FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:突っ込み警戒感からの押し目買い

米国株安は重石となったものの、突っ込み警戒感もあって下げの反動から押し目買いが流入した。また、2万9000円を割り込まなかったことがテクニカル面で安心感を生じさせたほか、中国恒大集団がデフォルトを回避したとの一部報道も注目された。ただ、明日のMSCI銘柄定期入れ替えやオプションSQ算出を控えていることから、徐々に様子見ムードが広がった。結局、前営業日比171円高の2万9277円と5営業日ぶりに反発して終了した。11月第1週では海外投資家が1453億円の買い越しとなり3週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:急ピッチの上昇に対する反動から利食い売りで下落

ドル/円は、NY市場で発表された10月米消費者物価指数(CPI)が予想を大きく上回り、米長期金利が急上昇したことを手がかりにドル買い・円売りが進み、113円台前半から113円台後半へ水準を切り上げた。この流れを引き継ぎ、本邦輸入勢などのドル買い・円売りにも支えられ、114.15円付近まで上昇した。日経平均株価が5日ぶりに反発したことも、リスク選好の円売りを誘った。ただ、4日につけた114.29円が上値目処として意識されると上げは一服した。午後に入ると、急ピッチの上昇に対する反動から、利食い売りなどに押される展開になり、114円を割り込んで113.90円台へ下落した。本日の米国債券市場ではベテランズデーで休場となるため、短期筋による持ち高調整のドル売り・円買いも散見された。ユーロ/ドルは、1.1465ドルを底にドル買い一服の流れに沿って1.1480ドル付近までやや下値を切り上げた。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国不動産企業による国内での債券発行の規制緩和

中国紙、証券時報は、中国不動産企業による国内での債券発行に関連する政策が緩和される可能性が高いと報じた。資金調達の一段の悪化を防ぐ取り組みの一環とみられる。報道によると、緩和は銀行間市場を中心に実施する。同市場での不動産開発会社の起債を通じた調達は過去1年間に減少している。具体的にどの規則が緩和されるかには触れていないものの、中国の投資不適格(ジャンク)級ドル建て債は額面1ドルにつき2-3セント値上がりし10月18日以来の大幅な上昇となっている。株式市場では、不動産開発銘柄の指数が2月以来の大幅高となった。

 

トルコの経常収支改善するか注目:2ヵ月連続の黒字を予想

本日発表される9月トルコ経常収支は、2カ月連続の黒字が予想されている。黒字幅も17億ドルが見込まれ、予想通りであれば19年10月以来の黒字幅となる。年間を通しての赤字に変わりはないが、格付け会社フィッチはトルコ経常赤字の対GDP比は今年が3%、来年には2.3%に抑えることができると予測している。本日の結果次第では、それらを裏付けることになるかもしれない。経常収支が改善方向となればリラにとっては決して悪くない材料である。

・16:00 9月トルコ経常収支(予想:17.0億ドルの黒字)

 

南ア中期予算(MTBPS)が発表:税収増加で前向き発言を予想

南アではゴドンワナ財務相による中期予算(MTBPS)が発表される。財務相は堅調なコモディティ価格の恩恵をうけて税収が増加していることで、前向きな発言を述べるのではないかと予想されている。もっとも、依然として国家だけでなく地方や州政府の財政問題、公務員賃金法案の問題、エスコムをはじめとした国営企業の赤字などもあり、前向き発言の中でこれらの問題解決にどのような道筋を立てようとするかが注目される。

 

メキシコ中銀は4会合連続の利上げはほぼ確実視

10月消費者物価指数(CPI)は前年比で+6.24%と2017年12月以来の高水準を記録するなど、依然として国内インフレ高進を留まることを知らず、メキシコ中銀目標±3%とは乖離幅が大きくなる一方となっている。そうなると、11日(日本時間12日)のメキシコ中銀による金融政策決定会合における4会合連続はほぼ確実視、次回12月会合での5連続利上げの可能性も高まってきている。金利先高期待に伴うペソ下支えは今後もしばらくは継続しそうである。なお、米国とカナダ、メキシコの3カ国首脳が来週にも対面で会談する方向で調整しているとの一部報道が伝わっている。個別では、バイデン米大統領就任以降、オンラインで行われていたが、対面での会談は実現すれば約5年ぶりの開催となる。

 

米テスラのイーロンマスクCEOが同社株を売却

米電気自動車のテスラのイーロン・マスク再考経営責任者(CEO)が同社株約93万株を売却したことが日本時間11日に分かった。米証券取引委員会(SEC)への提出資料によると、マスク氏は8日に継続的に同社株を売却した。

 

米国では高インフレの警戒感強まるも労働市場のスラックは存続

米労働省が発表した10月消費者物価指数(CPI)は前年比で+6.2%。伸びは1990年以降31年ぶり最大を記録した。また、変動の激しいエネルギーや食品を除いたコアCPIは前年比では+4.6%。伸びは予想以上に拡大し1991年以降30年ぶり最大を記録した。インフレリスクは上昇。高インフレがFRBの想定以上に長期化する可能性があるとの警戒感が市場で浮上した。一方、先週分新規失業保険申請件数は前週比4000件減の26.7万件で6週連続で減少し、パンデミックによる経済封鎖以降で最小となった。ただ、失業保険継続受給者数は216万人だった。前回210.1万人から減少予想に反して7週間ぶり増加した。労働市場のスラック存続で、FRBは依然利上げの条件達成には時間がかかるとの見解示している。 

 

欧米市場イベント

○16:00   9月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.4%)
○16:00   7-9月期英GDP速報値(予想:前期比1.5%/前年比6.8%)
○16:00   9月英鉱工業生産(予想:前月比0.2%/前年比3.1%)
○16:00   9月英製造業生産高(予想:前月比0.2%)
○16:00   9月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:143.00億ポンドの赤字/32.56億ポンドの赤字)
○16:00   9月トルコ経常収支(予想:17.0億ドルの黒字)
○18:00   マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
○19:45   マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○21:00   9月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比▲4.3%)
○21:00   9月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比0.1%)
○12日01:00   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○12日04:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:5.00%に引き上げ)
○12日05:00   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○米国(ベテランズデー)、債券市場が休場
○ポーランド(独立記念日)、カナダ(リメンバランス・デー)、休場

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