FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

中国の7月鉄鋼生産は過去最高:高値推移で増産

世界の鉄鋼の半分強を供給する中国生産が7月に過去最高を記録した。鉄鋼価格が6年ぶりの高値を付け、その恩恵を受けるためメーカー各社が増産体制となった。国家統計極が発表したデータでは、7月の粗鋼生産は前年同月比7.2%増の8124万トンとなった。日量ベースでは2562万トンとなった。6月は日量267万3000トンと過去最高を記録していた。1-7月の生産は5億3290万トンと前年同期比で6.3%増となった。

 

日経平均株価:先物の買戻しが継続的に入り大幅上げ

トルコリラ急落一服により前日の欧米株式市場の連鎖安とはならなかった。前日の『トルコショック』で先物売りに大挙した海外短期筋の先物への買戻しが継続的に入ったほか、為替市場で1ドル=110円台後半まで円安が進んだことを好感された。前日の下げ幅を回復する上げとなった。結局、前日比498円高の2万2356円と大幅反発で取引が終了した。

 

東京外国為替市場:日経平均株価高でリスク選好の円売り方向

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられ、一時110.87円まで上昇した。米長期金利が小幅ながら上昇したことも、ドル買いにつながった。ただ、午前中に発表された中国の経済指標が市場予想を下回ると上げは一服し110.80円前後でもみ合い相場となった。午後は日経平均株価の大幅高をながめて110.90円前後までじり高となった。ただ、前日のNY市場の高値110.95円が戻り目処として意識されると上値が重くなった。ユーロ/ドルは、1.410ドル前後で方向感のない展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

欧州市場では4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値が公表

1-3月期との比較で4-6月期の経済成長は多少持ち直した。設備投資はまずまず順調だった。改定値では在庫調整やサービス輸出減少の影響などを考慮しても速報値2.1%から下方修正される可能性は低いと見られる。

 

ブリッジウォーターの4-6月金ETFの持分維持

金市場から資金が流出し金価格が下落する中、資産家でヘッジファンド運用者のレイ・ダリオ氏は、金を裏付けとする二つの主要上場投資信託(ETF)の持分を維持した。規制当局への届出によれば、最大の金連動型ETF『SPDRゴールド・シェアーズ』のダリオ氏率いるヘッジファンド運用会社ブリッジウォーター・アソシエーツによる持分は6月30日時点で390万口、2番目に規模の大きい『iシェアーズ・ゴールド・トラスト』の持分は1130万口となっている。4-6月にSPDRゴールドからは10億ドル(約1100億円)余りが引き揚げられた。

 

ドルの弱気は敗北宣言相次ぐ

トルコ危機やイタリア政権指導者らとEUのあつれきで、ドル弱気派は敗北を認めざるを得なくなった。質への逃避が止まらなくなっている。TDセキュリティーズは2018年初めに勧めたG10通貨収れんトレードの推奨を撤回した。ユーロとスウェーデン・クローナ、ニュージーランド・ドルの米ドルおよびスイス・フランに対する10%上昇を見込んだ同取引では、4%を超える損失が出ていた。モルガン・スタンレーもドル弱気を捨て、貿易摩擦や中国の減速、米国の流動性タイト化などがいずれも新興市場通貨に対するドル高を促すととの見方に転じた。

 

米国市場では7月の輸入物価指数が公表

米国の7月では原油価格などの資源価格が上昇したほか、米政府による輸入品関税の増強が見られた。関税拡大を警戒した駆け込み需要の増加もあり、輸入物価は上昇が注視される。同じ7月分の米消費者物価指数(CPI)では、食品とエネルギーを除いたコア指数が前年比+2.4%となり、2009年9月以来の高い伸び率となっていた。一方で、米国ではドル高止まりとなっており、グローバルな物価下落要因となる。すでに米国での緩やかな物価上昇を織り込まれつつあり、想定ほどは上昇しない場合はサプライズの反応が出る可能性もある。

 

欧米イベント

○15:00   4-6月期独国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.4%/前年同期比2.1%)
○15:00   7月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.3%)
○15:30   7月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比5.24%)
○15:45   7月仏CPI改定値(予想:前月比▲0.1%/前年比2.3%)
○16:15   7月スイス生産者輸入価格
○17:30   7月英雇用統計(予想:失業保険申請件数推移▲3800件/失業率2.5%)
○17:30   4-6月英失業率(ILO方式、予想:4.2%)
○18:00   6月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲0.4%)
○18:00   4-6月期ユーロ圏GDP改定値(予想:前期比0.3%/前年比2.1%)
○18:00   8月独ZEW景況感指数(予想:▲20.7)
○18:00   8月ユーロ圏ZEW景況感指数
○21:30   7月米輸入物価指数(予想:前月比0.1%)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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