FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:連休を控え米国株安に連れた売り優勢

前日の米国株式市場が安かったことを受け、高PER銘柄を中心に売りが優勢になった。市場では明日からの3連休を控え徐々に見送りムードが広がった。市場では、方向性を示す材料が見当たらない中でNYダウ先物が軟調に推移している。このままではナスダック総合指数が直近安値を更新し一段安となるリスクがあり、警戒されている。結局、前営業日比308円安の2万7567円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:日米金融スタンスの違いが意識され143円台半ばでもみ合い

ドル/円は、政府・日銀による為替介入を警戒したドル売り・円買いが先行、143円台前半へ水準を切り下げた。日経平均株価の下げ幅拡大でリスク回避姿勢が強まると、さらにドル売り・円買いが進んで142.83円付近まで下落した。ただ、前日につけた142.81円に近づくと下げは一服した。その後、低下していた米長期金利が持ち直すと、ショートカバーが入って143.50円近くへ値を戻した。鈴木財務相が『円安はプラスとマイナスの両面がある』と発言し、為替介入に対する思惑がやや後退したことも円売りを誘った。午後は、国内3連休を控えた持ち高調整のドル売り・円買いが入り、142.20円付近へ下落した。しかし、下値では日米金融政策スタンスの違いを意識したドル買いが見られ、一時143.62円付近まで上昇した。ユーロ/ドルは、0.99ドル台後半で小動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

韓国中銀はウォン安を止めることが出来るか:単独介入の効果は不透明

国際金融市場では、米FRB(連邦準備理事会)など主要国中銀のタカ派傾斜により経済のファンダメンタルズが脆弱な新興国で資金流出圧力が強まっている。韓国では過去数年の経常収支は黒字基調で推移したが、商品高を理由に経常赤字に転じており、インフレも顕在化している。中銀は昨年8月以降断続的に利上げを実施し、7月には大幅利上げに動いたが、景気の不透明感が強まるなかで8月には利上げ幅を縮小させた。中銀は利上げを維持したが、タカ派度合いの違いを理由にウォン安が進んだため、為替介入に動いている模様である。ただ、単独介入の効果は不透明な上、外貨準備の減少を招くなど金融市場の動揺への耐性を低下させる懸念もある。当面のウォン相場は当局の『手詰まり感」が意識される形で一段と調整の動きを強める可能性もある。

 

トルコでは為替取引に高い手数料を科すことを決定

トルコ中銀は先日、外国為替取引に高い手数料を課すことを決定した。これを受けて、トルコ国内のドル預金金利が急低下している。そのため外貨預金残高も減少傾向にある。しかしながら、為替市場ではドル高リラ安は進行する一方である。資本規制を強める国の通貨は、外国人投資家にとって全く魅力的ではない。なお、来週はトルコ中銀が政策金利を発表するが、一部通信社のエコノミスト調査によれば、全体の約8割が現行13%で据え置き予想である。残りは追加利下げを予想している。

 

南ア大統領のスキャンダル調査継続がランドの重し

ラマポーザ南ア大統領のファラファラ・スキャンダルの調査なども依然として行われていることで、ランド/円を買い持ちで週末を迎えるのはリスクが高いことも、上値を抑える要因となっている。

 

メキシコ大統領の後継者争い:メキシコ市場がリード

メキシコでは次回の大統領選挙まで2年余りとなりました。メキシコの大統領職は再選できないシステムとなっているで、ロペスオブラドール大統領の後継問題が少しずつ注目を集め始めている。先月に実施された世論調査によると、現与党である国民再生運動(MORENA)内の候補者争いでトップに立ったのは、首都メキシコシティの市長であるクラウディア・シェインバウム氏である。それをエブラルド外相が僅差で追っているといった状況である。 シェインバウム氏はロペスオブラドール大統領のお気に入りとされている人物であるが、政治アナリストによると、その事がMORENA内部での分裂を生んでいる。その結果としてMORENAは『後継者の育成がスムーズに進んでいないという印象を与えている』としている。もっとも、現時点ではMORENAの政治基盤は盤石といったところ。2018年の大統領選と同時に実施された連邦議会選挙ではMORENAが地滑り的勝利となり、今年行われた地方選でも野党を大きく引き離して勝利した。先月の世論調査でもMORENAの支持率が41%となった一方、主要野党の制度的革命党(PRI)や国民行動党(PAN)の支持率は14%程度に留まっている。

 

米国経済指標は強弱まちまちの結果:米国債相場は売り買い交錯

米商務省が発表した8月小売売上高は前月比+0.3%と、伸びは7月-0.4%から予想外にプラスに転じた。7月分は0.0%から―0.4%へ下方修正された。一方で、変動の激しい自動車を除いた米8月小売売上高は前月比-0.3%と、予想外に年初来初めてのマイナスとなった。同時刻に発表した米先週分新規失業保険申請件数(9/9)は前週比-5000件減の21.3万件と、増加予想に反して前週から減少し、昨年5月来で最小となった。米失業保険継続受給者数(9/3)は140.3万人と予想の147.8万人を下回った。
米9月NY連銀製造業景気指数は-1.5と、8月-31.3から予想以上に改善。米9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は-9.9と、予想外の7月来のマイナスとなった。米8月輸入物価指数は前月比―1.0%と、7月-1.5%に続き2カ月連続のマイナスも予想ほど下落しなかった。

 

欧米市場イベント

○15:00   8月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比▲0.5%/前年比▲4.2%)
○15:00   8月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比▲0.7%/前年比▲3.4%)
○17:00   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○17:30   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○18:00   8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比9.1%)
○18:00   8月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比4.3%)
○19:30   ロシア中銀、政策金利発表(予想:7.50%に引き下げ)
○21:15   8月カナダ住宅着工件数(予想:26.65万件)
○21:30   7月対カナダ証券投資
○21:30   7月カナダ卸売売上高(予想:前月比▲0.6%)
○23:00   9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:60.0)
○17日05:00   7月対米証券投資動向
○メキシコ(独立記念日)、休場

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