★日経平均株価:政策への期待感から幅広く買われた
朝方に高く始まった後も米国株価指数先物の堅調な推移や好業績企業への物色を背景に上値を伸ばし、高値圏での推移が続いた。日経平均の上昇について市場では、特段の材料がない中で想定以上の値幅が出たと困惑する声が聞かれた。一方、やれやれ売りが一巡し、上値が軽くなったとの見方もあった。また、政府の経済対策の具体案が次々と伝わる中、政策への期待感から幅広い銘柄に買いが入った。結局、前営業日比332円高となり2万9609円と続伸して終了した。
★東京外国為替市場:114.25円前後でもみ合う展開
ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の大幅高に支えられ、114.30円付近まで上昇した。米長期金利が小幅に上昇したことも、ドルの押し上げにつながった。ただ、1日につけた114.44円が上値の目処として意識されると上げは一服した。その後は、週末を控えた利益確定売りや持ち高調整のドル売り・円買いも見られ114.25円を挟んでもみ合い相場となった。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、小幅に値を下げて114.20円前後で取引された。ユーロ/ドルは、米国の早期利上げ観測を手掛かりとしたユーロ売り・ドル買いが一服、1.1440ドルを挟んで方向感に欠ける値動きとなった。
★中国当局は恒大集団をゆっくり『解体』:米WSJ
中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ)の信用不安を巡っては、経営が完全に崩壊し、広範囲にわたり甚大な影響をもたらすとの懸念が出ていた。しかし、中国政府は水面下で恒大集団の『解体』をゆっくりと進めている。金融リスクの管理において、当局が数年ぶりの重大な正念場を迎えている。計画では、恒大の一部資産を国内企業へと売却する一方、住宅物件の買い手や取引先企業への打撃を抑えることで、内部崩壊のプロセスをうまく管理することを目指している。内情を知る関係筋への取材や政府の公式発表から分かった。中国当局は不動産ブームを極端に冷え込ませないよう目配りしながら、解体計画を進める必要がある。恒大は3000億ドル(約34兆2000億円)の負債に苦しんでおり、これには200億ドル近いドル建て債が含まれる。
★欧州委員会は21年物価の伸びを上方修正
欧州連合(EU)欧州委員会は11日、秋の経済見通しを公表、ユーロ圏の物価上昇率予測を2021年は7月の1.9%から2.4%に、22年は同1.4%から2.2%に夫々大幅に上方修正した。燃料・資源価格の上昇とサプライチェーン(供給網)混乱による供給制約が主因で当面は欧州中銀(ECB)の2%目標を上回る物価高が続くとみている。物価上昇の背景にはコロナ禍からの経済急回復に伴う需要回復にボトルネックによる制約により供給が追いついていない事情がある。
★原油価格高騰で第4四半期の需要見通し引き下げ:OPEC
石油輸出国機構(OPEC)は11日に発表した月報で、2021年第4・四半期の石油需要見通しを下方修正した。エネルギー価格の高騰が新型コロナウイルス危機からの回復を妨げ、石油使用量がパンデミック(世界的な大流行)以前の水準に戻るのは2022年以降にずれ込むとしている。第4・四半期の石油需要の平均は日量9949万バレルと予想した。前月の予想から33万バレル下方修正した。今年の需要の伸び見通しは日量565万バレルとし、前月から16万バレル下方修正した。OPECはまた、中国とインドの需要が予想より低調なことも、下方修正の理由として挙げた。
★対ドルで11トルコリラまで下落を予想:独コメルツ銀行
独コメルツ銀行は、(金融緩和でインフレ抑制を目指すという)トルコ中銀による危険な政策の実験で、リラは来年3月末には対ドルで11リラまで下落すると予想している。もしそのようなことになったならば、ドル/円が120円であってもリラ円は11円を割り込んでしまうことになる。さて、来週はトルコ政策金利の引き下げが確実視されているが、利下げ幅を100ベーシスポイント(現行16%から15%に引き下げ)と予想するアナリストが増えてきた。くわえてドイツ銀行などは、10月コアインフレ率が鈍化したことで12月の中銀会合でも同程度の利下げが実施されると見ている。来週の中銀声明で打ち止め感を出してくるか、または更なる緩和余地を示唆するのかが注目される。
★南ア・中期予算(MTBPS)を公表
財務相は堅調なコモディティ価格の恩恵をうけて税収が増加していることを南ア・中期予算(MTBPS)で発言している。また、前任のムボウェニ氏と同様に、債務返済を増やし、賃金削減の必要性の重要性についても言及した。地元のエコノミストの間からは債務返済の計画があいまいで、税制改革も来年2月まで分からないことを指摘されている。また、労働組合はインフレ下のなかで賃金を抑える計画について反対意見を述べている。なお、今年の国内総生産の予想を2月の3.3%から5.1%へ引き上げている。しかしながら、南ア準備銀行(SARB)の5.3%予想よりは下回るものとなっている。
★メキシコの電力・資源開発法案で米国との軋轢が深まる可能性も
国民再生運動(Morena)などを中心とするメキシコの連立与党は先週、ロペスオブラドール大統領が10月1日に提出した電力国有化に向けた憲法改正案の審議を今国会で見送る方針を示した。メキシコの国会は12月15日までとなっており、次回の国会会期(2022年2月)以降に審議されることになる。国内外から多くの批判を受けた同法案であるが、最近になって反対の姿勢を鮮明にしているのが米国である。今回の憲法改正案はロペスオブラドール大統領が推進している国家エネルギー戦略の要であり、政府・与党が対外圧力によって法案を取り下げる可能性は低いだけに、米国との軋轢が深まることにも注意が必要である。
★NY証取は『ルール7.2』で大晦日も終日取引
NYSEの休場規定『ルール7.2』によれば祝日が土曜日に当たった場合、その前日の金曜日は休場となる。ただし条件が付く。『月単位や年単位の会計期間終了など特別なビジネス環境でなければ』と記されている。当たり前だが毎年12月31日は月末であり四半期末であり年末だ。そして来年の1月1日は土曜日。つまり、ルール7.2に従えば、2021年の大晦日が金曜日であっても休場にはならず、いつも通りの終日取引で1月3日の月曜日も休場にはならない。
★米国市場ではミシガン大学消費者信頼感指数速報が公表:予想は72.4
10月CB消費者信頼感指数は113.8に改善している。雇用環境はやや改善しているが、インフレ進行に対する消費者の懸念は消えていないため、消費者信頼感の大幅な改善は期待できない。
★欧米市場のイベント
○16:00 10月独卸売物価指数(WPI)
○16:00 9月トルコ鉱工業生産(予想:前月比▲0.7%)
○16:30 10月スイス生産者輸入価格
○17:30 7-9月期香港域内総生産(GDP)確定値(予想:前期比0.1%/前年同期比5.4%)
○19:00 9月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲0.5%/前年比4.1%)
○21:00 9月インド鉱工業生産(予想:前年同月比4.8%)
○21:00 10月インド消費者物価指数(CPI、予想:前年比4.40%)
○22:50 レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼主任エコノミスト、講演
○23:00 ハスケル英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○24:00 11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:72.4)
○13日02:10 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
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