★日経平均株価:利益確定売りに上値の重い展開継続
前日の米国株式市場は上昇したものの、前日に大幅上昇したことから利益確定売りが進行して寄り付いた。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控える上、明日が日本市場が祝日で休場となることから全般的に模様眺めとなった。結局、前営業日比126円安の2万9520円と3営業日ぶりに反落して終了した。
★東京外国為替市場:米イベント控え持ち高調整のドル売り優勢
ドル/円は、米FOMCを控えた持ち高調整などのドル売り・円買いに押され113.90円付近へ下落した。日経平均株価の反落も、リスク回避の円買いを誘った。午後に入っても軟調地合いは続き、米長期金利が低下すると、さらにドル売り・円買いが進んで113.60円付近まで下落した。豪準備銀行の政策金利発表後の豪ドル安・円高が波及した面もあった。ただ、下値では日米金融政策スタンスの違いを意識したドルの押し目買いが見られ、113.70円付近へ値を戻した。ユーロ/ドルは、米長期金利低下を手がかりとしたドル売りが一巡すると、1.1605ドル前後で方向感に欠ける値動きとなった。
★顧客が米国株を2週ぶり売り越し:BofAセキュリティーズ
BofAセキュリティーズの2日付の顧客フローのリポートでは、10月25~29日の1週間に米国株を3700万ドル売り越した。2週ぶりの小幅売り越しとなる。この週は決算シーズンが本格化する中、S&P500指数が1.33%高となって4週連続で上昇して史上最高値を更新した時だった。主体別動向ではヘッジファンド(HF)が5億4300万ドルの売り越しで、3週連続の売り越し。機関投資家は11億4000万ドルの売り越しで、5週連続の売り越しだった。個人投資家は2億9200万ドルの小幅売り越しで6週ぶりの売り越し。企業の自社株買いは19億3800万ドルで4週移動平均(14億6600万ドル)を上回って活況だった。傾向としては3週続けて個別株売り・上昇投資信託(ETF)買いの流れだった。機関投資家による節税対策のいわゆる『タックス・ロス・セリング』の10月31日の期限を控えて機関投資家は5週連続の売り越しとなったが、金融セクターを中心とした企業の自社株買いが下支えとなった。
★中国の不動産開発業の当代置業は社債の元利払いを実施せず
中国の不動産開発会社である当代置業は11月1日、10月25日期限の社債の元本と利息の支払いを実施しなかったことを受け、2023年満期の3億2100万ドル規模の社債などの返済義務がすみやかに発生する可能性があると発表した。
★3日のトルコ10月CPIの上振れ警戒感がリラの重石
3日発表の10月トルコ消費者物価指数(CPI)の上振れ警戒感からリラの上値は限定的と予想する。CPIは前年比総合が20%台まで伸び率が加速するとみられており、トルコ中銀が金融政策の決定材料とした前年比コアも前回16.98%から17%後半までの上昇が予想されている。中銀は依然としてインフレ高は一時的との見方に固執しているが、政治圧力で政策金利を引き上げられないなかでインフレを抑制する手段はかなり限られているのは確かである。実質金利マイナス幅の拡大、くわえてトルコ中銀・独立性の失墜などリラにとってネガティブな要因が根強く残る。
★国営石油公社ぺメックスの格下げリスクがペソ相場の重石
先週、メキシコペソ売りを促した大きな要因は原油安と国営石油公社ペメックスの赤字決算だったが、特にぺメックスの経営状況は深刻である。決算期間である7-9月期に原油先物は60ドル台から75ドル台へ上昇するなど堅調に推移していたが、原油高を考慮しても赤字に転落していることから、経営再建への道は一段と困難になることが容易に想像できる。ぺメックスの格下げも時間の問題とされており、そうなればメキシコ自体への格下げリスクも出てくるので、今後の米格付け会社の見解には要警戒である。
★南ア地方選挙の結果待ち
南アの地方選挙は昨日投票が行われたが、現時点では結果がまだ判明していない。事前の調査では与党・アフリカ民族会議(ANC)の獲得票は5割に満たないのではないかとされている。また、投票率もカギと言われているが、今回は低いとの報道がある。日本では得票率が低い場合は与党が優位とされているが、南アフリカでは逆である。与党ANCに対して不満を抱えている同党支持者が投票に行かないことで、野党の獲得票の割合が増える傾向がある。この後の選挙結果の続報がランド相場にも影響を与える可能性があるので、注意深く報道を見守りたいところである。
★米10月のISM製造業景況指数で新規受注が16ヵ月ぶり低水準
米供給管理協会(ISM)が発表した10月ISM製造業景況指数は60.8と、9月61.1から低下したものの予想は上回った。活動と縮小の境目となる50は16カ月連続で上回り活動の拡大を示した。しかし、主要項目の新規受注は昨年6月来の60割れと16カ月ぶり低水準に落ち込んだ。一方で、支払い価格は85.7と、9月81.2から予想以上に上昇した。7月来の高水準となり、スタグフレーションリスクが示された。入荷遅延が75.6に急伸したことが全体指数を押し上げたが、サプライチェーンの混乱というマイナス材料が要因となっている。製造業の雇用は52.0と、9月50.2に続き2カ月連続で活動の拡大を示す50を上回り7月来の高水準となったことは安心感に繋がる。
サプライチェーンの混乱やインフレ懸念から、生産予想は12カ月ぶりの低水準に落ち込み、見通しも暗い。
★イエレン米財務長官はインフレは一過性のものだと認識
イエレン米財務長官は1日、米国経済が過熱しているとは考えていないと述べた。またインフレ率は近年に比べ高くなっているが、それは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による混乱に関連した一過性のものだとの認識を改めて示した。同長官は当地での記者会見で、パンデミックが収束すれば労働力供給の制約や供給のボトルネックは緩和されるとした上で、『その意味でインフレは一過性のものであり、長期的にみて経済が過熱しているということはないとみている』と述べた。
★欧米市場のイベント
○16:30 10月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%)
○16:30 9月スイス小売売上高
○17:50 10月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:53.5)
○17:55 10月独製造業PMI改定値(予想:58.2)
○18:00 10月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:58.5)
○20:20 エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○20:55 デコス・スペイン中銀総裁、講演
○21:30 9月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比3.1%)
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○ブラジル(万聖節)、メキシコ(死者の日)、休場
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