FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:月末・期末で様子見ムード広がる

自民党総裁選など注目イベントが一巡する中、月末であることが意識されて買い手控えムードが支配した。中国国家統計局と中国物流購入連合(CFLP)が発表した9月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が悪化したのを材料に売りが広がった。大引けで日経平均入れ替えに絡んだ5000億円の大規模な売りが発生するとの懸念も、株価を抑える要因となった。結局、前営業日比91円安の2万9452円で終了した。9月第4週(21日~24日)の海外投資家は2691億円売り越しとなった。売り越しは2週連続となった。

 

東京外国為替市場:利益確定売りや持ち高調整のドル売り

ドル/円は、急ピッチの上昇が続いているため、利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いが先行し、一時111.80円付近まで下落した。日経平均株価がさえない動きとなったことも、リスク回避の円買いを誘った。本日は月末にあたり、仲値にかけて本邦実需筋の動向が注目されたが、需給に大きな偏りは見られなかった。午後は、日経平均株価の持ち直しや米長期金利上昇を眺めたドル買い・円売りが入り、112.00円付近へじり高となった。ただ、前日のNY市場でつけたおよそ1年7ヵ月ぶりの高値112.05円に接近すると上げは一服した。その後は、今晩の米経済指標やFRB当局者の講演を見極めたいとの雰囲気もあり、小幅に値を下げて111.80円台を注視とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、1.1600ドル前後で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

本日は月末・期末のロンドンフィキシングが控えている。同フィックスにおける特殊玉が、脈絡なくそれまでの流れと反対方向に相場を振れさせる展開にも警戒が必要である。ただ、その後は何もなかったように元の流れに戻ることもあるし、相場の痛みを回復しきれない向きの投げで元に戻りにくくなる場合も想定でき、渦中で売買を手掛けにくい状態。

 

中国の電力危機はさらに悪化する可能性も

中国経済は電力危機で大打撃を受けているが、この冬の寒波で電力需要増加と燃料価格上昇に拍車が掛かれば、状況はさらに悪化する恐れがある。ラニーニャ現象が発生する公算大で、既にタイトなエネルギー供給がさらにひっ迫する可能性がある。米気象庁(NWS)は今月に入り、2021-22年冬季にラニーニャ現象が発生する確率は70-80%と発表した。ラニーニャ現象では通常、北半球の気温が平年より低くなる。
気温が低下すれば電力網にさらに負荷がかかることから、こうした予報は停電を回避したい政策当局の心理的な負担となりそうだ。中国の国内総生産(GDP)の3分の2余りを占める少なくとも20の省・地域がこれまでに何らかの形での停電計画を発表した。ゴールドマン・サックス・グループや野村ホールディングスなどは成長鈍化の可能性を警告し、サプライチェーンが混乱するとの懸念が広がっている。

 

ドイツの輸入物価は40年ぶりの大幅な上昇

ドイツ連邦統計庁が29日発表した8月の輸入物価は、前年同月比16.5%上昇と、40年ぶりの大幅な上昇となった。石油・ガス価格が急伸したほか、原材料のサプライチェーンの目詰まりがさらに悪化した。消費者物価が一段と上昇する可能性が高い。
品目別では、エネルギー価格が前年比93.6%上昇。天然ガス価格の上昇が主因。原材料価格も急騰。鉄鉱石は96.8%上昇、材木は61.6%上昇した。塩基性鉄・鋼・合金鉄は57.7%上昇。

 

注目集まる9月のトルコ消費者物価指数(CPI):マイナス金利拡大か

来週は注目の9月トルコ消費者物価指数(CPI)が発表される。昨日あたりから通信社がまとめたアナリスト予想がでており、CPI総合の前年比は前回19.25%を上回ると見ている専門家が多い。トルコの実質金利マイナスが長期化する懸念が高まれば、リラへの魅力は益々失われることになる。

 

南アでは経済指標が公表:市場予想かい離なければ動意薄

本日は南アから8月南ア・マネーサプライM3、8月南ア・卸売物価指数(PPI)、8月南アフリカ貿易収支などが発表される。PPIや貿易収支の結果が余程市場予想とかい離があった場合は、ランド相場も反応するだろうが、それ以外は動意づくのは難しそうである。

 

メキシコでは新型コロナ感染第3波は終息へ

メキシコ保健省は27日、同日の新型コロナウイルス新規感染者数が3007人になったと発表した。日本と同様に休日明けなどで検査数・感染者数などが減る傾向はあるが、いずれにしても8月中旬以降をピークに新規感染者数は着実に減少しており、メキシコの感染第3波は終息しつつある。また、新型コロナワクチンの接種も進んでおり、直近のデータによると国内のワクチン接種回数は約9920万回に達し、保健省は成人人口の71%が少なくとも1回の接種を終えたと発表した。首都メキシコシティでは成人の9割以上がワクチン接種を済ませた模様である。ロペスオブラドール大統領が先月に『全国予防接種プログラムの効果が出ている』と言及した通りのシナリオが進んでいる。

 

米コロナ感染者の改善に連れサービス需要が増加で雇用改善

BofAセキュリティーズは29日付リポートで『9月24日までの新型コロナウイルスの新規感染者数(7日平均)前週から18.3%、直近のピークから28.6%減少した。新規入院数と死亡者数もそれぞれ13.5%と4.9%減少した。新型コロナウイルスの状況は急速に改善しつつある』と指摘した。新型コロナの状況が改善するにつれて、サービスに対する需要が再び増加し始める兆候が見られ、『9月27日までの1週間で、航空旅客輸送は24.1%減と、前週から1.9%の改善となった。一方、外部レストラン予約サイトの利用状況は2019年と比べて平均10.3%減と、前週の11.7%減から増加した』とも指摘した。9月と8月の雇用調査期間の外部雇用指数の変化は、4.9%減から3.7%減と改められ、『今週の労働市場データは、ややポジティブだった』との見解を示した。

 

欧米市場イベント

○15:00   9月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.6%)
○15:00   4-6月期英国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比4.8%/前年比22.2%)
○15:00   4-6月期英経常収支(予想:156億ポンドの赤字)
○15:00   8月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比1.90%)
○15:45   8月仏卸売物価指数(PPI)
○15:45   8月仏消費支出(予想:前月比横ばい)
○15:45   9月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比▲0.1%/前年比2.2%)
○16:00   8月トルコ貿易収支(予想:43億ドルの赤字)
○16:00   9月スイスKOF景気先行指数(予想:110.0)
○16:10   黒田東彦日銀総裁、あいさつ(全国証券大会)
○16:55   9月独雇用統計(予想:失業率5.4%/失業者数変化▲3.3万人)
○18:00   8月ユーロ圏失業率(予想:7.5%)
○18:30   8月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.7%/前年比7.1%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○19:15   ビスコ伊中銀総裁、講演
○21:00   8月南アフリカ貿易収支(予想:390億ランドの黒字)
○21:00   9月独CPI速報値(予想:前月比0.1%/前年比4.2%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:33.5万件/280.0万人)
○21:30   4-6月期米国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比年率6.6%)
○21:30   4-6月期米個人消費(確定値、予想:前期比11.9%)
○21:30   4-6月期米コアPCE(確定値、予想:前期比6.1%)
○22:45   9月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:65.0)
○23:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○23:30   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○24:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○1日00:30   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○1日01:30   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○1日02:05   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○1日03:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:4.75%に引き上げ)
○1日03:30   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演

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