FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国株安に連れてほぼ全面安商状

前日の米国株式市場の下げを嫌気して幅広く売られ、ほぼ全面安商状となった。濃くないでは政策への期待を追い風とした買いは一巡し、足元では海外の景気下振れへの警戒が強くなっている。中国では不動産会社の資金繰り問題や電力不足による供給制約が経済の下押し材料として浮上している。米国でも債務上限問題の解決が見通せず、米国のインフレや企業業績などの懸念材料に関心が向かい、買い材料を見つけにくい地合いになった。結局、前営業日比681円安の2万8771円と9月2日以来、約1ヵ月ぶりの安値となった。

 

東京外国為替市場:米長期金利低下と日本株安がドルの重石

ドル/円は、日経平均株価の大幅安を眺めたドル売り・円買いが入り、111.25円付近へ下落した。米長期金利が低下したことも、ドルの押しも下げ要因となった。午後に入っても軟調地合いは続き、111.12円付近まで下落した。ただ、心理的節目の111.00円が視野入りすると下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、111.20円前後まで買い戻された。ユーロ/ドルは、1.1575ドルを挟んでもみ合い相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国恒大集団傘下の投資会社が一部の元本支払い

不動産デベロッパー大手の中国恒大集団(03333)は9月30日、9月に満期が到来した投資商品について、傘下の恒大金融財富管理(深セン)有限公司(恒大財富)が元本の10%を同日までに投資家の口座に振り込んだと発表した。財務危機が深刻化する中、同社の資産運用部門は今月初めに一部理財商品を償還せず、投資家が抗議する事態となっていた。これまでの報道によると、深セン市政府当局が恒大財富の状況について一般からの意見を聞きとって徹底的な調査を行っており、中国恒大集団と恒大財富に対して償還に努力するよう促した。

 

トルコの来週発表の9月CPIに注目

来週発表の9月トルコ消費者物価指数(CPI)は上振れとの見方が広がりつつあるなか、本日のリラ円も上値の重さが意識される。一部通信社のアナリスト調査では、9月CPIの前年比予想は中心値で19.70%とされた。予想に沿った結果であれば、2019年4月以来の水準までインフレ率が上昇することになる。ただ、19年春頃の政策金利は24%と強固な引き締め策を実施しており、その後CPIは秋にかけて一桁台まで低下していった。現状はトルコ中銀が金融政策の軸をCPI総合からコアに変更し、『先走った緩和』に踏み切っており、インフレ対策は不十分と捉える市場参加者も多い。実質金利マイナス幅の拡大や長期化への懸念が高まれば、リラから他通貨への資金移動が進んでしまう。 

 

英中銀は22年12月までに3回の利上げ:市場は織り込み

イングランド銀行(英中央銀行)は2022年12月までに政策金利を0.75%まで引き上げるとトレーダーらは見込んでいる。現行は0.1%。ポンドのオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)によると、短期金融市場は現在、22年12月の中銀会合までに約0.65ポイントの金利引き上げを織り込んでいる。3回の利上げとなる可能性が高く、初回は来年2月の0.15ポイントで、6月に0.25ポイント利上げが続く想定されている。

 

南アの貿易収支は暴動前の水準に近づく

昨日発表された南アの貿易収支は市場予想(390億ランドの黒字)や7月(370億ランドの黒字)を上回り、424億ランドの黒字となった。7月は暴動により港湾や輸送機能が麻痺したことで黒字額が減少したが、8月は徐々に回復傾向が見えてきている。3月から6月までは500億ランドの黒字だったことで、あと少しで暴動前の水準には戻せそうである。

 

米国では12月までのつなぎ予算成立:政府機関の閉鎖回避

10月1日から始まる2022会計年度の一部資金を手当てするつなぎ予算案を可決した。その後、バイデン大統領が署名して成立する。これにより、連邦政府機関の一部閉鎖が回避された。つなぎ予算では12月3日までの資金が手当てされる。上院で賛成65、反対35で可決され、その数時間後に下院で賛成254、反対175で可決された。一方、民主党のペロシ下院議長は下院が30日に1兆ドル規模のインフラ投資法案に関する採決を実施すると改めて表明。ただ、同法案を巡っては民主党の進歩はと穏健派の立場の違いが鮮明となっており、バイデン政権の主要な政策目標が頓挫するリスクが浮上している。また、下院は29日遅くに債務上限適用を22年12月まで凍結する法案を可決した。上院民主党トップのシューマー院内総務は『早ければ来週にも』採決する可能性があるとしたが、共和党が再び阻止すると予想されている。

 

米4-6月期GDP確報値と先週分新規失業保険申請件数で強弱まちまち

米商務省が発表した4-6月期国内総生産(GDP)確定値は前期比年率+6.7%となった。改定値+6.6%から予想外に上方修正され昨年7-9月期以来で最大の伸びとなった。また、同期個人消費改定値は前期比年率+12.0%と、やはり予想外に改定値+11.9%から上方修正され昨年7-9月期以来で最大の伸び。同時刻に米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数は前週比1.1万件増の36.2万件となった。予想外に3週連続の増加で、8月初旬以来で最大。失業保険継続受給者数は280.2万人。前回282万人から減少も予想は上回った。

 

米国市場では8月コアPCE価格指数が公表:予想は前年比+3.6%

7月実績は+3.6%だった。インフレ加速を示唆するデータは増えていないが、一部で供給不足の状態が続いており、前年比では+3%超の水準を維持する見込み。

 

欧米市場イベント

○15:00   8月独小売売上高指数(予想:前月比1.5%/前年比1.9%)
○15:45   8月仏財政収支
○16:00   9月トルコ製造業購買担当者景気指数(PMI)
○16:30   9月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:65.5)
○16:50   9月仏製造業PMI改定値(予想:55.2)
○16:55   9月独製造業PMI改定値(予想:58.5)
○17:00   9月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:58.7)
○17:00   9月ノルウェー失業率(予想:2.5%)
○17:30   9月英製造業PMI改定値(予想:56.3)
○18:00   9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比3.3%)
○18:00   9月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比1.9%)
○21:30   7月カナダ国内総生産(GDP、予想:前月比▲0.2%/前年比5.0%)
○21:30   8月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.6%)
       8月米個人所得(予想:前月比0.3%)
       8月米PCEデフレーター(予想:前年比4.2%)
       8月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.2%/前年比3.6%)
○22:45   9月米製造業PMI改定値(予想:60.5)
○23:00   8月米建設支出(予想:前月比0.3%)
○23:00   9月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:59.6)
○23:00   9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:71.0)
○24:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○2日00:30   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○2日01:00   4-6月期ロシアGDP確報値(予想:前年比10.5%)
○2日01:00   8月ロシア失業率(予想:4.5%)
○2日02:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○2日03:00   9月ブラジル貿易収支(予想:45.00億ドルの黒字)
○香港、中国(国慶節)、休場

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