FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:イベント通過で主力銘柄を中心に幅広く物色

米FOMC事態はタカ派よりとの見方が多いが、ウクライナを巡る停戦交渉の進展への思惑や原油安、中国での政策期待など、外部環境の好転を好感した買いが強まった。イベント通過によって安心感が生じ、主力銘柄を中心に幅広く物色され、日経平均は立会時間中としては3月4日以来となる2万6000円台の回復となった。外国為替市場で円安が進んだことが、輸出関連株に追い風となった。結局、前営業日比890円高の2万6652円と4日続伸して終了した。3月第2週(7~11日)の投資部門別売買動向で、海外投資家(外国人)は9935億円売り越しとなり、3週連続となった。個人投資家は1853億円の買い越しとなり4週連続となった。信託銀行は288億円の売り越しとなり、2週連続となった。

 

東京外国為替市場:ドル売り強まるも底堅い展開で118円台後半でもみ合い

ドル/円は、米FRBがインフレに対処するため、積極的に利上げを実施するとの観測からドル買い・円売りが先行し、119.02円付近まで上昇した。日経平均株価の大幅高でリスク選好が高まったことも、円売りを誘った。ただ、前日のNY市場でつけたおよそ6年1ヵ月ぶりの高値119.12円が視野入りすると上げは一服した。その後は、急ピッチの上昇に対する警戒感から利益確定やポジション調整のドル売り・円買いが持ち込まれ、118.70円付近へ軟化した。東京市場では久しぶりに119円台へ乗せたことで、本邦輸出企業のドル売り・円買いも継続的に観測された。午後に入っても軟調地合いは続き、米長期金利が一時2.13%付近へ低下すると、118.60円付近まで下落した。しかし、日米金融政策スタンスの違いが鮮明になっていることで、本邦輸出企業のドル売り・円買いも継続的に観測された。午後に入っても軟調地合いは続き、米長期金利が一時2.13%へ低下すると、118.60円付近まで下落した。ただ、日経平均株価の上げ幅拡大やアジア株高を好感した円売りも見られ、118.80円付近まで持ち直した。ユーロ/ドルは1.10ドル台前半で小幅なもみ合い相場となった。

 

21年12月末の家計金融資産:初の2000兆円台

日銀が発表した2021年10~12月期の資金循環統計(速報)によると、家計が保有する金融資産の残高は21年12月末時点で前年比4.5%増の2023兆円だった。増加は7四半期連続で、残高はこれまで最高だった21年9月末時点の水準(1999.8兆円)を上回って過去最高を更新し、初めて2000兆円の大台に乗せた。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で家計が消費を抑制したほか、年末のボーナス支給もあって現金・預金が積み上がった。株高や円安傾向を背景に株式や投資信託、保険・年金・定型保証の残高も増えた。家計の金融資産の内訳をみると、現金・預金の残高は3.3%増の1092兆円と、過去最高を更新した。保険・年金・定型保証は1.0%増の540兆円、投資信託は20.4%増の94兆円で、ともに残高は過去最高だった。株式などは15.5%増の212兆円だった。

 

トルコの金融政策決定会合に注目:予想は金利据え置き

トルコ中銀の金融政策決定会合が注目されます。政策金利は3会合連続の14.00%で据え置きが大方の市場予想である。一昨日に広まった利上げの噂は、噂の域を出ない。しかしながら一部のトルコメディアは、金融政策委員会(MPC)が利上げの可能性について議論するのではないかと報じており、いつも以上に声明内容が重要視される。 足もとのインフレ率が54%台を超え、年央には65%に達するという見通しも出ているため、金融引き締めについて話し合うというのは正当な方向性である。しかしながら、自身を金利の敵と呼ぶエルドアン大統領の考えが変わるとも思えず、カブジュオール中銀総裁がそれにあらがうということも想像できない。トルコ中銀が独立性を取り戻すことができれば、確かにリラにとってはかなりのプラス要因となる。ただ2023年の選挙のことで頭がいっぱいのエルドアン大統領が、金融政策に圧力かけ続けることが予想されるため、あまり期待を膨らまさない方が良い。

 

