FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:午後から景気敏感株買いで上昇幅広げる

日経平均株価は反発して寄り付いたが、値がさ株の下落が重石になったほか、NYダウ先物が軟化する中、買い一巡後に短時間でマイナスに転じた。その後は、前日終値を挟んだ往来相場が続いた。午後になると、新型コロナウイルスの治療薬を巡る報道も支援材料となり、景気敏感株をはじめ幅広い銘柄に買いが入った。結局、前営業日比276円高の2万8029円とこの日の高値で終了した。

 

東京外国為替市場:113円台前半でもみ合い相場

ドル/円は、米国で新型コロナウイルスの変異株(オミクロン株)の感染者が相次いで確認されたことから、リスク回避のドル売り・円買いが先行し、113円を割り込んで112.96円付近まで下落する場面があった。しかし、前日に米FRB要人からテーパリングの加速に前向きな発言が伝わり、日米金融政策スタンスの違いが意識されているため、下値を追う動きは限られた。その後は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、113.10円台へ値をもどした。午後になると、日経平均株価の上げ幅拡大を眺めたドル買い・円売りが持ち込まれ、113.25付近へじり高となった。米長期金利が持ち直したこともドルを支えた。ユーロ/ドルは、1.1300ドル近辺で方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

国内生保のドル建て資産ヘッジ比率は11年間で最低

国内の大手生保のドル建て資産に対するヘッジ比率が過去11年間で最低水準となっている。日本と米国の金融政策の方向性の違いなどを背景に、当面の円高リスクに対する警戒感が弱まっていることがうかがえる。ブルームバーグが半期決算を基に集計したところによると、生保9社の9月末時点でのドル建て資産に対する為替ヘッジ比率は41.5%と3月末時点の42.1%から低下。ドル・円のヘッジコストが歴史的低水準にとどまっているにもかかわらず、2010年以降の最低となった。9社が保有するドル建て資産は3707億ドルと3月末から2.1%増加した。

 

トルコ中銀は4会合連続の利下げか

新たなトルコ財務相に任命されたネバティ氏は副財務相時代からエルドアン大統領の低金利政策に賛同していた。大統領の周囲が『イエスマン』で固められたことで経済・財政・金融政策への不信感が更に強まり、リラ保有の躊躇に繋がったという面もある。一部通信社によると、カブジュオール・トルコ中銀総裁は昨日の投資家との電話会議で、9月から進めてきた積極的な金融緩和を来年1月以降は休止する考えを示した。ただ再来週の金融政策決定会合については、『追加利下げ余地は限られている』と述べるに留まった。つまり、小幅ながらも4会合連続の利下げはあり得るとも捉えられる。

 

トルコ市場では11月の物価指数(CPI・PPI)が公表

本日発表予定の11月トルコ消費者物価指数(CPI)に関し、市場は前年比総合が20%後半まで加速すると予想した。中銀・金融政策委員会(MPC)がこの秋から政策決定で重要視し始めたCPIコアも、前回16%後半から一部予想では17%半ばまでの上昇が見込まれている。生産者物価指数(PPI)にいたっては、10月の46%台から49%まで上昇ペースが上がると見る向きもいる。インフレ高進が続く状況のなか、小幅ではあるとしてもMPCによる追加利下げの可能性が残っているようでは、リラ相場の反発力が強まるとは考え難い。

 

南アではオミクロン株の感染者拡大でランドの重石に

米国をはじめ、オミクロン株の感染拡大を楽観視している国もあるが、南アは楽観視することが出来ない。昨日の南ア国内の感染は1万1815件となり、一昨日の8561件を上回っている。連日感染拡大が続き歯止めが立たない状況にある。また、南アへの渡航禁止が南ア経済に与える影響も深刻で、南アの夏休みシーズン(南半球のため現在が夏)の観光業務にも影響を及ぼし、すでに10億ランド以上の損害が出ているとされている。オミクロン株に対する詳細が判明するまでは、各国とも南アとの渡航禁止解除などを進めることもできないことで、仮に他国で感染拡大が無かった場合でも南アの一人負け状態は継続しそうである。

 

メキシコ中銀は次回会合での5回連続利上げの可能性

メキシコ中銀が四半期インフレリポートを発表し、今年の第4四半期のCPI予測が前回の+5.7%から+6.8%まで大幅に上昇修正された。また、2022年に関しては第1四半期から第3四半期までは大幅に上方修正する一方で、第4四半期は若干の下方修正、2023年はほぼ据え置くなどの見通しを示した。中期的にはインフレ見通しの変更はないが、短期的には大幅にインフレ予想が引き上げられたことで専門家の間では次回会合での5連続利上げの可能性が現実味を帯びてきたとの声が聞かれている。

 

中国企業を米国市場から締め出す取り組みを一方進める

米証券取引委員会(SEC)は2日、外国企業に米当局の会計監査受け入れを義務付ける新規則について、導入に向けた最終的な計画を発表した。会計監査を受け入れない場合、3年以内にニューヨーク証券取引所(NYSE)またはナスダックから上場廃止となる恐れがある。米当局は2002年からこの要求を行っているが、受け入れていないのは中国と香港の企業だけである。新規則は上場廃止対象となる企業の特定方法や、上場廃止の手続きなどが定められている。導入されれば、200社余りが米市場から締め出される可能性があり、米国預託証券(ADR)が取引されているアリババグループや百度もこれまで米当局の監査を受け入れてこなかった。

 

米上院の予算案可決で2月まで政府閉鎖回避へ

米議会上院は、新たなつなぎ予算案を可決したと、米メディアが報じた。来年2月18日までの政府資金を手当てする内容で、政府機関の一部閉鎖という事態はひとまず回避される見通しとなった。米下院は2日に可決済みで、この後バイデン大統領が署名すれば成立する。3日が現行のつなぎ予算の期限だった。

 

米国市場では11月雇用統計が公表:予想は非農業部門雇用者数+50.0万人

11月中旬における新規失業保険申請件数は27万件程度と前月同時期との比較で2万人程度減少した。雇用情勢は改善を続けているが、労働力不足は解消されていないため、非農業部門雇用者数の増加幅は10月実績を下回る可能性がある。失業率は、労働力不足を反映してさらに低下する可能性がある。

 

欧米市場イベント

○16:00   11月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月3.00%/前年比20.70%)
○16:45   10月仏鉱工業生産(予想:前月比0.5%)
○17:30   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、オンラインイベントに参加
○17:50   11月仏サービス部門PMI改定値(予想:58.2)
○17:55   11月独サービス部門PMI改定値(予想:53.4)
○18:00   11月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:56.6)
○18:30   11月英サービス部門PMI改定値(予想:58.6)
○19:00   10月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.2%/前年比1.2%)
○20:00   サンダース英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○22:30   11月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化3.50万人/失業率6.6%)
○22:30   7-9月期カナダ労働生産性指数(予想:前期比▲0.8%)
○22:30   11月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化55.0万人/失業率4.5%/平均時給、前月比0.4%/前年比5.0%)
○23:15   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○23:45   11月米サービス部門PMI改定値(予想:57.0)
○23:45   11月米総合PMI改定値
○24:00   11月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:65.0)
○24:00   10月米製造業新規受注(予想:前月比0.5%)

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