FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:不安ムード後退で全面高の様相

米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過したほか、中国恒大集団の債務問題も短期的にデフォルト懸念がなくなったなど、不安ムードが後退したことで全面的に物色される展開になっている。米国株式の大幅上昇が追い風になった。終値で3万円台に乗せるのは17日以来1週間ぶりとなった。結局、前営業日比609円高の3万0248円と3営業日ぶりに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:株高でリスク選好の円売り優勢

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ110.45円付近へ値を上げた。日経平均株価の大幅反発でリスク選好が高まったことも円売りを誘った。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、110.40円台を中心とした狭いレンジでのもみ合いとなった。今晩の米国株価動向や米FRB当局者の講演内容を見極めたいとのムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.1740ドルを挟んだ小動きの展開が続いた。欧州勢待ちの様相となっている。

 

外国人投資家は中国社債の押し目買い好機となるか分析急ぐ

中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ)の経営危機は、主に外国人投資家向けにドルやユーロ建てで発行された7500億ドル(約82兆2100億円)規模の『オフショア』中国社債市場を揺らしている。オフショア債券の大半を保有する外国人投資家はここにきて、恒大集団が180億ドル相当の外貨建て債でデフォルト(債務不履行)した場合に損失額がどの程度に上るのか、市場全般が急落する中で買い増しに動くべきか、分析を急いでいる。恒大集団のデフォルト懸念を背景に、中国不動産開発業者の社債は今週に入り急落している。背景には、恒大集団が無秩序な再編を余儀なくされれば、オフショア市場全体が機能不全に陥り、他の中国企業の借り手も運転資金の調達を断たれ、支払い不履行を招きかねないとの懸念がある。

 

トルコ中銀は予想外の利下げ:GSは今後も利下げ方向で見通し変更

トルコ中銀は23日、主要政策金利である1週間レポレートを19%から18%に引き下げた。市場のコンセンサスは据え置きだった。利下げは2020年5月以来となる。中銀は声明で『最近のインフレ率の上昇は一時的な要因』とし、一方で金融引き締めによる銀行融資への影響を懸念し始めた。金融政策を判断するうえで『需要要因、コア・インフレの動向、供給ショックの影響』を評価し、利下げを決定したと述べた。今回の利下げ決定を受け、これまで12月から緩和サイクルが始まると予想していた米大手投資銀行ゴールドマン・サックスは見通しを変更した。今後は10、11月会合で50ベーシスポイント(bp)ずつ利下げし、12月以降は毎月の会合で25bp引き下げ、トルコ政策金利は22年半ばまでに15%に達するとの予測を発表した。 

 

南ア中銀は予想通りの金利据え置き

南ア準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)では、政策金利を市場予想通り据え置いた。SARBは今年の成長率を5.3%と前回の4.2%から上方修正したが、その一方で2022年は1.7%とし、前回の2.3%から下方修正している。また今年のCPIはコアを含め上方修正した。

 

米WHが政府機関に対し閉鎖に備えるよう要請

ホワイトハウスが連邦政府機関に対し、閉鎖の可能性に備えるよう要請する見通しだと報じている。政府筋が明らかにしたという。上院では28兆4000億ドルの債務上限を凍結し、会計年度末の9月30日以降も連邦政府機関の運営を維持するための法案の採決を数日後に控え、与野党の攻防が続いている。行政管理予算局(OMB)の広報担当者は、議会が超党派で政府予算の延長を決定すると期待していると述べた。また、これまでの慣習に従い、OMBは『いかなる不足の事態にも備えている』とした。


 

米FRBは利上げ前倒し:ドットチャート

米FOMC委員らが22日に示した政策金利予想(ドットチャート)によれば、22年末の予想(中央値)が前回0%近辺から0.3%に引き上げられ、23-24年にそれぞれ3回ずつの利上げ実施が示唆された。さらに、パウエルFRB議長が『テーパリング』(量的緩和の縮小)に関し『近く正当化される』と11月FOMC開始表明と12月FOMC開始の可能性を強く示唆した。

 

米新規失業保険申請件数は予想外に2週連続増

労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数(9/18)は前週比+1.6万件の35.1万件となった。前週から減少予想に反し増加し、8月来で最大となった。失業保険継続受給者数(9/11)も284.5万人と、前回271.4万人から減少以上に反し増加した。政府の財政支援策が失効したため、失業者支援プログラムの総受給者数は85.6万人減の1125万人となった。 ハリケーンアイダの影響を受けた前週からの調整で、エコノミストは今週分の申請件数改善が期待されていたが、予想外の2週連続の増加となった。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長も警告している通り労働市場には依然かなりのスラックが存続していると見られる。

 

欧米市場イベント

○17:00   9月独Ifo企業景況感指数(予想:98.9)
○20:50   エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○21:45   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○22:15   レーンECB専務理事兼主任エコノミスト、講演
○23:00   8月米新築住宅販売件数(予想:前月比1.0%/71.5万件)
○23:00   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、クラリダFRB副議長、ボウマンFRB理事、イベントに参加
○23:00   テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○23:05   ジョージ米カンザスシティ連銀総裁、講演
○25日01:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○南アフリカ(伝統文化継承の日)、休場

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