FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:3万円近辺では押し目買い

安く寄り付いた後も下げ幅を広げ、一時3万円割れ目前まで下落した。その後、香港株がしっかり推移する中、持ち直す動きとなった。新型コロナウイルスの新規感染者数の減少傾向を受けた経済正常化への期待感や良好な企業業績への思惑もあって、下値では押し目買いが支えとなった。ただ、前日の米国株式市場で半導体関連銘柄が下落したことを受け、東京市場でも値がさの半導体関連銘柄の下落が目立った。海運大手も前日に続いて大幅安となった。結局、前営業日比56円安の3万0183円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:日米金融スタンスとの違いからドル買い優勢

ドル/円は、テーパリングに前向きな発言がFRB当局者から相次ぎ、日米金融政策スタンスの違いが意識されるなかで上値を試す展開となり、111.20円付近へ上昇した。本邦輸入勢から月末に絡むドル買い・円売りも継続的に観測された。午後に入ってもこの流れは続き、米長期金利が1.50%台へ上昇すると、さらにドル買い・円売りが進んで111.24円付近まで上昇し、7月2日以来の高値をつけた。ただ、今晩の米経済指標やパウエルFRB議長の議会証言を見極めたいとの雰囲気もあり、上げは一服した。その後は、高値警戒感から利益確定売りや持ち高調整のドル売り・円買いもみられ、111.20円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、このところ下げ基調が続いたため、持ち高調整のなどのユーロ買い・ドル売りが入り1.17ドル台を回復する場面があった。

 

中国人民銀行の定例の金融政策委員会:不動産市場の健全な発展を守る

中国人民銀行(中央銀行)は27日、金融政策委員会が第3四半期の定例会議を24日に開いたと発表した。会議は、足元で世界的な新型コロナウイルスの感染が続き、外部環境がますます厳しく複雑になる一方、国内経済の回復も堅固ではなく不均衡があるとの認識を示した。その上で、景気変動の周期をまたぐ政策を設計し、今年と来年のマクロ政策を束ねて計画することで経済の質の高い発展を支える方針を明らかにした。会議は『不動産市場の健全な発展を守り、住宅消費者の合法的な権益を守る』と表明した。また、二酸化炭素の排出量をピークアウトさせ、実質ゼロにする(カーボンニュートラル)目標に向けてグリーン金融体系の実現を促進するとした。金融政策では、銀行の資本増強を支持し、実体経済への貢献とリスク防止の能力を引き上げる。市場金利が形成される仕組みや政策金利体系を整備し、実際の貸出金利を一段と低めに誘導する。人民元相場については、弾力性を高め、合理的な均衡水準に基本的に安定させるとした。また、金融による民営企業への支援と、民営企業による経済社会への貢献が互いに適応するようにする。

 

他の不動産大手も資金難という形で飛び火:一部には報道規制

中国不動産大手・中国恒大集団の経営危機が、別の同業大手にも資金難という形で飛び火したもようである。業界内で連鎖的に資金繰りが悪化する可能性もあり、予断を許さない状況となっている。中国当局も神経をとがらせており、一部に報道規制とみられる動きまで出ている。中国のニュースサイト証券時報網が27日までに報道したところによると、資金繰りに支障を来し始めているのは同業大手の融創中国(北京市)である。報道によれば、浙江省紹興市での大型開発物件の販売が急激に落ち込み、市当局に不動産市場に対する締め付けの緩和を要請したもようである。融創は紹興市政府に宛てた書簡で、当局の厳し過ぎる規制で住宅販売が大幅に減少したなどと現地事業の窮状を訴えた。中国では当局の不動産市場に対する規制強化で、恒大集団が経営危機に陥るなど、業界全体の苦境が深まっている。報道統制も強まっており、融創に関する証券時報網のニュースも既にインターネットから削除された。
融創の負債総額は6月末時点で約1兆元(約17兆円)と、恒大集団の1兆9700億元(約33兆円)を下回るが、新たな危機の火種となりかねない。融創は現在、中国本土の100以上の都市で不動産事業を展開している。