南ア準備銀行と日銀との金融政策の違いは顕著:来週の利上げ幅が注目点

市場では日米の金融政策の違いが着目されているが、南ア準備銀行(SARB)と日銀との間でも金融政策の違いは顕著である。昨日、南ア自動車協会(AA)が『4月には記録的なガソリンとディーゼルの値上げが検討されている』との見解を発表したが、インフレ懸念が高まる中で、来週のSARB金融政策委員会(MPC)での利上げ幅が注目される。なお、昨日発表された南アの小売売上高は市場予想を上回る好結果だった。市場の反応は限定的だったが、インフレ高進の中で小売りが弱まらなかったことは、南アにとってはポジティブな要因と言える。

 

メキシコのエコノミストはインフレ率が今年末に10%付近まで上昇と警告

メキシコの民間エコノミストは先週、メキシコのインフレ率が今年の年末までに10%付近まで上昇する可能性があるとの見解を示した。ロシアによるウクライナ侵攻によって世界的に資源・原材料価格が高騰しており、メキシコでも前週に発表された2月消費者物価指数は前年比で7.28%まで上昇した。メキシコ銀行(中央銀行)のインフレ目標(3.0%±1.0%)を大きく上回る状況が続いている。メキシコ系金融機関のエコノミストによると、ロシアのウクライナ侵攻が世界的なサプライチェーンに与える影響には大きな不確実性があり、ウクライナ危機が長引くことになればメキシコのインフレ率も10%が視野に入ってくる。この見方はメキシコ中銀が四半期報告で示した見通し(現在の7%台から年末にかけて4%程度まで鈍化し、2023年半ばにはインフレ目標内に落ち着く)と大きくかけ離れているが、今後のインフレ推移がエコノミストのシナリオへと傾いていけば、中銀も一段の金融引き締めを迫られることになる。

 

米オキシデンタル株を買い増し:ウォーレン・バフェット氏

著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが米石油大手オキシデンタル・ペトリアム株を買い増していたことが分かった。16日に米証券取引委員会(SEC)に提出した資料によると、バークシャーは14~16日に約1810万株を取得した。16日時点で保有株数は約1億3640株となり、この日の終値で計算すると時価総額は約72億ドル(8500億円程度)になる。米経済誌バロンズによると、保有比率は14.6%に達するという。バークシャーは3月に入ってからオキシデンタル株の購入を加速しており、2~16日の取得株数は約1億600万株となった。

 

FOMCは22年に7回の利上げを予想:FRBはタカ派姿勢

連邦準備制度理事会(FRB)は市場の予想通り政策金利(フェデラルファンドFF金利の誘導目標)を0.25ポイント引き上げ、0.25-0.50%に決定した。経済活動や労働市場の改善が継続しており、インフレは引き続き上昇するとの見解が背景となる。声明では、ブラード・セントルイス連銀総裁が50ベーシスポイントの利上げを主張し、決定に反対に投じたことが明らかになった。パウエル議長はバランスシート政策を早くて5月にも発表するとした。 FRB予測では2022年の見通しで、国内総生産(GDP)の成長見通しが前回12月の4.05%から2.75%へ引き下げられた。一方で、PCE価格指数は+4.4%と、12月+2.6%から大幅に引き上げられており、さらに、メンバーの金利見通しも引き上げられた。本年平均で7回の利上げを予想しており、12月の3回から大幅引上げた。

 

欧米市場イベント

○17:00   1-3月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数
○18:30   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○19:00   2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比5.8%)
○19:00   2月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比2.7%)
○19:15   レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:14.00%で据え置き)
○21:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.75%に引き上げ)
○21:00   英中銀MPC議事要旨
○21:00   クノット・オランダ中銀総裁、講演
○21:30   2月米住宅着工件数(予想:170.0万件、前月比3.8%)
          建設許可件数(予想:185.0万件、前月比▲2.4%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.0万件/148.0万人)
○21:30   3月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:15.0)
○21:45   シュナーベルECB専務理事、講演
○22:15   2月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.5%)
          設備稼働率(予想:77.8%)
○23:30   ビスコ伊中銀総裁、講演

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