FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:新たな材料が見当たらず方向感を欠く展開

日経平均株価は、前日の米ナスダック安を受けて売り優勢で始まった後は下げ渋り、弱含み保ち合いとなった。ただ、売り一巡後は下げ渋り、一時プラスに浮上する場面もあったが、新たな材料が見当たらず目先は方向感を欠く展開になった。市場では、価格帯別出来高から判断すると、2万6500-2万7000円のレベルは商いを消化しており、戻り売りが出やすく上値追いが難しいとの声が聞かれた。結局、前営業日比70円安の2万6677円と続落して終了した。信用評価損益率は20日申し込み時点でマイナス12.16%と、前の週のマイナス13.19%からマイナス幅が1.03ポイント縮小した。改善は4週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:米景気減速警戒から127.00円付近でもみ合い

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや米長期金利上昇に支えられ、127.00円とじり高になった。前日の海外時間に約1ヵ月ぶりの安値126.37円をつけた反動から、利益確定などのドル買い・円売りが入りやすかった。午後は、まとまったドル買い・円売りフローが持ち込まれ、一時127.22円付近まで上昇した。しかし、NY時間に予定されているブレイナードFRB副議長の発言や米FOMCの議事要旨の内容を見極めたいとの雰囲気から、追随する動きは見られなかった。その後は、最近発表されている米経済指標の低調な数字で、米景気減速を警戒したドル売りが入り、やや値を下げて127.00円でもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.07ドル台前半で小動きのもみ合い相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

コロナ都市封鎖の一歩手前:隔離施設に住民連行

北京市当局が新型コロナに対する厳戒態勢を取り始めてから25日で1カ月である。ロックダウン(都市封鎖)の一歩手前で踏みとどまるものの、多くの居住区が封鎖され、商業施設の大半が営業を停止している。バスの運休、地下鉄駅の閉鎖も相次ぐ。1日当たりの新規感染者は数十人。新華社電によると、孫春蘭副首相は23日に北京の対策を視察し、感染封じ込めを目指す『ゼロコロナ』政策の徹底を指示した。市中心部の朝陽区にある居住区は20日、全住民を隔離施設に連行すると通達した。感染者が計26人出たためで、地元メディアは、住民約5千人が大型バスで運ばれていく様子を伝えた。

 

トルコのCDSは金融危機以来の水準に悪化:リラの重しに

明日予定されているトルコ中銀金融政策委員会(MPC)は、インフレ率が70%に迫っているにもかかわらず、利上げする気配すらない。エルドアン大統領の圧力に屈し、独立性を失った中銀への信頼は失われる一方であり、その国の通貨を手放す動きを止めることはなかなか難しい。信用リスクを示す国債のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)も、昨日はトルコ5年物が730ベーシスポイントまで拡大した。2008年の国際的な金融危機以来の水準まで悪化している。ポジティブ材料としては、中東諸国との関係改善に向けた動きである。サウジアラビアの実質的な支配者であるムハンマド皇太子は近々外遊を予定しており、訪問国にトルコも含まれている。また、本日はトルコ外相が15年ぶりにイスラエルを訪れる。

 

南アではストライキを行う可能性:労使関係の悪化がランドに悪材料

南アフリカ歳入庁(SARS)の一部労働者がストライキを行う可能性がある。南アではインフレ高進による生活苦が続いていることで、労働者が大幅な昇給を要求している。SARSのストライキの規模はさほど大きくはないが、インフレによる労使関係の悪化はランドにとっての悪材料にもなる。

 

26日に公表されるメキシコの金融政策決定会合議事要旨に注目

ペソを動かす材料の主要な一つである原油先物価格については、欧州連合(EU)による露産石油の年内禁輸への動きを受けて需給ひっ迫懸念から堅調な動きを見せていたが、ここ2カ月は100ドルを挟んで勢いがなくなってきている。 チャートや外部要因が値動きを抑えている面があるが、国内の金融政策の方向性を見るうえではペソ高が再開してもおかしくない状況である。積極的な金融政策への強い決意表明が見られた前回の会合での議事要旨が26日に明らかになるので、その詳細には期待感が高まっている。

 

米国の景気減速懸念が強まる:FRBの過度な金融引き締め観測後退

連邦準備制度理事会(FRB)の大規模緩和も功を奏し、パンデミック時に景気を支えた住宅市場や製造業が鈍化の兆しを見せ、米国経済の景気後退入りは避けられないとの懸念が再燃している。米5月製造業PMI速報値が予想以上に低下、米5月リッチモンド連銀製造業指数は予想外のマイナスに落ちこみ、さらに、米4月新築住宅販売件数も増加予想に反し3月から大幅減少し、パンデミック開始直後の20年4月来で最低となる経済指標の悪化を受けて、米国経済の景気後退入り懸念が強まった。

 

欧米市場イベント

○15:00   1-3月期独GDP改定値(季節調整済、予想:前期比0.2%/前年同期比3.7%)
○15:00   1-3月期独GDP改定値(季節調整前、予想:前年同期比4.0%)
○15:00   6月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲26.0)
○15:45   5月仏消費者信頼感指数(予想:89)
○16:00   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○16:00   パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○16:40   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○17:00   ラガルドECB総裁、講演
○17:00   ECB、金融安定報告書を公表
○18:35   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○18:45   レーンECB専務理事兼主任エコノミスト、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   1-3月期メキシコGDP確定値(予想:前期比1.0%/前年比1.7%)
○20:00   4月メキシコ貿易収支(予想:10.00億ドルの黒字)
○20:05   黒田東彦日銀総裁、あいさつ(日本銀行金融研究所主催2022年国際コンファランス)
○21:30   4月米耐久財受注額(予想:前月比0.6%/輸送用機器を除く前月比0.6%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○26日00:15   テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○26日01:15   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○26日02:00   米財務省、5年債入札
○26日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(5月3日-4日分)
○世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議、26日まで)

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