★日経平均株価:中国恒大の債務問題の懸念が継続
朝方から上値が重く、マイナス圏でのもみ合いが続いた。中国関連とみられている機械株や景気敏感株がさえない動きとなったほか、ドル/円が前日の取引時間中に比べて円高気味で輸出関連株の重石になった。中国恒大の不動産部門が23日の利払いを実施すると伝わる中で株価は急速に持ち直し、一時プラス圏に浮上する場面もあった。ただ、その後は、再び押し戻された。これまでのところ、中国恒大の債務問題について市場ではリーマン・ショックほどのインパクトはないとの見方が優勢だが、世界経済は無傷とならないだろうとの見方になっている。ただ、中国政府が具体的な対応を示さない限りは、相場の警戒は続く可能性がある。結局、前営業日比200円安の2万9639円と続落して終了した。
★東京外国為替市場:109円台前半から半ばまで持ち直す
ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、109.25円付近へ上昇した。その後も、一部メディアが『中国不動産投資大手が23日期限の社債利払いを実施する』と報じると、さらにドル買い・円売りが進んで109.50円付近へ上昇した。午後は、上海総合株価指数の持ち直しやNYダウ先物の上昇を眺めたドル買い・円売りが入り、109.55円付近までじり高となった。また、原油先物の価格が上昇したことを好感した資源国通貨高・円安が波及した。ユーロ/ドルは、夕方から参入してくる欧州勢待ちの様相を呈しており、1.17ドル台前半で小幅な値動きに終始した。
★中国恒大は23日の元建て債利払い実施へ
中国の不動産大手、中国恒大集団は22日、期日を23日に控えた人民元建て債の利払いを実施すると発表した。金額は2億3200万元(約39億円)。恒大を巡っては1兆9665億元(約33兆4000億円)にのぼる負債を巡り信用不安が浮上しており、債券の利回りが急上昇していた。恒大が22日、利払い実施を発表したのは、発行額40億元の人民元債で深圳証券取引所に上昇している。同時に利払い日が到来する米ドル債の利払い実施の有無については現時点で未公表となっている。年内の社債の利払い額は、米ドル債が計6億3110万ドル(約649億円)、人民元債が計3億5380万元となっている。元本は22年1月30日にドル債3億ドルの満期が到来する。
★ECB当局者もインフレの上振れリスク認める
欧州中央銀行(ECB)は、最近のインフレは一時的との基本シナリオを変えていないが、インフレが予測を上回るリスクを認めるECB当局者が増えている。インフレ率は11月までに3.5%に達する可能性があるが、ECBは、その後はインフレ率が急激に鈍化し、数年間にわたって2%を下回るとのシナリオを示している。ただ、コモディティー価格の急騰、供給面の制約、人手不足などが、こうしたシナリオを揺るがす要因となっている。ECBのデギンドス副総裁は、ECBの基本シナリオを維持するとした上で、上振れリスクを強調し、一時的な物価上昇が永続的なものになるリスクを『非常に警戒する』必要があると主張している。ECB理事会メンバーのストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁も、実際のインフレ率がECBの予測を上回る可能性があると指摘した。ただ、ECBが金融引き締めを迫られることはないとの見方を示した。
★トルコとUAEがエネルギー分野の投資で協議
一部トルコメディアは昨日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催されているガステック(ガスや水素などエネルギー業界に関する世界最大の展示会・会議)に参加したトルコのエネルギー・天然資源省高官の発言を報じている。高官は、トルコとUAEがエネルギー分野の投資を巡り協議を行う予定であることを明らかにした。エネルギーの多くを輸入に頼るトルコにとってUAEとの接近はまたとない機会であり、両国関係が発展するようであればトルコ経済成長の支援材料ともなりそうである。
★南アでは8月の消費者物価指数(CPI)が発表
本日は南アから8月の消費者物価指数(CPI)が発表される。6月が前年比で+4.9%、7月が+4.6%と南ア準備銀行(SARB)の目標水準の中心値(+4.5%)を上回っている。8月も市場予想は+4.8%で、3カ月連続でSARBの目標中心値を超えそうである。市場の反応を予測するのは難しいが、明日は南ア準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)が行われることで、結果がどのようにSARB声明文に反映されるかも注目される。なお、小売売上高が低調になり、失業率も過去最悪な現状ではSARBの利上げは難しいという意見が強い。
★米議会下院は債務制限を一時停止するつなぎ法案を賛成多数で可決
米議会下院が21日、政府に一時的に資金を提供し、債務制限を一時停止するつなぎ法案を賛成220、反対212で可決した。ただ、米経済専門チャンネルのCNBCによれば共和党のマコネル上院院内総務は債務上限の引き上げに反対票を投じると述べる状況下、上院では法案が可決されない可能性があるという。議会が両方の問題に対処する法律を可決しない場合、米連邦政府は10月1日に平さんされる見通しで、政府閉鎖への警戒感は足元の米株安の一因になっていた。
★米国市場では連邦公開市場委員会(FOMC)会合:予想は現状維持
FRBはこの会合で政策金利を据え置く見通しである。インフレ急伸が一段落したほか、新型コロナウイルスのデルタ変異株流行が消費を抑制している兆候が見られ、今会合で緩和縮小計画が発表される可能性は低いと見られている。
CNBCが32人の市場関係者に行った調査によると、FRBが毎月の資産購入額を150億ドル縮小する計画を12月から開始することを、11月の会合で発表すると見ていることが分かった。最初の利上げは2022年12月。インフレの高進が一段落しているほか、新型コロナ変異株流行が消費や回復を抑制し、利上げ見通しは弱まりつつある。4月時点の調査によると、2022年中0.25%の利上げを2回織り込んでいた。今回の調査では1回だった。
★欧米市場イベント
○15:30 黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
○17:00 8月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比4.8%)
○20:00 MBA住宅ローン申請指数
○23:00 8月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲1.8%/年率換算589万件)
○23:00 9月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲5.8)
○23:30 EIA週間在庫統計
○23日01:00 8月ロシア鉱工業生産(予想:前年比5.8%)
○23日03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:0.00-0.25%で据え置き)
○23日03:00 FOMC、経済・金利見通し発表
○23日03:30 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○23日06:00~ ブラジル中銀、政策金利発表(予想:6.25%に引き上げ)
○英中銀金融政策委員会(MPC、23日まで)
○韓国(秋夕)、香港(中秋節の翌日)、休場
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