FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

中国の生産者物価指数(PPI)と消費者物価指数(CPI)は予想を上回る

中国の国家統計局が発表した7月のPPIは前同月比+4.6%上昇となり、市場予想の+4.5%上昇を上回った。先月、商品相場が下落したにもかかわらず、市場予想を上回る上昇となった。また、CPIは前年同月比+2.1%増となり市場予想の+2.0%上昇を上回った。CPIの伸びや中国人民銀行の目標上限である3%を引き続き下回っており、この点で金融政策が近い将来直面する困難な課題がほとんどないことを示唆している。食品・エネルギーを除いたCPIは3ヵ月連続で前年同月比+1.9%の上昇となった。

 

日経平均株価は上海総合株価指数の上昇を好感も上値重い

前日のNYダウが反落したことを嫌気した売りや予想を下回った日6月機械受注の民需(前月比▼。8%)を嫌気した売りが優勢となり一時下げ幅を147円へと広げた。しかし、上海総合株価指数が大幅高となったことで、リスク回避ムードが弱まった。結局、前日比45円1万2598円と小反落して終了した。本日から始まる日米閣僚級の『FFR』を控え様子見ムードも強かった。

 

東京外国為替市場:日米通商協議を控え上値の重い展開!

ドル/円は、米中貿易摩擦が激化するとの警戒感から調整色が強まり、一時110.71円近辺まで下落した。日経平均株価の下げ幅が一時100円を超えたことや米長期金利が低下したことも、ドル売り・円買い要因となった。午後は、日経平均株価の底堅い動きや米長期金利の低下一服をながめてショートカバーが入り、111.03円まで急反発した。上海総合指数の上昇も、、リスク回避姿勢を和らげて円売りが優勢となった。しかし、今日から始まる日米通商協議(FFR)を控え、上値では利食い売りも見られ、111円を挟んでもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.16ドル台前半で方向感のない展開が続いた。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米国の中間選挙に向けて懸念が広がる

米国の5つの州、オハイオ、ミシガン、カンサス、ミズーリ、ワシントンでは、予備選挙・特別選挙が実施された。結果は、波乱を呼んでいるトランプ政権の移民や貿易政策に関する国民の判断が明らかになると注目されている。また、今年11月に実施される中間選挙の指針ともなる。共和党が果たして、下院の過半数を維持できるかどうか懸念されている。特にオハイオ州12地区の特別選挙では、民主党候補の躍進で票が拮抗し、いまだに勝敗が決められない状況となっている。この地区は共和党支持が過去30年以上続いている。また、トランプ大統領は11%ポイントの差をつけて勝利した。中間選挙に向け、民主党は楽観的な見方を強めつつある。万が一、中間選挙で共和党が議席を失った場合、トランプ大統領の敬愛政策が滞る可能性が懸念される。

 

米国市場では7月のPPI(生産者物価指数)が公表

7月にかけて、原油などの資源相場上昇が続いた。米国による輸入関税増強などもあって、緩やかな物価の上昇が注視される。一方で、7月の雇用統計で、平均賃金が伸び悩んだ。ドル高や中国などの世界景気減速も、物価の抑制要因となりやすい。ITハイテク化やロボット化などの構造的な低インフレ圧力もあり、改めて物価の落ち着きが示される可能性もある。市場予想では前年比+3.4%、コア指数は同比+2.8%となっている。物価上昇率は6月実績と同水準になると予想されている。

 

欧米イベント

○17:00   欧州中央銀行(ECB)月報
○21:15   7月カナダ住宅着工件数(予想:21万9500件)
○21:30   6月カナダ新築住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:22万件)
○21:30   7月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比3.4%)
        食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.8%)
○22:00   7月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.53%)
○23:00   6月米卸売在庫(予想:前月比横ばい)
○23:00   6月米卸売売上高(予想:前月比0.2%)
○10日02:00   米財務省、30年債入札(180億ドル)
○10日02:00   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○日米新貿易協議(FFR)
○南アフリカ(女性の日)、休場

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