FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国市場の上昇を引き継ぎ反発

米長期金利の低下を受けて、前日の米国株市場では主要3指数がそろって上昇した流れを引き継ぎ、日経平均は寄り付きからしっかりした動きとなった。寄り付き後は上げ幅を拡大した。ただ、買い一巡後は値がさ株を注視に上げ幅を縮小し、節目の2万6500円を前に上値の重い展開になった。本日は9月末の配当権利落ち日に当たり、配当落ち分は224円程度と推計されている。結局、前営業日比248円高の2万6422円と反発して終了した。9月第3週(20日~22日)の投資部門別株式売買動向によると、海外投資家(外国人)は1756億円の売り越となり、売り越しは6週連続となった。個人投資家は2036億円の買い越しとなり、買い越しは2週連続となった。信託銀行は817億円の売り越しとなり、売り越しは5週連続となった。

 

東京外国為替市場:日本株高でリスク選好の円売りでやや優勢

ドル/円は、本邦輸出勢などから月末・四半期末に絡むドル売り・円買いが持ち込まれ、144.20円付近へ下落した。しかし、日米金融政策スタンスの違いが鮮明になっていることもあり、下値を追う動きは限られた。その後、米FRBが積極的に金融引き締めへ向かうとの思惑からドルの押し目買いが入り、値を切り返して144.30円台を中心に取引された。午後は、米金利先高観から海外勢などがドル買い・円売りに動き、144.70円付近へじり高となった。日経平均株価の上げ幅拡大で、リスク選好が高まったことも円売りを誘った。ユーロ/ドルは、米長期金利上昇を眺めたユーロ売り・ドル買いに押され、一時0.995ドル台へ下落した。

 

流動資産が枯渇するまで4~10回の介入が可能か:BofAセキュリティーズ

BofAセキュリティーズは28日付のリポートで、介入規模が1ドル=144円換算で250億ドル規模かと指摘しながら、『流動資産が枯渇するまでに4~10回の同規模の介入が可能』との見解を示した。リポートでは、日本の外貨準備における満期1年以下の外貨証券の現在の残高は1480億ドルという計算になるとしながら、『外貨準備高は8月末現在で1360億ドルの預金が確認される。財務省がある程度の預金残高を維持したまま短期証券を売却し始める可能性がある。』と指摘した。流動資産の売却によって、22日と同規模の介入なら4~10回の介入が実施可能と推定される(預金のみの場合4回、預金+満期1年以下の証券の場合10回)としつつも、『外貨準備に保有されるこれらの流動資産がほぼ枯渇すれば、介入のハードルは上昇しよう』ともみていた。

 

トルコとギリシャ間で軍事的な緊張高まる

北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるトルコとギリシャ間で軍事的な緊張が高まっている。昨日開かれたトルコの国家安全保障会議では、ギリシャの島々に関する最近の動向が主要議題とされました。トルコ沿岸のギリシャに属するレスボス島とサモス島に装甲戦闘車両が配備されたと報じられ、トルコは国際法における非軍事的地位を侵していると訴えている。エルドアン大統領も『必要な場合には、あらゆる手段を用いてギリシャに対するわが国の権利と利益を守る』と強硬な姿勢を示している。

 

メキシコ中銀の政策会合では利上げ幅に注目

今晩メキシコ銀行(中央銀行)が金融政策決定会合を開催するが、すでに追加利上げは確実視されている。メキシコ中銀は米連邦準備理事会(FRB)と金融政策を連動させてはいないと言及しているが、先週にFRBが0.75%の利上げを実施したこともあり、メキシコ中銀の利上げ幅も0.75%となると思われる。

 

米国株とは景気後退は確実との警鐘:JPモルガンモデルが示唆

JPモルガンのストラテジストが考案したこのモデルによれば、米金融当局が先週にタカ派姿勢を強めて以降のS&P500種株価指数の6.5%急落は、92%の米リセッション確率を示唆しており、8月時点の51%から上昇した。他の資産も同様の警告を発しており、ベースメタルの価格は今や96%のリセッション確率を反映している。8月時点では84%だった。株式から米国債、ドルに至るあらゆる資産で起きている急激なリプライシングは、インフレ抑制の代償として景気低迷を容認する用意があるとする米金融当局者らによる一連の声高なシグナルを市場がようやく受け入れつつあることを示している。過去約10年にわたって、米金融当局は市場に優しい存在だった。しかし数十年ぶりの物価高騰を受け、金融当局は資産価格への影響があってもインフレ抑制に専念せざるを得なくなった。

 

米8月中古住宅販売成約指数は3ヵ月連続で減少

米8月中古住宅販売成約指数は前月比‐2.0%と、3カ月連続のマイナスで予想も下回った。供給不足が続いていることや価格の上昇で住宅需要が低迷した。事前に発表された8月卸売在庫速報値は前月比+1.3%と、7月+0.6%から伸び縮小予想に反し拡大した。小売り在庫は前月比+1.4%と、やはり7月+1.1%から伸び鈍化予想に反し拡大した。また、米8月前渡し商品貿易収支は-873億ドル。赤字幅は7月902億ドルから予想以上に縮小し、昨年6月来で最低となった。

 

米国企業の利益悪化はまだこれから:米WSJ

米ウォールストリート・ジャーナル紙は、米国企業、利益悪化はまだこれから、今年の企業業績、良く持ちこたえているがこの状況は続かない、と伝えた。米国企業の利益を考えた場合、今年は決して最高の年になっているとは言い難いが、現在起きているあらゆる状況を考慮すれば、非常によく持ちこたえている。

 

欧米市場イベント

○16:00   シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
○16:00   パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○16:30   センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○17:00   デギンドスECB副総裁、講演
○17:00   ビルロワドガロー仏中銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁、エルダーソンECB専務理事、講演
○17:50   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○18:00   9月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:95.0)
○18:00   9月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲28.8)
○18:30   8月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比17.5%)
○20:30   ラムスデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○21:00   9月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比1.5%/前年比9.5%)
○21:30   7月カナダ国内総生産(GDP、予想:前月比▲0.1%/前年比4.1%)
○21:30   4-6月期米GDP確定値(予想:前期比年率▲0.6%)
       4-6月期米個人消費(確定値、予想:前期比年率1.5%)
       4-6月期米コアPCE(確定値、予想:前期比年率4.4%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/138.5万人)
○22:00   ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○22:30   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○24:00   テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○30日02:00   レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○30日03:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:9.25%に引き上げ)
○30日05:45   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演

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