FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:心理的節目の3万円を目前に見送りムードが強い

米国株高を好感してしっかりで始まったものの、日経平均が3万円に近づく上値の重さが意識され戻り売りに押される動きとなり、中盤から軟調に推移した。新たな買い材料に乏しく、上値を取りに行く動きは見られなかった。市場では、手掛かり材料に乏しく、見送りムードが強くなっている。細り気味の商いが膨らまないと日経平均の3万円回復は難しいのではないかとの声も聞かれた。前日比119円安の2万9688円と5営業日ぶりに反落して終了した。信用評価損率は12日申し込み時点でマイナス7.89%と、前の週のマイナス7.87%からマイナス幅が0.02ポイント悪化した。悪化は3週連続となった。

 

東京外国為替市場:心理的な節目となる115.00円の上値の重さを意識

ドル/円は、朝方におよそ4年8ヵ月ぶりの高値114.97円をつけた反動から、利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いに押されて114.70円付近まで下落した。日経平均株価が朝高後に伸び悩み、プラス圏からマイナス圏へ転じたことも、リスク可回避の円買いを誘った。ただ、今晩に予定されている米経済指標やFRB要人の講演内容を見極めたとの雰囲気もあり、下値を追う動きは限られた。その後は前日に発表された10月小売売上高などの指標が好調で、米FRBが利上げ時期を前倒しするとの観測からドルは買い戻され、114.85円付近へ値を切り返した。午後に入ると、ユーロ/ドルの急激なユーロ安・ドル高波及、114.95円付近へ値を上げた。しかし、心理的節目の115.00円はオプション関連などのドル売り・円買いオーダーが厚いとみられており、積極的な上値追いは手控えられた。その後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、小幅に値を下げて114.90円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、欧米金融政策スタンスの違いが意識されるなかで、ストップロスを狙った仕掛け的なユーロ売り・ドル買いが持ち込まれ、1.13ドル台を割り込んで一時1.1264ドル程度まで下落した。ただ、下値では値ごろ感からユーロを買い戻す動きみ見られ、1.1300ドル付近へ値を持ち直す荒い値動きとなった。

 

トルコリラは金融政策で売りが売りを呼ぶ悪循環

トルコ中銀が推し進めようとしている『危険な金融政策の実験』に対する市場の反応は非常に厳しいものとなっている。明日のトルコ中銀・金融政策決定会合では政策金利は現行16%から15%に引き下げられるとの予想が大半であり、市場もほぼ織り込み済みではないかと思われる。しかしながらリラ離れが加速しているところをみると、政治圧力に屈した金融政策委員会(MPC)は12月も追加利下げを実施するとの懸念が強まっている。このリラ安はトルコの外貨建て債務の負担拡大に繋がっており、リラ売りがリラ売りを呼ぶ悪循環に陥っている。

 

南アの10月CPIと9月小売売上高が公表:結果次第で乱高下の可能性

10月の南ア消費者物価指数(CPI)と9月小売売上高の結果次第で上下することになりそうである。明日、18日には南ア準備銀行(SARB)・金融政策委員会(MPC)が行われるが、現時点では若干ながら利上げ予想が増えているが、ほぼ利上げと据え置きの間では差がなく拮抗している。もし、本日発表の10月のCPIが市場予想より上回ることがあると、SARBの利上げ予想が高まり、ランドは堅調に推移しそうである。一方で、CPIが予想より低く、且つ小売売上高が弱い結果となった場合は据え置きに予想が増え、ランドは重くなる可能性がある。

 

米中間選挙での民衆党が恐れる大敗の悪夢:WSJ

米民主党は2022年の中間選挙で、辛うじて握っている下院過半数を何とか死守したいところだが、党内ではいま、危険を予告する警報が鳴り響いている。左派系の企業が先月、民主党の重要な支持層である黒人有権者を対象に行った調査によるとジョー・バイデン大統領になって生活が改善したとの回答は半分に満たなかった。別の民主党系企業が実施した調査でも、2020年の大統領選でバイデン氏に投票した、激戦州の新たな有権者層のうち3分の1近くが、今度は共和党が議会過半数を奪還するのが望ましいと答えた。今月のバージニア州知事選での敗北やニュージャージー州知事選での想定外の辛勝は、民主党の重要な支持層の間で不満が高まっていることを改めて裏付けた。さらに民主党への逆風を強める要因となっているのが、バイデン氏の支持率低迷や現職下院議員の引退、国勢調査の結果を反映させた下院の議席配分見直しで予想される共和党の躍進である。

 

今晩の米FRB要人の講演内容に注目が集まる

昨日はブラード・セントルイス連銀総裁は、コアPCEがかなり高く、連邦準備制度理事会(FRB)はテーパーを加速するなど、よりタカ派的に行動すべきだとの考えを示した。テーパーを第1四半期に終了し、早期の利上げも選択肢にすることも可能だと指摘した。本日はさらに米リッチモンド、カンザスシティー、アトランタ各連銀総裁がオンライン討論会に参加予定であるほか、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が講演を予定しており、金融政策や経済に関する発言に注目が集まる。

 

中国製品への関税引き下げを検討:インフレ抑制の手段

イエレン米財務長官は、14日放送の米CBSインタビュー番組で、中国からの輸入品にかける関税の引き下げを検討していると明らかにした。トランプ前政権と中国政府の『第1段階』通商合意を見直すなかで、いくつかの分野での関税引き下げ要請を受けたと米通商代表部(USTR)のタイ代表が述べていると指摘し、『考慮しているところだ』と語った。イエレン氏は『関税は国内の物価を押し上げる傾向にある』と述べ、インフレ抑制の手段として関税引き下げが一定の効果を持つとの見解を示した。10月の米消費者物価指数は前年同月を6.2%上回り、上昇率は1990年11月以来30年11カ月ぶりの大きさだった。

 

欧米市場イベント

○16:00   10月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.8%/前年比3.9%)
○16:00      CPIコア指数(予想:前年比3.1%)
○16:00   10月英RPI(予想:前月比0.8%/前年比5.7%)
○17:00   10月南アフリカCPI(予想:前月比0.2%/前年比5.0%)
○18:00   欧州中央銀行(ECB)、金融安定報告書を公表
○19:00   9月ユーロ圏建設支出
○19:00   10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比4.1%)
○19:00   10月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比2.1%)
○20:00   9月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比▲0.2%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   10月カナダCPI(予想:前月比0.7%/前年比4.7%)
○22:30   10月米住宅着工件数(予想:158.0万件、前月比1.6%)
         建設許可件数(予想:163.0万件、前月比2.8%)
○23:00   マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○23:00   シュナーベルECB専務理事、講演
○23:10   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○18日00:30   EIA週間在庫統計
○18日01:00   ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○18日01:00   7-9月期ロシア国内総生産(GDP)速報値(予想:前年比4.5%)
○18日01:20   メスター米クリーブランド連銀総裁、ウォーラーFRB理事、講演
○18日02:40   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○18日03:00   米財務省、20年債入札
○18日06:05   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○18日06:10   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演

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