FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:ウクライナとロシアの停戦協議への期待で買い支え

週末に欧米などがロシアの一部銀行を国際銀行間の送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除すると合意し、朝方には世界経済への影響を見極めたいムードが強まって狩猟の大型株や半導体関連で売りが先行し、指数の重石になった。その後は、ウクライナとロシアによる協議進展への期待感が支えとなり、前週末の終値を挟んだ一進一退の不安定な値動きとなった。ウクライナとロシアの停戦協議への期待から買いもが入り上昇して終了した。結局、前営業日比50円高の2万6526円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:115円台半ばでもみ合い相場

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、115.65円付近へ小幅に値を上げた。しかし、日本時間午後に予定されているロシアとウクライナの停戦協議を見極めたいとの雰囲気もあり、上値を追う動きは限られた。その後、利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いに押され、115.40円台へ下落した。海外メディアが『ベラルーシがロシア支援のため、ウクライナに派兵を準備している』と報じたことも、リスク回避の円買いを誘った。午後は日経平均株価や米長期を睨みながら、115.50円台を中心とする狭いレンジ相場となった。ユーロ/ドルは、26日に米欧などが国際銀行間の送金・決済システム(SWIFT)からロシアを排除する方針を決定したことで、欧州経済が打撃を受けるとの思惑から持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いが入り、1.11ドル台後半から1.11ドル台半ばへ水準を切り下げた。

 

前週のFX概況でドル買い比率は低下

QUICKが28日に算出した外国為替証拠金(FX)5社合計(週間)の建玉状況によると、円に対するドルの買い比率は51.1%と前の週末から9.3ポイント低下した。米金利の先高観を受けて円安・ドル高が進む場面で、相場の流れに逆らう『逆張り』傾向の個人投資家は円買い・ドル売りの持ち高を増やした。他の通貨ペアでも外貨の買いを減らす動きが目立った。『ユーロ・円』取引ではユーロの買い比率が26.7%と1.5ポイント低下した。円に対するオーストラリアドル買い比率は8.4ポイント低い57.2%だった。

 

経済指標は3日発表の2月トルコ消費者物価指数(CPI)が注目される

留まるところを知らないトルコの物価上昇も、通貨リラを非常に買いづらくさせている。2月消費者物価指数(CPI、前年比)はついに50%超えが現実味を帯びてきた。基本的な食品の付加価値税引き下げなどの政策も、インフレ減速に繋がりそうにない。望まれるのはやはり、中銀が独立性を取り戻し、正統的な金融政策に立ち返ることである。なお、トルコ中銀が先週発表した週間データによれば、ネットの外貨準備高は198億ドルと前週158.2億ドルから大きく拡大した。この規模は、中銀がリラ買い外貨売り介入を実施し始めた昨年12月前半の水準に近づいている。今後の推移を見守る必要が依然としてあるが、準備高の改善はトルコ金融市場にとってポジティブな材料である。

 

南アランドは引き続きコモディティ価格変動に左右する相場

今週は28日の1月貿易収支や、各種PMI以外は経済指標の発表もない。南ア国内要因で相場を動意づけるのは難しく、引き続きウクライナ情勢による株価の値動きや、プラチナ価格を中心としたコモディティ価格動向がランドの動きを左右する相場になる。 なお、ロシアのウクライナ侵攻による南アへの影響については、石油が南ア最大の輸入品目であるため、消費者に直接影響を与えるのはガソリン価格の上昇と見込まれている。特に最貧層にはガソリン価格上昇に打撃を与えるとされている。また、ロシアとウクライナは世界の小麦輸出の25%から30%を占めていることもあり、穀物価格の上昇も懸念される。

 

ロドリゲスメキシコ中銀総裁の新体制での金融政策決定会合議事要旨

先日行われた6会合連続での利上げを決定した、ロドリゲス新体制での金融政策決定会合の議事要旨が公表された。すべてのメンバーが今年と来年のインフレ期待が再び高まったことを言及し、そのうち一人のメンバーは一時的なインフレとして対応すべきではないと発言したことが伝わっている。ついにこれまでの一時的なインフレとの認識を変更したメンバーが現れた。なお、中銀メンバーで唯一、0.25%と小さい利上げ幅を主張したエスキベル副総裁は11月にインフレ率がピークを付けてその後は鈍化していることを挙げて0.25%の利上げで十分と判断した。また、米連邦準備理事会(FRB)よりも先立って金融引き締めに動いていることを懸念しているとも述べていた。

 

米3月の利上げは『0.25%』予想が最多:QUICK月次調査

QUICKが28日に発表した2月債券月次調査によると、米連邦準備理事会(FRB)が3月に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅の予想は『0.25%』との回答が82%と最も多かった。『0.50%』との回答は18%にとどまり、政策金利を据え置くとの予想はゼロだった。

欧州中央銀行(ECB)の金融政策を巡っては、資産買い入れの停止時期が『2022年後半』との予想が66%で最多だった。『22年前半』が30%、『23年前半』が9%で続いた。

 

欧米市場イベント

○16:00   10-12月期スウェーデン国内総生産(GDP、予想:前期比1.4%)
○16:00   10-12月期トルコGDP(予想:前年比9.0%)
○16:00   1月トルコ貿易収支(予想:104.0億ドルの赤字)
○16:30   1月スイス小売売上高
○17:00   10-12月期スイスGDP(予想:前期比0.3%/前年比3.7%)
○17:00   2月スイスKOF景気先行指数(予想:108.5)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○20:30   パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○21:00   1月南アフリカ貿易収支(予想:173億ランドの黒字)
○21:00   10-12月期インドGDP(予想:前年同期比6.0%)
○21:00   1月メキシコ失業率(季節調整前)
○22:30   10-12月期カナダ経常収支(予想:22.0億カナダドルの黒字)
○22:30   1月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比1.0%)
○22:30   1月カナダ原料価格指数(予想:前月比5.0%)
○22:30   1月米卸売在庫(予想:前月比1.3%)
○23:45   2月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:63.0)
○1日00:30 ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○ブラジル(カーニバル)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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