FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米FOMC議事要旨発表控え様子見ムード広がる

米ハイテク株安の流れを引き継いだ半導体製造装置関連株の下げが重石となり、小安く始まった。一方、円安進行を追い風に自動車など輸出関連株がしっかりとなり、相場を支援した。また、金利上昇を受けて銀行や保険といった金融株もしっかりとなった。ただ、米国での連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月14-15日開催分)の発表を前に次第に様子見ムードが広がった。結局、前営業日比30円高の2万9332円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:利食い売りでもドル/円の下値は限定的

ドル/円は、急ピッチの上昇に対する警戒感から利食い売りなどに押され、115.90円台へ軟化した。NYダウ先物がさえない動きとなったことも、ドル売り・円買いを誘った。ただ、日米金融政策スタンスの違いが意識されているため、下値を追う動きは限られた。沖縄県が『新型コロナウイルスの新規感染者が暫定で600人前後に達する見通し』と報じたものの、ドル/円相場の影響は限定的だった。午後は、日経平均株価の底堅い動きを眺め、116.00円付近でもみ合う展開になった。米FOMC議事要旨の発表を控えて、積極的にポジションを傾けにくくなった。ユーロ/ドルは、1.1290ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相になっている。

 

中国本土不動産企業の12月販売は前年同月比34%減

ジェフリーズは最新リポートで、調査会社・克而瑞のデータを引用し、カバーする本土系不動産企業の2021年12月の成約販売額が前年同月比34%減となり、予想を下回ったと指摘した。そのうち中国恒大集団(03333)は成約額がゼロだったほか、新力控股集団(02103)は96%減、佳兆業集団(01638)は95%減、中国奥園集団(03883)は73%減、世茂集団(00813)は68%減、広州富力地産(02777)は65%減といずれも大幅に落ち込んだ。通年の販売額は2%増にとどまり、85%の不動産デベロッパーが通年目標を達成なかったという。『経済通』が4日伝えた。ジェフリーズは、2022年上半期に政策面や融資面の支援の強化を受けて、不動産デベロッパーの販売と流動性にかかる圧力が緩和するが、1-3月期には質の低い企業が債務不履行(デフォルト)に陥る可能性があるとした。もっとも、ジェフリーズは楽観的な見方を維持し、向こう3-6月間にセクターのバリュエーションが回復すると予想した。

 

トルコではリラを手放す動きが止まらない

トルコのインフレ高騰を受けて同国国債利回りも大きく上昇しているが、実質金利マイナス幅は広がっており、通貨リラを手放す動きは止まらない。また短期から長期に渡り幅広くトルコ金利が上昇したことに伴う企業の借り入れ負担増が、トルコ経済の足かせになるとの懸念が高まっている。エルドアン政権が自国通貨の支援策として打ち出した『為替リンクの個人用リラ建て預金』ですが、市民の興味は政権が思うほど高くない。ネバティ財務相は昨日、2週間で840.5億リラが預金保護策に対応する3-12カ月の定期預金に預けられたと述べた。この預入額は、トルコメディアによると、先月に銀行監督庁が発表したトルコの総銀行預金の約1.7%に相当し、総リラ建て預金1兆8500億リラの約4.5%に留まっている。エルドアン大統領が自信をもって始めた策がスロースタートなのはやはり、預金スキームの不透明さ、政権への不信感がある。預金保護策の効果が想定より弱いとなれば、政府は早急に新たな策を出さねばならない。先週末にトルコ大統領府財政局の局長が検討しているとした物価連動債が現実味を増してくるかもしれない。

 

南アへの渡航制限の解除は通商面などポジティブ材料

昨日よりドイツが南アへの渡航制限を解除した。11月下旬にオミクロン株の感染が確認されて以来、英国を皮切りに約70カ国が南アへの渡航制限を実施した。すでに、米国、カナダ、オランダ、デンマークなどの国々は同制限を解除しているが、まだ多くの国では維持されたままである。しかし、昨日のドイツなど徐々に解除される国が増加していくことは、南アにとっては通商面などを中心にポジティブ材料となりそうである。

 

利上げ期待がメキシコペソの下支え

ファンダメンタルズ面から言っても、オミクロン変異株の世界的な感染拡大が広がっているものの、重症化のケースが少ないことから楽観論が優勢となっており、金融市場におけるリスク選好のムードが継続していることはペソの追い風になる。また、週末7日に最新のCPI発表が予定されているが、2001年1月以来の高水準を付けた前月からさらに上昇し7.45%前後と予想されている。2022年に入っても止まらないインフレを受けてすでに5会合連続で利上げしている中銀に対するさらなる期待感もペソ買いを後押しする。

 

米国では高賃金求め転職ラッシュ

米労働省が4日発表した2021年11月の雇用動態調査(JOLTS)によると、非農業部門の求人件数(季節調整済み、速報値)は1056万2000件で、前月から52万9000件減少した。一方、自発的離職者数は452万7000人と37万人増え、過去最高を更新した。労働市場の逼迫で賃金が上昇しており、よりよい条件の職を求めて転職をする人が増え続けている。アトランタ連邦準備銀行の賃金伸び率トラッカー(12カ月移動平均、中央値)によると、11月は仕事にとどまった人の賃金伸び率が3.2%だったのに対し転職者は4.3%に達しており、転職が賃金上昇につながっている。企業にとっては既存労働者をつなぎとめたり新規労働者を確保したりするために賃上げをせざるを得ない。それがコスト上昇につながり、製品やサービスの値上げを通じてインフレを一段と加速させている側面もある。

 

NY連銀発表の新指標ではインフレのピークアウトを示唆

ニューヨーク連銀が1月4日に発表した『グローバル・サプライ・チェーン・プレッシャー・インデックス(GSCPI)』によると、高インフレの主因とみられている世界のサプライチェーン(供給網)に対する圧力はピークに達した可能性がある。NY連銀のGSCPIは欧米アジア間の輸送料や航空運賃など27の変数に基づいているが、輸送料の上昇がここ数カ月で鈍化し始めていることが確認されている。

 

米国市場では米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月14-15日開催分)

資産買入れの段階的縮小(テーパリング)加速のほか、利上げ時期に関する議論が注目される。

 

欧米市場イベント

○16:45   12月仏消費者信頼感指数(予想:97)
○17:50   12月仏サービス部門PMI改定値(予想:57.1)
○17:55   12月独サービス部門PMI改定値(予想:48.4)
○18:00   12月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:53.3)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:15   12月ADP全米雇用報告(予想:40.0万人)
○22:30   11月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比2.3%)
○23:45   12月米サービス部門PMI改定値(予想:57.5)
○23:45   12月米総合PMI改定値
○6日00:30   EIA週間在庫統計
○6日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月14日-15日分)
○ロシア(新年休暇)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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