FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米感謝祭を控えて利益確定売りが優勢

米国で長期債利回りが上昇したことからハイテク株が軟化した。そして、日本株も同様の動きとなった。一方で円安を好感する動きがあり、自動車株が買われたほか、米長期金利の上昇から銀行株がしっかりとなったものの、下げを止めるほどの力強さが感じられなかった。市場では、感謝祭の休日前の米国株の動向への警戒感から、引き続き利益確定売りが優勢になったとの声があった。結局、前営業日比471円安の2万9,302円と3営業日ぶりに反落した。下げ幅は10月21日以来の大きさだった。

 

東京外国為替市場:利益確定売りやポジション調整のドル売りがやや優勢

ドル/円は、パウエル米FRB議長が再任される見通しとなり、FRBが想定通り早期に利上げを実施するとの思惑から一時115.24円付近まで上昇し、2017年3月以来のドル高・円安をつけた。祝日明けで本邦輸入勢のドル買い・円売りも通常より多く観測された。しかし、今晩発表される多くの米経済指標を前に、積極的な上値追いは手控えられた。その後、高値警戒感から利益確定やポジション調整のドル売り・円買いが持ち込まれ、115.00円付近へ下落した。米長期金利が低下したことも、ドル売りにつながった。午後に入っても軟調地合いが続き、日経平均株価が下げ幅を拡大すると、115円を割り込んで114.90円付近へ下落した。ユーロ/ドルは、23日にドイツで新型コロナウイルス新規感染者が6万6,000人超えまで急増し、行動規制が強化される見通しとなっていることから、1.12ドル台半ばでユーロの上値が重くなった。

 

トルコの財務省の人事動向に注意が必要

エルドアン大統領は昨日も『金利は原因、インフレは結果』『金融引き締めでもインフレ率は下がらない』と従来からの考えを改めて表明した。大統領の意向におとなしく従い、インフレ高にもかかわらず利下げを実施したトルコ中銀の『危険な金融政策の実験』は完全に市場から見放されている。英FT紙も述べているように、金融当局がエルドアン大統領の異例の信念から解放されない限り、リラの持続的な回復は見込めそうにない。 なお、先週末は、エルバン財務相が解任される(または、解任された)との憶測が広がった。エルバン氏は、大統領の娘婿であるアルバイラク前財務相の後を昨年11月に引き継いだ。インフレ対策が最優先事項と述べていた現財務相は、大統領が要求した政策金利の引き下げに反対していたようである。まだ暫くは財務相の人事動向には注意が必要かもしれない。

 

数少ないトルコリラの支援材料:UAEとの関係改善

数少ないリラ支援に繋がりそうなニュースとしては、アラブ首長国連邦(UAE)の事実上の指導者とされる同国ムハンマド皇太子が本日、トルコを訪れてエルドアン大統領と会談することである。一時かなり冷え込んでいた両国関係は、今年になり雪解けムードが広がっている。今回のUAE皇太子の訪問で関係改善が確認されれば、オイルマネーが潤沢なUAEからトルコへの多額な投資や貿易拡大が期待できると一部報道は伝えている。

 

南アの政界再編が始まるか注目

11月初旬の地方選挙でどの政党も過半数を獲得できなかった南ア最大都市ヨハネスブルグでは、市長選出が与党アフリカ民族会議(ANC)からではなく、ANC以外の野党が結集し第2党の民主同盟(DA)から選出されることが決定した。特に極左政党の経済的解放の闘士(EEF)もDAを支持したことで、一部では今後の南アの政局が大きく変わる可能性も指摘されている。ランドには現時点で影響を与えていないが、南アの政界再編が始まれば、今後のランド相場にも影響を与えそうである。

 

メキシコ大統領が北米3カ国首脳会談について言及

ロペスオブラドール大統領は一昨日の定例会見で、先週開催された北米3カ国首脳会談について言及した。米・加首脳に対して『メキシコの電力市場改革』『メキシコの天然資源が民間の企業にどのように利用されているか』などを説明し、『会談で深刻な相違はなかった』と述べた。ただ、以前の報道では『メキシコのエネルギー法案などが相違点として会談の重しとなった』とも伝わっているため、大統領の発言も額面通りには受け取りづらいところである。

 

米感謝祭前後の米国株に強いジンクス:年末高の傾向が強い

25日の米国市場は『感謝祭』(サンクスギビングデー)の祝日で休場となる。翌金曜日は年末商戦が本格的に始まるブラック・フライデーとなるが、相場のアノマリー分析に詳しいトレーダーズ・アルマナックによれば、感さy祭前後の米国株には強いジンクスがあるという。S&P500指数は1952年以降、感謝祭前の水曜日に上昇したのが53回に対して下落は16回。平均上昇率は0.33%となっていた。感謝祭翌日の金曜終値から年末にかけては上昇46回、下落が23回で平均1.5%の上昇率を記録したが、1987年から2020年の期間に限れば上昇率は1.8%となっており、近年は年末高の傾向が強いことが示されている。

 

米国の利上げは22年末までに3回以上が78%

金利先物から金融政策を先行きを予想する『Fedウオッチ』(日本時間24日朝時点)によると、米連邦準備理事会(FRB)が2022年末までに3回以上の利上げに動く確率は78.2%に達した。1週間前の55.3%から上昇している。バイデン米大統領がFRBのパウエル議長の再任を決め、市場では継続的な米利上げの織り込みが進んでいる。22年6月までに1回以上の利上げの確率も上昇しており、1週間前の67.6%から70.1%となった。

 

米国市場では7-9月期国内総生産改定値が公表:予想は前期比年率+2.2%

速報値は前期比年率+2.0%だった。在庫投資と政府支出は増加したが、個人消費と設備投資の伸びは鈍化した。改定値では複数の項目が上方修正される可能性があるが、速報値+2.0%からの修正幅は小幅にとどまる見込み。

 

欧米市場イベント

○16:45   11月仏企業景況感指数(予想:112)
○18:00   11月独Ifo企業景況感指数(予想:96.6)
○19:00   10-12月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数
○19:10   パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:26.0万件/203.3万人)
○22:30   10月米卸売在庫(予想:前月比1.0%)
○22:30   7-9月期米GDP改定値(予想:前期比年率2.2%)
           個人消費(改定値、予想:前期比1.6%)
           コアPCE(改定値、予想:前期比4.5%)
○22:30   10月米耐久財受注額(予想:前月比0.2%/輸送用機器を除く前月比0.5%)
○23:30   テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○24:00   10月米個人消費支出(PCE、予想:前月比1.0%)
       10月米個人所得(予想:前月比0.2%)
       10月米PCEデフレーター(予想:前年比5.1%)
       10月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.4%/前年比4.1%)
○24:00   11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:66.9)
○24:00   10月米新築住宅販売件数(予想:前月比横ばい/80.0万件)
○25日00:30   EIA週間在庫統計
○25日01:00   シュナーベルECB専務理事、講演
○25日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(11月2日-3日分)

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