FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:ハイテク株中心に買い戻しの動き

前日の米国株はまちまちで、寄り付きは小幅な上昇した。しかし、すぐに上げ幅を3桁に広げると、買いが買いを呼ぶ展開となった。米国ではネットフリックスが暴落してナスダックが弱かったが、これは前日のうちに織り込んでいたことから、レーザーテックや東京エレクトロンなど大型グロース株に強い見直し買いが入った。また、NYダウが大幅高となったことで、米国株が崩れることに対する警戒も大きく後退した。米長期金利の上昇一服や、NYダウ先物が堅調に推移したことが追い風となった。値がさハイテク株を中心に買われ、上げ幅は一時360円を超えた。前営業日比335円高の2万7553円と3日続伸して終了した。4月第2週(11日~15日)の投資部門別株式売買動向によると、海外投資家(外国人)は863億円の買い越しとなり、買い越しは3週連続となった。個人投資家は178億円の買い越しとなり、買い越しは3週連続となった。信託銀行は2699億円の売り越しとなり、売り越しは3週連続となった。

 

東京外国為替市場:午後になると利益確定やポジション調整のドル売り優勢

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや米長期金利の上昇に支えられ、128.50円付近へ値を上げた。日経平均株価の上げ幅拡大でリスク選好が高まったことも円売りを誘った。その後も、G7声明で為替への言及がなかったことが判明すると、さらにドル買い・円売りが進んで128.64円付近まで値を上げた。ただ、昨日の欧州市場でつけた高値128.71円に接近すると上げは一服した。午後に入ると、このところ政府要人から円安けん制発言が相次いでいるため、利益確定やポジション調整のドル売り・円買いに押されて128.10円台へ軟化した。海外時間に予定されているパウエル米FRB議長の講演や日米財務相会談の内容を見極めたいとのムードが広がった。ユーロ/ドルは、前日にECB当局者から早期の利上げに前向きな発言が伝わったことで、持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが入り、1.08ドル台前半から1.08ドル台半ばへ水準を切り上げた。

 

トルコ中銀が市場の信頼を取り戻すのはかなり難しい

国際通貨基金(IMF)は19日、新興国の多くの中銀がインフレに対処するため、すでに大幅な金融引き締めを実行しているとし、信頼性維持のために継続すべきだと述べた。一方、エルドアン大統領の圧力でトルコ中銀は、昨年9月から4カ月連続で利下げを実施し、インフレ高騰を招いたにもかかわらず、その後も政策金利を据え置いている。現状のままでは、市場の信頼をトルコが取り戻すのはかなり難しいと言える。

 

南アでは洪水の影響と3月CPIが予想を下回りランド売り材料

洪水の影響を徐々に市場が警戒しはじめランドに対して売りが入っている。また、昨日、発表された3月の南アの消費者物価指数(CPI)は、市場予想の+6.0%をわずかに下回る+5.9%となり、こちらもランド売り材料とされた。CPI上昇の要因となったは、輸送価格が前年比で14.3%上昇したこと、燃料価格は前月比で7%超上昇、ガソリン価格は前年比で33%高く、ディーゼル価格も前年比で35%超上昇したことなどがあげられる。一方で、食料品価格の上昇が抑えられたことが、予想に届かなかった一因となっている。

 

メキシコではリチウム国有化法案可決が懸念材料

メキシコ議会は昨日、リチウム国有化法案を可決した。これまで民間企業に委ねていたリチウム鉱床などを政府が管理することになり、外国企業による参入がしづらくなった。現在契約している企業などからの反発は必至と見られ、大きな懸念材料となりそうである。

 

米国中古住宅は低迷傾向に:金利高と価格上昇が主因

全米不動産協会(NAR)が発表した3月中古住宅販売件数は前月比‐2.7%の577万戸と市場予想通り2月593万戸から減少した。2020年5月来で最低となった。住宅ローン金利の上昇に加え、中間価格が37.53万ドルと過去最高を更新したため、購入を躊躇する動きが強まったと見られる。

 

米政策金利を年末までに中立水準まで引き上げ:ベージュブックも正当化

5月FOMCの材料となる米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、インフレ圧力が依然強いが、経済活動の緩やかなペースでの拡大が明らかになった。景気の見通しで、最近の地政学的リスクやインフレで陰りが見えるとした。企業は速やかに仕入れコストの上昇を販売価格に反映していることも明らかになったが、2,3の地区で物価高が売り上げにマイナスに影響しているとの指摘もある。強いペースでの賃金の上昇が減速し始めた兆候を指摘した地区もあり、インフレがピークをつけた可能性もある。ただ、内容はFOMCの引き締めペースを修正するものではなく、FRBは年末に向け金融政策を中立に戻す政策を進めると見られる。

 

欧米市場イベント

○未定     4月月例経済報告
○15:45   4月仏企業景況感指数(予想:105)
○18:00   3月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比7.5%)
○18:00   3月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比3.0%)
○21:30   4月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:21.0)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:18.0万件/145.5万人)
○22:00   マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○23:00   3月米景気先行指標総合指数(予想:前月比0.3%)
○23:00   4月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲20.0)
○22日01:30   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○22日02:00   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、国際通貨基金(IMF)・世界銀行春季会合のセミナーに参加
○ブラジル(チラデンテスの日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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