FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:売り持ち高の買い戻しで上昇幅拡大

新型コロナウイルスの新たな変異株『オミクロン株』への過度な警戒感が和らいだことを受け、景気敏感セクターを中心に買い戻しが優勢となった。新規の材料が少ないことから、買い一巡後はNYダウ先物やアジア株などの外部環境の動向を見極めながら上下する展開になった。ただ、最近の下落局面で売り持ち高を増やしていた投資家の買い戻しの動きも広がり、上げ幅は690円を超える場面もあった。結局、前営業日比528円高の2万8455円で終了した。上げ幅は11月1日(754.39円)以来の大きさだった。

 

東京外国為替市場:リスク選好の円売りが優勢

ドル/円は、本邦輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の大幅高に支えられ、113.60円付近へ上昇した。米長期金利が小幅に上昇したことも、ドルの押し上げにつながった。ただ、上値では短期筋による利食い売りみ見られ、113.40円台へ押し戻された。午後に入ると、日経平均株価の上げ幅拡大を眺めたドル買い・円売りが優勢になり、一時113.73円付近まで上昇した。ユーロ/ドルは、1.1290ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国の11月米ドル建て輸出は市場予想上回る

中国の税関総署が本日発表した2021年11月の米ドル建て貿易統計は、輸出が前年同月比22.0%増だった。市場予想の19.0%増を上回り、前月の21.1%増から伸び率がわずかに加速した。一方、輸入は31.7%増で、前月の20.6%増から加速し、予想を19.8%増を上振れた。貿易黒字は717億1000万ドルと市場予想の827億5000万ドルを下回った。

 

トルコ中銀は来週会合で追加利下げを決定する可能性高まる

エルドアン大統領は週末、不安定な外国為替とインフレ率はまもなく安定すると、トルコ南東部の都市シイルトで聴衆に向かい語った。そして大統領は、『エルドアンは、昨日も低金利と言い、今日も低金利と言い、明日も低金利というでしょう』と発言、『この点について妥協しない、なぜなら金利は金持ちを金持ちに、貧乏人を貧乏人にするから』と述べた。トルコ中銀・金融政策委員会(MPC)は大統領に支配されており、足もとのインフレが21%台まで上昇しているにもかかわらず、来週会合で追加利下げを決定する可能性は更に高まった。カブジュオール・トルコ中銀総裁は来年1月から金融緩和を休止すると述べたが、この無謀な金融政策をできる限り早く止めることができなければ、リラの下値余地は更に大きく広がってしまう。

 

南ア7-9月期国内総生産が発表:動意づくかは不透明

経済指標では南アの7-9月期国内総生産(GDP)が発表される。通常ならば市場の再大注目となる指標だが、今回はどの程度市場が動意づくかは不透明ところである。新型コロナウイルス・オミクロン株の影響で南ア経済が再び悪化することが予想されている状況で、今回の結果が市場予想よりも好結果だとしても市場は反応が難しい。市場予想では前年のパンデミック禍と比較すると回復するとの期待で、前年比では3.8%程度増加すると予想されている。前月比では、7月には暴動により一時的に経済が麻痺した影響で1.0%程度の減少を予想している。

 

トルコ中銀は5会合連続利上げの可能性:ペソの下値は底堅く

メキシコ中銀は先週の四半期インフレリポートで中長期的には見通しの引き上げはなく、インフレは短期的との見方は変えていないが、短期的には今年や来年初旬のインフレ率を大幅に上方修正した。目先のインフレは止めることが出来ず、対抗策としての利上げ政策はしばらく続くとの市場の予想は変わっておらず、来週会合での5会合連続利上げの可能性はあり、金融市場が引き続き落ち着けば利上げ期待と重なってペソの下値は堅くなりそうである。一方、世界各国でオミクロン株の感染が確認し始める中で一段の感染拡大でリスク回避ムードが再び高まれば、ペソの下落は避けられない。

 

米国市場では10月貿易収支が公表:予想は▲667憶ドルの赤字

9月実績は▲809憶ドルで赤字額は過去最大となった。財の輸入額は増加したが、産業用資材や原油の輸出額が減少したことが要因となった。10月については、輸入額の反動減が予想されていることや、産業用資材の輸出額が増えるか可能性があるため、貿易収支は改善する見込みである。

 

欧米市場イベント

○15:45   11月スイス失業率(季節調整前、予想:2.6%)
○16:00   10月独鉱工業生産(予想:前月比1.0%/前年同月比▲2.9%)
○16:45   10月仏貿易収支(予想:69.00億ユーロの赤字)
○16:45   10月仏経常収支
○18:30   7-9月期南アフリカGDP(予想:前期比年率▲1.0%/前年同期比3.8%)
○19:00   12月独ZEW景況感指数(予想:25.3)
○19:00   12月ユーロ圏ZEW景況感指数
○19:00   7-9月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値(予想:前期比2.2%/前年比3.7%)
○22:30   10月カナダ貿易収支(予想:20.7億カナダドルの黒字)
○22:30   10月米貿易収支(予想:670億ドルの赤字)
○22:30   7-9月期米非農業部門労働生産性・改定値(予想:前期比▲4.9%)
○24:00   11月カナダIvey購買部協会景気指数
○8日03:00   米財務省、3年債入札
○8日05:00   10月米消費者信用残高(予想:260.0億ドル)
○米露首脳会談(オンライン)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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