予定では、南アからは9月の南アフリカ商工会議所 (SACCI)の景況感指数が発表される。同指標は2カ月分発表されるが、7月は4カ月振りの高水準となった。このトレンドが継続されるかが注目である。

 

米GDP見通しを下方修正しインフレ抑制に景気後退が必要:ノムラ

ノムラ・セキュリティーズは11日付リポートで、2022年10~12月期に米国の景気後退が始まるのを支持するとしつつ、『22年と23年の実質GDP(国内総生産)見通しはそれぞれ0.2%、1.6%下落した後、24年は1.0%増と予想した』と指摘。景気後退は以前の予測に比べてやや深刻になると予想され、実質GDPはピーク時から1.8ポイント(以前は1.5ポイント)低下し、それに対応してピーク時の失業率は6.4%(以前は6.0%弱)まで上昇するという。今後発表されるデータは、『経済活動の減速が続いていることを示唆し、インフレ抑制するには景気後退が必要になる可能性が高い』との見解を示した。米FRBの利上げ予想は変わらず、11月と12月に75bp、2月に50bp、3月に25bpの利上げを行い、23年9月に利下げ開始前に、政策金利は5.25~5.5%になるとみている。利下げは当初、会合ごとに25bpベースとみていたが、インフレ再加速のリスクが薄れていることから、24年4~6月期には50bpまで利下げが加速する可能性が高いと見込んだ。

 

9月米CPIは前年同月比8.10%上昇を予想:ゴールドマン

ゴールドマン・サックスは13日に発表される9月の米消費者物価指数(CPI)を前年同月比8.1%(前月比0.26%)上昇と予想した。前年同月比でみた上昇率は前月から0.2%ポイント鈍化するとした。エネルギーと食品を除くコアCPIは前年同月比で6.5%(前月比0.41%)上昇が見込まれた。前年同月比では前月の6.3%からインフレ加速が予想された。いずれもFactSetがまとめた市場予想並みでの着地見通しとなった。コアCPIは今後数ヵ月間0.3~0.4%の伸びで推移し、来年に0.~0.3%の伸びに鈍化するとの予想も示された。前年同月比では22年12月に6.0%、23年12月は2.9%、24年12月は2.6%と予想された。

 

欧米市場イベント

○15:00   8月英国内総生産(GDP、予想:前月比横ばい)
○15:00   8月英鉱工業生産(予想:前月比▲0.2%/前年比0.6%)
○15:00   8月英製造業生産高(予想:前月比横ばい)
○15:00   8月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:204.00億ポンドの赤字/90.00億ポンドの赤字)
○16:00   8月トルコ鉱工業生産(予想:前月比3.0%)
○17:00   ハスケル英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○18:00   8月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.6%/前年比1.2%)
○18:30   9月南アフリカSACCI企業信頼感指数
○20:00   8月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比▲0.1%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:35   ピル英中銀MPC委員兼チーフエコノミスト、講演
○21:00   8月インド鉱工業生産(予想:前年同月比1.7%)
○21:00   9月インド消費者物価指数(CPI、予想:前年比7.30%)
○21:30   9月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比8.4%)
       食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比7.3%)
○22:30   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○23:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、討議に参加
○24:00   クノット・オランダ中銀総裁、講演
○13日02:00   マン英中銀MPC委員、講演
○13日02:00   米財務省、10年債入札
8日03:00   バー米連邦準備理事会(FRB)副議長(銀行監督担当)、講演
○13日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月20-21日分)
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン、13日まで)
○ブラジル(聖母の日)、休場

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