FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:上値の重さが意識され伸び悩む

朝方は、前日の米国株式市場が底堅い動きとなった流れを好感して買い先行となった。ただ、2万9500円手前で高値を付けた後は上値の重さが意識され伸び悩み、徐々に上げ幅を縮小する展開になった。結局、前営業日比40円高の2万9255円で終了した。9月30日以来約3週間ぶりの高値となった。信用評価損率は15日申し込み時点でマイナス7.66%と、前の週のマイナス9.8%からマイナス幅が2.14ポイント縮小した。改善は3週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:114円台半ばの狭いレンジ内の展開

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや米長期金利の上昇に支えられ、114円台半ばから一時114.69円まで値を上げ、およそ3年11ヵ月ぶりの高値を付けた。日経平均株価の続伸でリスク選好が高まったことも円売りにつながった。ただ、2017年11月6日に付けた114.74円が上値の重要な抵抗線として意識されると上げは一服した。その後は、急ピッチの上昇に対する警戒感から利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いも見られ、114円台半ばへ緩んだ。午後は、手掛かり難から積極的な売り買いは目立たず、114.50円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇一服を眺めたユーロ買い・ドル売りが入り、1.1650ドル付近へ値を上げた。

 

19日に中国恒大集団は社債利払いを実施:国内向け返済を優先

消息筋の話として、債務問題に揺れる中国恒大集団(03333)が同日に期限を迎えた利払いを行ったと報じた。子会社の恒大地産集団がオンショア社債『20恒大05』の利息として1億2180万元を送金したという。一方、同社のオフショア社債については依然として債務不履行(デフォルト)の懸念がくすぶる。ある関係者は、中国の金融システムへの影響を考えると、中国恒大集団は限られた資金をまず国内向け返済に振り向ける必要があると指摘した。中国恒大集団は9月23日が期限だった米ドル債の利払いを見送っており、30日間の猶予期間中に利払いができなければ公式にデフォルトと認定される。もっとも、今月19日のオフショア債券市場は恒大地産集団と融創中国(01918)による利払いを好感して堅調に推移した。中国人民銀行(中央銀行)の易綱行長が、中国恒大集団の債務危機が中国経済や銀行システムに及ぼすリスクは『制御できる』と述べたと伝わり、安心感につながったもよう。

 

電力不足で中国の経済成長予測を下方修正:バンク・オブ・アメリカ

中国の経済成長率予測を下方修正した。下方修正は2カ月で2度目となった。電力不足で製造業が打撃を受けたが、中央銀行による大規模な政策支援が遅れていると指摘した。今年の実質国内総生産(GDP)伸び率の予測を8.0%から7.7%に下方修正した。来年も5.3%から4.0%に下方修正した。2023年は5.8%から5.3%に修正した。同社はリポートで『中国当局は9月下旬に後れを取り戻すモードに入ったとみられるが、当社の見解では新たな措置が開始されるまでにかなりの時間がかかる可能性がある』と指摘した。

 

トルコリラにとってのポジティブ材料

リラにとってポジティブなニュースは、ロシアからトルコへの観光意欲が旺盛ということである。ロシア旅行業界の関係者は、コロナで普段より後ずれした観光シーズンはまだ暫く続くとの見通しを示した。トルコ地中海沿岸の人気エリアではロシアから多くの観光客が押し寄せ、11月までホテルの予約が非常に難しい。トルコの主要産業の1つであり、重要な外貨獲得手段である観光業が息を吹き返し始めたことは、今後の同国経済にとっても明るい材料である。

 

海外投資家が南ア債購入増加でランドの下支え

ヨハネスブルグ証券取引所(JSE)の10月8日付のデータによると、この1年間で非居住者の南ア債の購入が219億ランド増加していることが示された。南アの10年債利回りは9%を超えていることで、依然として南ア債を購入している海外投資家も多くいることが、ランド買いとなっている。

 

メキシコの憲法改正案で新たな懸念が浮上

メキシコではロペスオブラドール大統領が今月1日に提出した憲法改正案に関して新たな懸念が浮上してきた。同法案は政府がリチウム資源と『その他の戦略的鉱物』の採掘権をこれ以上は容認しないとされていたが、この『その他の戦略的鉱物』に同国の主要金属産業である『銅産業』も含まれている可能性がある。政府の進める鉱業改革についてはすでに内外から多数の批判を受けているが、主力産業の一つである銅も該当するとあればさらに風当たりは強まる。

 

アトランタ連銀米Q3GDP成長見通しは引き下げ

アトランタ連銀の7-9月期国内総生産(GDP)成長見通しは0.53%と従来の1.17%から引き下げられた。本年の始め6%近くの成長を予想していたが大幅に引き下げられた。リッチモンド連銀のバーキン総裁は講演で、雇用不足がパンデミックよりも長引く可能性を指摘。また、連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事は米国の労働市場がパンデミック前の水準回復は苦闘する可能性があると警告している。

 

高インフレ続くなら『積極的な』対応が必要:ウォラーFRB理事

米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は19日、高インフレが年末まで続くなら、FRBはインフレ抑制に向け『より積極的な政策対応』を実施する必要があるかもしれないと述べた。スタンフォード大学経済政策研究所での講演で、米経済は現行の新型コロナウイルス感染による最悪期を脱したと指摘した。労働力不足など供給上の問題は時間の経過とともに緩和され、『インフレ拡大は一過性のものになるだろう。需給が物価上昇を抑制するように作用し、インフレ率は(FRBが目標として設定している)2%に回帰する』とし、FRBによる利上げは『まだしばらく先だ』とした。一方で、リスクが変化しており、現在の急速な物価上昇が続くかもしれないという『大きな懸念』を抱いていると言及した。『これまでの高インフレが一過性かどうかを見極める上で今後数カ月が重要』との認識を示し、インフレ率が年内高止まりすれば、『2022年にはテーパリング(量的緩和の縮小)だけではなく、より積極的な政策対応が正当化されるかもしれない』と語った。

 

欧米市場イベント

○15:00   9月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比3.2%)
○15:00      CPIコア指数(予想:前年比3.0%)
○15:00   9月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.2%/前年比4.7%)
○15:00   9月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比1.1%)
○16:00   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○16:20   エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:00   8月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○17:00   9月南アフリカCPI(予想:前月比0.3%/前年比5.0%)
○18:00   9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比3.4%)
○18:00   9月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比1.9%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:30   9月カナダCPI(予想:前月比0.1%/前年比4.3%)
○22:40   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○23:30   EIA週間在庫統計
○21日00:20   ビスコ伊中銀総裁、講演
○21日01:00   エバンズ米シカゴ連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁、ブラード米セントルイス連銀総裁、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、イベントに参加
○21日02:00   米財務省、20年債入札
○21日02:00   クオールズ米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○21日03:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)

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