 

リラ安は外貨建ての預金準備率引き上げを意識か

ドル/リラも8.8938リラまでドル高・リラ安を記録したが、その後は8.81リラ台まで伸び悩んだ。10月1日からトルコでは市中銀行が中銀に預ける外貨建ての預金準備率が2%引き上げられる。期日が近づいてきたため、外貨流動性を減少させる措置が意識され始めたのかもしれない。 なお、先週の金融政策変更を受けて格付け会社フィッチ・レーティングスはトルコについて、『インフレを抑制するための課題を増やし、金融政策の信頼性の低さが浮き彫りになる』との懸念を示し、『最近の国際金融市場における部分的な回復を損ねるリスクがある』とも指摘しました。

 

原油上昇の背景

米中など世界経済の減速が懸念されるなか、原油再上昇となっている背景としては、①世界的な脱炭素に向けた石炭から天然(LNG)ガスへのシフトと、ガス価格高騰の余波、②主要産油国での石油施設の保守作業の遅れ、③米国での天候被害や経済活動再開の広がりなどによる原油在庫減少、④中国での電力不足による冬季に向けた資源確保の動き、といった要因がある。

 

南アランドはコモディティ価格の動きに振れる展開

ここ最近はコモディティ価格の動きにランドが右往左往している状況である。本日もコモディティ価格に連れた動きが予想される。南アにとっての懸念材料としては原油価格が続伸している。インフレ率が先月も南ア準備銀行(SARB)の目標中心値を上回っていることで、原油高により再びインフレ警戒となりそうである。

 

テーパリング間近で23年の利上げ想定:米シカゴ連銀総裁

米シカゴ地区連銀のエバンス総裁は27日、米経済は債券購入プログラムの縮小を開始するための連邦準備理事会(FRB)の基準を間もなく満たすとしたほか、利上げが正当化されるのは2023年後半になるとの見解を示した。バージニア州で開催された全米企業エコノミスト協会(NABE)の年次総会で『昨年12月に設定した実質的な一段の進展の基準達成が近いとみている』と指摘した。『雇用改善の流れが続けば、これらの条件がすぐに満たされ、テーパリング(量的緩和の縮小)を開始することができるだろう』と述べた。一方、21-22日の連邦公開市場委員会(FOMC)で公表されたドットチャートにおいて、エバンス総裁は23年の利上げを想定したと言明。従来は24年前半の利上げを予想していたが、『23-24年に十分なインフレを生み出せないことよりもインフレが行き過ぎる可能性のほうが心配だ』とした。その上で『個人的な見解では、長期的な期待インフレ率を2%に固定するためには、景気拡大期に2%を適度に上回るインフレ率を受け入れ、(景気後退時に)ほぼ必然的に発生する2%割れを相殺すべきだ』と語った

 

米国市場では9月CB消費者信頼感指数:予想は115.0

8月実績は113.8だった。新型コロナウイルスの感染再拡大が警戒されていること、雇用、インフレ見通しは不透明であることから、信頼感指数の大幅な改善は期待できない。8月実績並みの水準にとどまる見込みである。

 

欧米市場イベント

○15:00   10月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲1.6)
○15:45   9月仏消費者信頼感指数(予想:100)
○20:00   8月メキシコ失業率(季節調整前、予想:4.40%)
○21:00   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、あいさつ
○22:00   エバンズ米シカゴ連銀総裁、あいさつ
○22:00   7月米住宅価格指数(予想:前月比1.5%)
○22:00   7月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比20.0%)
○22:45   パネッタECB専務理事、講演
○23:00   パウエルFRB議長とイエレン米財務長官が米上院銀行委員会で「コロナウイルス支援・救済・経済保障法」(CARES法)について証言
○23:00   9月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:10)
○23:00   9月米消費者信頼感指数(予想:114.5)
○24:00   シュナーベルECB専務理事、講演
○29日02:00   米財務省、7年債入札
○29日02:40   ボウマンFRB理事、講演
○29日04:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演

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