FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

中国2月貿易収支は赤字予想の反して大幅黒字

中国税関総署が発表した中国の2月貿易統計で、人民元建ての輸出は前年同月比36.2%増となり、増加率は1月の6.0%増から拡大した。輸入は同0.2%減で、1月の30.2%増から大幅減少した。貿易収支は2248億元の黒字となり、市場予想の689億人民元の赤字から大幅黒字となった。1月は1358億人民元の黒字だった。

 

2月25日-3月3日分の対外及び対内証券売買契約等の状況

国内投資家は対外中長期債は1兆1885億円の売り越しとなり、売り腰は2週間ぶりの売り越しとなった。対外株式は2015億円の買い越しとなり、買い越しは2週連続となった。また、海外投資家は対内株式を4643億円の売り越しとなり、売り腰は2週連続となった。対内中長期債は1兆2648億円の買い越しとなり、買い越しは3週間ぶりとなった。対内短期債は1444億円の売り越しとなり売り越しは2週間ぶりとなった。

 

国内投資家の対外中長期債の売り越しが、3月決算前に大きくなっている。含み損を抱えた地方銀行などが決算前に米国債投資から撤退するため売却がかさんだ可能性がある。大手行など高格付けの金融機関であれば、ドルを借入れして債券購入したり、手持ちのドルを使用して債券購入する。しかし中小金融機関となると、円からドル転して運用し、売却後はドルから円転して資金回収することから円買い・ドル売りにつながりやすい。外国人投資家の日本株売りが継続していることから、日経平均株価も上値の重い展開が続いている。

 

日経平均株価:様子見ムード強く上げ幅縮小

米国の保護主義政策に対する過度な警戒感が後退するなか、鉄鋼株などに買い戻しが広がった。ただ、円相場の先行き懸念などから積極的に買いを進めていく展開にならず、一巡後はやや上値の重さが目立った。8-9日にかけては、トランプ大統領の輸入関税内容の発表、ECB理事会、日銀政策会合、米雇用統計を見極めようという様子見ムードも強まった。2月景気ウォッチャー調査が3ヶ月連続悪化となったことで、上げ幅を縮めた。結局、前日比115円高の2万1368円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:為替市場では欧米イベント控え様子見ムード

ドル/円は、トランプ大統領が9日早朝に発表する鉄鋼・アルミニウムの輸入関税方針を見極めたいとの雰囲気から、上下に動きにくかった。午後は、日経平均株価の上げ幅を縮めたことでポジション調整などのドル売り・円買いが入り、106円台を割り込んだ。米長期金利も小幅低下したこともドル売りにつながった。ユーロ/ドルは、今晩のECB定例理事会を控えて様子見ムードが強く、1.2405ドル前後で方向感に乏しい値動きになった。

 

9日の3月メジャーSQを通過すると市場が落ち着く可能性も

3月のような決算月のメジャーSQ前後では、株安とリスク回避の円高を含めた市場混乱が繰り返されてきた。今年は1月から市場混乱余波もあり、複合的なポジション整理や損失・利益の確定などによる株安・円高の再現には注意が必要だ。その半面、メジャーSQを通過すると、3月決算対策の終盤入りと相まって。日本株の需給改善が期待できる。3月後半にかけては、『3月決算銘柄の配当取り』や『4月からの新年度運用に向けた先回りの仕込み買い』などが日本株の下支え要因となりやすい。為替相場っでも、リスク回避の円高圧力の減退材料となりやすい。

 

欧州市場ではECB定例理事会を開催

ユーロ圏経済の回復傾向は続いており、3月の理事会で『債券購入プログラムを延長・拡大する用意がある』との文言が削除される可能性は残されている。ただし、金融緩和策の縮小を早い時期に始めなければならない明確な理由はないとの意見は少なくないことから、フォワードガイダンスの変更については、直近の雇用、物価、為替相場、ユーロ圏諸国の政治動向などを総合的に判断して、結論を出すことになる。現在米国発の貿易戦争が警戒されているほか、ユーロ高・ドル安の圧力が欧州物価再下落や成長鈍化のリスクとして警戒され始めている。その中でECBが『緩和縮小ペースの慎重姿勢強調』などで、ユーロ高歯止めの努力を強化させる可能性がある。

 

欧米イベント

○15:45   2月スイス失業率(季節調整前、予想:3.2%)
○16:00   1月独製造業新規受注(予想:前月比▲1.8%)
○21:30   2月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○22:15   2月カナダ住宅着工件数(予想:21万6500件)
○22:30   ドラギECB総裁、定例記者会見
○22:30   1月カナダ新築住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
○22:30   1月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲1.5%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:22万件)
○米財務省3年、10年、30年債入札条件

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