FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:週末でポジション調整の買い戻しが活発化

手掛かり材料は乏しいものの、日本株が前日に先行して売られていたうえに、週末でポジション調整が活発化するとみられる中で、今週は下げ相場だったために買い戻しが活発化した。さらに、好決算銘柄が物色され、上げ足に弾みを加えた。市場では、オプションSQ算出でショートポジションが解消するための買い戻しを急ぐ動きが出た。上げ幅は一時700円を超えた。結局、前営業日比678円高の2万6427円と大幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:週末を控えた持ち高調整の売買が交錯で乱高下

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや米長期金利上昇に支えられ、129.35円付近へ上昇した。日経平均株価の大幅高でリスク選好が高まったことも円売りを誘った。ただ、今晩の米株動向や米FRB当局者の講演内容を見極めたいとの雰囲気もあり、上げは一服した。その後は、利益確定などのドル売り・円買いも見られ、129円台前半から128円台後半へ水準を切り下げた。午後は、内外株高を好感したドル買い・円売りが入り、129.15円付近へ値を上げる場面があった。しかし、黒田日銀総裁が講演で『為替相場の短期間での過度な変動は望ましくない』と発言したこともあり、上値を追う動きは限られた。その後は、週末を控えた持ち高調整のドル売り・円買いに押され、やや値を下げて128.85円前後でもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、前日の海外時間に急落した反動で、利益確定などのユーロ買い・ドル売りが入り1.040ドル付近へじり高となった。

 

トルコ当局はリラ安に神経をとがらせている

トルコ政府がリラ下支え策として導入した『為替リンクのリラ定期預金』は、リラ安となった場合に預金者の損失が補填される。国庫負担の拡大は通貨リラの印象を更に悪くしてしまう。当局はリラ安に神経をとがらせており、一部報道によれば100万ドル程度の取引でも、外貨の買い手は誰なのかとトルコ中銀が銀行に問い合わせることもある。中銀の外貨準備高が伸び悩んでいるため、思い切った為替介入を実施することもできそうになく、リラ安ドル高の流れを止めるのはなかなか難しい。

 

南アでは電力負荷制限は非常に深刻

南アで行われている電力負荷制限は、昨日も継続されている。市場ではあまり話題にはならなくなっているが、今年の負荷制限は非常に深刻なことで、南ア経済にボディブローのように効いてくる可能性もある。

 

米CPIやPPIはインフレピークの兆候示す

4月の消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)は依然高い水準ながら、3月にピークに達した兆候が一部あらわれ始めた。連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測も後退しつつある。短期金融市場ではFF金利誘導目標が年内3%近くまで上昇することが一時織り込まれていたが、2.7%近辺に低下しつつある。ただ、今後、ウクライナ戦争による食料品や貴金属価格の上昇や中国のロックダウンによるサプライチェーン混乱による影響がインフレの追加上方リスクは残る。上院は連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の再任を承認。議長は、インフレの抑制を公約し、今後、2会合で各50BPの利上げの可能性を繰り返しており、ドルは上昇基調を維持するか。

 

米カリフォルニア州で最低賃金を引き上げ:物価トリガー発動

米カリフォルニア州は、同州にある全ての企業で労働者の最低賃金を2023年1月から引き上げると発表した。州法に組み込まれたインフレ率に応じて自動的に労働者の時給を引き上げるトリガー条項が発動するためで、同条項がはこれまで一度も適用されたことがない。報道によると、カリフォルニア州では中小企業の最低賃金は来年2月に時給15ドルが上限となる予定だった。しかし、州法では米消費者物価指数(CPI)が前年比で7%を超えて上昇すると企業が時給を自動的に50銭と引き上げることを義務付けており、カリフォルニア州の最低賃金は15.50ドルになる予定である。

 

米国市場では5月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値:予想は63.7

参考となる4月実績は、65.2だった。3月確報値59.4から上昇した。賃金見通しが改善していること、インフレ加速の懸念が多少後退したことが要因となった。5月については、ガソリン価格の上昇は抑制されていること、賃金見通し改善の可能性は残されている、インフレ見通しが不透明であることから、4月実績を多少下回る見込み。

 

欧米市場イベント

○15:00   1-3月期ノルウェー国内総生産(GDP、予想:前期比▲1.3%)
○15:45   4月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.4%/前年比4.8%)
○16:00   3月トルコ鉱工業生産
○16:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○17:10   センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○17:30   1-3月期香港GDP確定値(予想:前期比▲2.9%/前年同期比▲4.0%)
○18:00   3月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲2.0%/前年比▲1.0%)
○21:30   4月米輸入物価指数(予想:前月比0.6%)
○23:00   5月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:64.0)
○24:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○24:00   ナーゲル独連銀総裁、講演
○14日01:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○14日01:00   シュナーベルECB専務理事、講演
○14日01:00   4月ロシアCPI(予想:前月比1.7%)
○米・東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議(ワシントン、最終日)

 

 

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